浜松の子育て支援レポート

ファミリー・サポート・センターを利用してみませんか

2010年7月20日

ファミリー・サポート・センターをご存知ですか。「名前は知っているけれど利用したことがない」という人も多いのでは? まずはその内容からご紹介しましょう。

ファミリー・サポート・センターとは?

ファミリー・サポート・センター(通称ファミサポ)は、子育てを援助してほしい人(おねがい会員)と、子育てを援助したい人(まかせて会員)が、お互い会員となって子育てを助け合う制度です。  おねがい会員になれるのは、小学6年生以下の子どもを持つ人。まかせて会員は、センター主催の講習会を受講した20歳以上の人がなれます。どっちも会員は、両方の資格を持つ人です。

援助の流れ

おねがい会員が援助を頼みたい場合、まず事務局に電話して日時を伝えます。事務局は都合のいいまかせて会員を探して電話。活動できるまかせて会員が決まれば、会員同士で事前打ち合わせをしたのち、当日を迎えます。援助が終わったら、まかせて会員は「援助活動報告書」を記入します。おねがい会員は料金を支払い、終了となります。

詳しくはファミリー・サポート・センターのページをご覧ください。

実際に利用している2人のママの様子をご紹介しましょう

~上の子の参観日のため、下の子を預かってもらう藤本さんの場合~

7か月の息子・けいたろうくんと一緒に、まかせて会員の横田さん宅にやってきたおねがい会員・藤本さん。幼稚園のお姉ちゃんの音楽会を参観するため、けいたろうくんを1時間半預かってもらいます。前日に、事前打ち合わせをしているのでけいたろうくんも慣れている様子です。おむつや着替え、お茶なども忘れずに渡します。「いってらっしゃ~い」とママをお見送りするけいたろうくんと横田さん。

家の中に入ると、けいたろうくんはきょろきょろしつつも横田さんにくっついて離れません。しかし横田さん宅に置いてあったプーさんのぬいぐるみを見つけると、抱っこしたりしてご機嫌に。最初は床の上にちょこんと座っていましたが、しばらくすると慣れてきたようでお部屋の探検を開始! ハイハイで、部屋のあちこちへお出かけです。「普段下に置いてあるものを手の届かないところに上げておいてよかった~」と横田さんは安堵の表情。

1時間ほど過ぎたところで、グズグズが始まりました。あやしたり、抱っこして背中をトントンしてしたりするうちにけいたろうくんはウトウト……。抱っこのまま、しばらくねんねです。

目が覚めてほどなくした頃、藤本さんがお迎えに。最初はキョトンとしていたけいたろうくんですが、ママと分かるとホッとしたようです。安心して甘えていました。

その間に横田さんは「援助活動報告書」を記入。何をしたか、子どもの様子はどうだったかなどを書いて藤本さんに渡します。一方藤本さんは料金を払い、活動終了です。「報告書に”始終にこやかでした”と書いてあるのを見て、ホッとしました。なんだか自分がほめられたようなうれしい気分」と笑顔の藤本さんでした。

おねがい会員・藤本さんから

上の娘が2歳のときに初めて利用して以来、数回お願いしています。 夫も私も県外出身。頼る人がいないため、このようなシステムがあるのはとても助かります。最初は少し不安でしたが、事前に顔合わせがあってまかせて会員さんのことも分かるので、今は安心して利用しています。
今回横田さんには初めてお願いし、息子はファミサポデビューでしたが、楽しく過ごしてくれたようでよかったなぁと思いました。横田さんはとてもフレンドリーで、子どもだけでなく私自身も頼りたくなるような方(笑)。ご自分の子育ての話なども気さくにしてくれました。今度は美容院に行くときにお願いしてみようかな。

まかせて会員・横田さんから

少し前まで仕事をしていましたが、この春に退職しました。「今後も社会の一員として生きていきたい」と思っていたところにファミサポの存在を知り、さっそく講習を受け、まかせて会員となりました。 活動当日は久しぶりに赤ちゃんと接し、自分の子育て時代を思い出しました。わが子たちはもう独立しましたが、「そういえば育児って大変だったな、お母さんたちはみんな頑張っているなぁ」と今のお母さん方の気持ちが分かったような気がしましたね。  
今の育児環境は母親に負担がかかりすぎていると感じます。せっかくこのような制度があるのだから、どんどん利用していいと思います。特別な用事のときだけでなく、コンサートや映画などのママのリフレッシュ時にも、笑顔でお手伝いできる存在でいたいなと思っています。

