子育てのヒント

オズの魔法使い

2016年7月29日

竜巻によって家ごと飛ばされてしまった女の子・ドロシーが落ちたところは、不思議なオズの国でした。ドロシーは家に帰る方法を教えてもらうため、途中で出会ったわらのかかし、ブリキの木こり、臆病なライオンとともに偉大なオズ大王の住むエメラルドの都を目指します―。

映画やアニメーション、舞台などでも有名な冒険物語です。有名なだけに大まかなあらすじをご存じの人は多いと思います。比較的長いお話ですが、挿絵がふんだんに盛り込まれており、また章が細かく分かれているため、少しずつ読み聞かせれば、5~6歳(年長)から楽しめます。

オズの魔法使い (福音館古典童話シリーズ 28)
ライマン・フランク・ボーム
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悪い西の魔女を倒したドロシー一行は、自分たちの望みのものを手にいれます。かかしは脳みそ(知恵)を、木こりは心臓(心)を、ライオンは勇気を、そしてドロシーは家に帰る方法を。でもそれは、元々それぞれが自分の中に持っていたものでした。旅の途中で、知恵も優しさも勇気も充分に発揮していたのですから。ドロシーは、自分のはいている靴(=最初にオズの国に着いた時、ドロシーの家に押しつぶされて死んだ悪い東の魔女の靴)が、どこにでも飛んでいける魔法の靴であったことを知ります。最初からそれを知っていたなら、すぐにでも家に帰れたでしょう。でも、そうでなかったことで、かかしや木こりやライオンをはじめ、多くのオズの住人が幸せを得られたのです。

ドロシーは無事に元の家に帰ることができました(家は飛ばされてしまったので、新しい家が建っていました)読者の子どもたちも、ドロシーとともに冒険を成し遂げた充実感を味わい、心からその喜びに浸れます。残念ながら、あらすじだけを紹介したようなダイジェスト版ではこの喜びを味わうことはできないでしょう。

不思議な国の奇妙な人びと、4人の魔女、魔法の帽子、翼を持った猿たち・・わくわくする要素がたくさん盛り込まれています。ドロシーが旅で出会ういくつかのことがうまくめぐりあって、善い人々がみな幸せになる―子どもが物語を楽しむ醍醐味が存分に盛り込まれた一冊です。

文/浜松市立中央図書館 島野陽子さん
 

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