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身近な環境問題とSDGsに取り組む「ミダックグループ」

身近な環境問題とSDGsに取り組む「ミダックグループ」

浜松市東区有玉南町に本社を構える「株式会社ミダック」とそのグループ会社は、工場や事務所・飲食店などの産業廃棄物・一般廃棄物の処理を行っています。自社で処分場を保有し、浜松市を中心に東海圏や関東地方など、広域の廃棄物の収集運搬から最終処分まで一貫処理体制を築いています。メインの廃棄物処理事業だけではなく、地域や社会への貢献に積極的に取り組む同社に、活動内容やグループとしての意義や目標を伺いました。

グループ全体で取り組む地域貢献や環境活動

金原志帆さん

浜松で創業して来年で70周年になる同社。社名の「ミダック」は“水・大地・空気を次の世代に美しく渡す”という経営理念が由来だそうです。同社では、浜松市内の子どもたちや子育て世代に向けた講座開催や、社員がSDGsに関連する活動に参加しやすい職場環境づくりを行っています。講座の企画・運営にも携わる営業部 金原志帆さんに、同社の取り組みについてお話しいただきました。

地域に根ざした活動を行う背景には、「未来を担う次世代へきれいな街を残したい。そのために、子どもたちに環境に興味を持ってもらいたい」という大きな目的があるそうです。

2020年から『SDGs(“誰一人取り残さない”社会の実現を目指す指標)』、をグループ全体の経営方針として取り入れ「SDGs推進プロジェクト」を発足。 YouTube企業チャンネルも開設し、わかりやすく事業や活動を伝える動画配信をスタートしました。社員がSDGsを意識し積極的に参加できるよう、2021年から「MSLP制度(ミダック・サステイナブル・ライフポイント制度)」を展開しています。勤務時間外のボランティア活動や防災への取り組み等、環境・社会に貢献する活動として会社で定めたものを生活の中で実施して報告すると還元金の対象となるポイントが付与されます。その他、就業時間内にボランティア活動を実施するために特別休暇がとれる「ボランティア休暇制度」を導入し、活動に関わる社員を徐々に増やしています。

身近な環境問題とSDGsに取り組む「ミダックグループ」

地域の子育て世代や子どもたちとの交流

【1】「はままつママゼミ」で廃棄物処理の仕事を身近に

地元企業が中心となり、子育て中のママのために、学びや体験の場を提供する「はままつママゼミ」。ミダックは2018年からママゼミに加入しています。ものづくりのワークショップやパッカー車(ゴミ収集車)の乗車体験など、親子で楽しみながら参加できる講座を一から企画し、実施しています。「ママゼミは受講する子どもたちの年齢も低いので、子育て中のママ同士の交流や親子で気分転換の場にもなれば、と思いながら開催しています」と金原さん。

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年4回ペースで開催する中、特に人気が高いのが「パッカー車ラッピング企画」です。親子が作ったパーツや手型、足型などが車両のデザインに取り入れられ、完成した車両のお披露目や乗車体験なども実施しています。今まで開催したママゼミでは3台の車両が完成し、実際に浜松市内の回収作業で活躍しているそうです。そのほかにも「水処理の実験」や「アドベントカレンダー作り」など、実験や工作をベースにした工夫を凝らした講座を実施しています。

「近年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催回数が減ったり、オンラインでの開催もあったりしましたが、今後も感染状況をみながらなるべく実地での講座にこだわって開催していきたいと考えています」と、子育て世代との交流に重きを置く意向でした。

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【2】浜松市内の小学校で環境授業を実施

子どもたちに環境への意識を高める活動として、10年前から浜松市立有玉小学校の4年生を対象に環境教育を実施しています。同社社員が講師となり、児童たちは「どうやってごみを減らすのか」をテーマに、家庭ごみの処理方法などをクイズ形式で楽しく学びます。

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さらに2021年3月からは「移動式循環リサイクルカー」が登場。社員と車両が市内の小学校へ出向き「SDGsと食品ロス」「生ごみのリサイクルループ」について説明します。リサイクルカーには生ごみをもみ殻などと発酵させ堆肥にできる装置が搭載されており、実際にごみを投入する体験なども行っているそうです。「ごみの減量について考えるきっかけづくり」が、社員の参加で次々と形になっています。

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【3】児童養護施設や子ども食堂への寄贈

地域の子どもたちへの社会貢献活動も積極的に行っており、2020年には同社が防災備蓄しているカンパンやアルファ米、飲料水の一部、さらに社員の自宅にある食品を「子ども食堂」へ寄贈しました。またコロナ禍でのマスク不足の問題を解消するため、従業員から未使用の政府支給布マスクを集め児童養護施設へ寄付する活動も行ったそうです。

地域との信頼関係が社員のモチベーションアップにつながる

環境保全活動に積極的に取り組むミダックですが、私たちの生活を支える企業でありながら、作業現場を目にする機会は少なく、従業員と市民の接点が少ない業種でもあります。「“ママゼミで初めてミダックという社名と事業内容を知った”という声も多くいただきました」と金原さん。活動を通して、環境について考える機会に繋がるのはもちろん、地元企業としての認知度や信頼性も上がってきます。

地域との交流は、従業員のプラスの変化につながります。「子どもたちがパッカー車を間近で見学し、目を輝かせて喜ぶ姿を見ると仕事への意欲や責任感も高まっているようです。より気を引き締めて、日々の業務に取り組むきっかけにもなっています」とのことでした。子どもたちとの交流や、それぞれが自分ごととして推進する環境活動が社員のモチベーションをあげ、地域に根差した環境インフラとして浜松の未来を守る大きな役割を果たしてくれています。

身近な環境問題とSDGsに取り組む「ミダックグループ」

会社概要

1952年に創業し、廃棄物の収集運搬から中間処理、最終処分をグループ内で一貫して手掛ける総合廃棄物処理企業。
大型焼却処分場や中間処理場、最終処分場を自社で保有。2019年には東証1部・名証1部に上場。浜松市が優れた地域貢献活動を行った企業をたたえる「企業CSR活動表彰」で2021年度最高賞を受賞。ミダックグループは、株式会社ミダックホールディングス、株式会社ミダック、株式会社ミダックライナー、株式会社三晃、株式会社柳産業で構成されている。

株式会社ミダック
本社所在地:浜松市東区有玉南町2163番地
URL:https://www.midac.jp/

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取材を終えて

最近ではSDGsの実現や環境に配慮した活動を行う企業は増えていますが、ミダックグループは事業内容を活かし、地域貢献や環境保全の活動を長年地道に続けてきた心強い企業です。取材では主要事業である廃棄物処理について、初めて知ることも多くありました。金原さんのお話しの中でも印象的だったのが「私たちは地域インフラとして、どんな状況にあっても事業を継続しなければならない」という言葉。悪天候の日や災害があった時でもゴミは廃棄され、収集運搬、処理が必要になり、それに携わる人々がいます。近年のコロナ禍では、病院や福祉施設などの廃棄物を扱う作業員たちはより慎重な対応が求められる機会が増えているそうです。作業現場を目にする機会が少ないのですが、私たちの暮らしを支える大切な存在であるということを実感しました。

取材・執筆/北 美緒

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