 

~放課後児童会のお迎えをお願いしている、阿部田さんの場合~

おねがい会員の阿部田さんはフルタイムで働くワーキングマザー。放課後児童会のお迎え時間に間に合わないため、小1の娘・そらちゃんのお迎えを毎日ファミサポにお願いしています。担当は、まかせて会員歴4年の矢部さんです。矢部さん自身も子育てまっただ中。4歳の女の子のママです。  17:45、矢部さんは娘さんと一緒に自宅を出発。徒歩で15分ほどの小学校へ向かいます。18時に到着し、児童会のお部屋へお迎え。帰りはそらちゃんと3人、雲をながめたり、その日の学校の話をしたりしながらのんびり帰ってきます。 帰宅するとまず手洗いとうがい。毎日のことなのでそらちゃんも慣れた様子です。その後、さっそく積み木で遊び始めました。そらちゃんはまるでわが家にいるかのようにリラックス。矢部さんの娘さんとおしゃべりしながら楽しんでいます。

こんな風にして、短いときは数十分、長いときは1時間ほどママを待ちます。この日は帰宅後10分ほどで阿部田さんが仕事を終えお迎えに来ました。  矢部さんは、そらちゃんの様子を阿部田さんに報告します。「また明日ね~」と笑顔で手を振ってお別れです。

おねがい会員・阿部田さんから

お迎えは毎日のことなので、初めは2~3人の方に分担してもらう予定でした。
でも矢部さんが「曜日によって違う家に行くのはそらちゃんも緊張するだろうから、毎日でもいいですよ」と言ってくださって。その言葉を聞き、涙が出るほどうれしかったです。
小学校入学を控えて親子ともども緊張していたところでしたから、その一言には本当に勇気づけられました。
自分自身がお迎えに行けず、娘に対して申し訳ないなと思うことも確かにあります。でも娘が楽しそうに矢部さん宅でのエピソードを話してくれると、いろいろな人と触れ合うこともいいことなんだなと実感。
矢部さんファミリーと過ごすことで、娘の世界が広がっていけばいいなと感じています。

まかせて会員・矢部さんから

私がまかせて会員になった理由のひとつが、“娘に、きょうだいがいる雰囲気を味わわせてあげたい”ということでした。その思いどおり、わが家に来てくれる子たちはみんなリラックスして娘と過ごしてくれるのでうれしいですね。  4年前、活動を始めたときは「これでいいのかな、大丈夫かな」とあれこれ気を遣いすぎましたが、活動を続けるうちに“大切なことは気負わないことだ”と気がつきました。
もちろん、危険なことには十分注意を払います。が、それ以外は神経質になりすぎることなく、子どもたちを大らかに見守ろうと心がけています。そう考えるようになってからは、活動することがいっそう楽しくなりました。  保育園や託児所ではフォローしきれないところは、やはり個人の力の出番だと思います。
ファミサポを通じて、ご近所の助け合いがもっと広がればいいですよね。

取材を終えて

特に心に残ったのは、まかせて会員さんの大らかで温かな雰囲気でした。「預かってあげている」というような恩着せがましさは一切なく、まるでわが子を見るような自然なまなざし。そんなまかせて会員さんの姿に、おねがい会員のおふたりも、安心してお子さんを預けている様子でした。また、お迎え時に交わされる会話は、「会員同士」というより「ママ仲間のおしゃべり」といった感じ。子どものことやそれ以外のことをざっくばらんに話し、お互いいい息抜きになっているようです。  きめ細やかな対応ができるのがファミサポのいいところです。阿部田さんのように、1時間弱だけお願いしたいけれど託児所などは使えない…そんなとき、ピンポイントで助けてくれる人がいるということはとてもありがたいこと。地域のコミュニケーションが希薄化して久しい昨今ですが、ファミサポを通じてそんな“ご近所の助け合い”が新たに育っていけばいいなと感じました。

取材・文責/NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ 鈴木亜希