市長 × ぴっぴ「どうなるの? 浜松の子育て」

2016年3月1日

ぴっぴ×浜松市長

浜松市子育て情報サイト「ぴっぴ」のリニューアルを記念して、浜松市の鈴木康友市長と対談の機会をいただきました。
そこで、浜松市が現在までに実施している子育て支援策と、今後の展望について伺ってみることにしました。

「ぴっぴ」は使う人のことを良く考えて作られている

原田:浜松市子育て情報サイト「ぴっぴ」が、平成26年4月にリニューアルしました。
利用者の約7割が携帯端末から見ているということもあり、今回のリニューアルを機にスマートフォンでの見やすさ・使いやすさも重視しました。
すでにご覧いただいたと思いますが、感想を教えてください。

浜松市長×ぴっぴ

市長:浜松市のサイトも、携帯端末を利用する方が増えています。スマートフォン対応になりとても見やすくなりましたね。
行政職員が作るとどうしても堅さが出てしまいますが、「ぴっぴ」は市民目線で、使う側の人のことをよく考えて作られていると思います。

原田:トップページには、ニーズ別、年齢別、地域別などさまざまな検索方法を用意してありますが、キーワード検索でぴっぴのサイトに来る人も多いです。何かを検索すると「ぴっぴ」に当たるみたいな。そのため、入り口がトップページからだけでなくなってきています。

市長:子育て世代が必要とする民間の情報と行政の情報がキチンと整理されているので、キーワード検索で来た人でも、とても使いやすいのではないでしょうか。

原田:おかげさまで 4月以降もアクセス数が順調に伸びていて、多くの方が見てくれています。「ぴっぴ」は、全国の子育てサイトの中でも、アクセス数・内容の充実度ともにトップにあると思っています。

妊娠・出産から子育て期における切れ目のない支援を

浜松市長×ぴっぴ

原田:保育園・放課後児童会の待機児童、核家族化が進んだことによる孤独な育児、児童虐待など様々な問題がありますが、市長が就任されてから、浜松の子育て環境のよくなった点と、まだまだ課題だと思っている点を教えてください。

市長: 最初のマニフェストにも子ども第一主義を掲げ、妊娠・出産から、その後の子育て・教育の一連の流れを通して切れ目のない支援ができる施策を講じてきまし た。個別には妊婦健診の充実、子ども医療費助成の充実、待機児童対策として保育園・学童保育の定員増、小学校の少人数教育の推進などが挙げられます。
しかしながら、待機児童対策は定員増をはかっても、それを上回る需要がうまれてニーズの増加に追いついていないため、引き続きやっていかないといけないと思っています。

もうひとつは、切れ目のない支援ということで、施策を積み上げても、必要な人に利用されなければ意味がありません。
必要な人に必要なサービスを提供するという点では、周知の方法などにおいて、まだまだ知恵を絞れることがあると思っています。

原田:子どもの安全・安心というところではでは、子どもを巻き込む事件など心配なこともありますね。

市長:児童虐待の問題や、子どもをめぐる犯罪など、事件が起こるたびにひやひやしています。
昔ように、分厚い地域のネットワークがあれば安心なのですが、現在は、地域のつながりが段々希薄化してきているため、安全を確保するためには、行政で子どもの居場所の受け皿をしっかり作っていかないといけない時代です。

浜松市長×ぴっぴ

原田:浜松市は「浜松まつり」があるためか、地域のコミュニティが残っていると聞きますが。

市長:そうですね。浜松市は他自治体より自治会の加入率や消防団の充足率も高く、比較的、地域のネットワークのベースがあると感じています。それは、おっしゃるように「浜松まつり」のおかげだと思っています。
子育て分野についても地域の力を借りていきたいですね。
地域で子どもを見守り、子育てを支援していくことが、児童虐待を防いだり、早期発見の鍵となったりすることもあります。
『子育てはひとりでするものではなく、子育ては社会全体でするもの』という空気をもっと作っていかないといけませんね。

行政と地域の力との連携で子育てを支える体制を整える

原田:先ほど、行政だけでなく、地域の力が求められるとおっしゃいましたが、行政と民間がどのような形で連携していくのが理想と思われますか?

市長:「餅は餅屋」と言われるように、それぞれ得意分野があると思っています。
われわれ行政は、仕組みづくり、制度づくりをしますが、一人ひとりへのきめ細かいサービスには行政では手が回らないところがあります。
そういった部分は、地域の社会福祉協議会、NPO、子育て支援団体など地域に密着している団体と連携していくとそれぞれの良さが活かされると考えています。
これからは、全地域に地区社協を整備して、地域で子どもたちのケアだけでなく、高齢者の見守りやケアも含めた体制を作りあげるのが理想です。

ワークライフバランスは時代のニーズ、社会の認識の変革が必要

原田:今後、保育園整備を進めていくという話もあったのですが、子どものいる共働き世帯の働き方の見直しも必要になってきますね。ワークライフバランスについてはどのような考えをお持ちですか?

浜松市長×ぴっぴ

市長:ワークライフバランスの推進は、時代のニーズで、国も力を入れていることです。
男性も家事や育児をする時代になっていますし、女性の社会進出も進んできています。
ハード整備だけでなく、ソフト面で、家庭と仕事を両立しやすい環境づくりについて、社会全体で認識を変える必要があり、そうしなければいけないことは分かっています。
しかし、具体的に現場にいくと隔たりがあり、総論賛成各論反対みたいなところがまだまだありますね。

子育て世代だけでなく、親の介護をかかえる世代にも共通の課題で、それぞれの家庭環境に応じてバランスのとれた生活ができることが理想です。
大 手企業では、最近、組合などが問題意識をもって取り組みを始めているところがあるようです。問題は、制度の整っていない中小企業です。中小企業にも推進し てもらうように、本年度から市の取り組みとして、社会保険労務士などをワークライフアドバイザーとして派遣して支援することにしています。

総力で「子育てがしやすく楽しいと感じられるまちづくり」を推進

原田:少子化の問題を受けて動きのある自治体もありますが、浜松市は今後どのように取り組みを進めていこうとお考えですか?

浜松市長×ぴっぴ

市長:これからは、行政と住民の総力でやっていかないといけません。
職員には、自分たちだけでは知恵にも限界があるので、他の自治体の取り組みでも、民間からの提案でも良いことはどんどん取り入れていこうと常々言っています。

もうひとつ、社会全体で環境を作りあげていくことに関して、先ほどの地域のネットワークの話にも出てきましたが、浜松はある程度ベースが出来ていると思っています。
出生率は国や県の平均より高く、健康寿命も男女とも日本一。なんとなく暮らしやすいという浜松の良さを活かして、それをかさ上げしていけたらいいですね。

今までの行政は閉ざしていたところがありましたが、官でも民でもいいことは受け入れる体制で、「子育てがしやすく楽しいと感じられるまちづくり」を推進していきたいです。

次に続く団体を育て、市民活動全体の活性化を

原田:最後になりますが、今後ぴっぴを含め、NPOや子育て支援に携わる団体に期待することはありますか?

市長:行政だけでは充実した取り組みができないこともあります。
浜松市では子育て団体として、はままつ子育てネットワークぴっぴが、先進的に行政と連携して取り組んでくれていて大変ありがたいです。
ぜひ、次に続く団体の立ち上げの支援や育成を担ってもらい、市民活動全体の活性化につながっていくことを期待しています。

原田:市民協働でやってきたことなので、行政の力がなくては成り立たなかった部分もあります。
これからも応援よろしくお願いします。

聞き手:はままつ子育てネットワークぴっぴ理事長 原田博子