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おじさんのかさ
傘は雨が降ってきたら開くものですが、この本のおじさんはそうではないようです。
おじさんが持っている傘は、黒くて細くてぴかぴか光った立派な傘です。おじさんはいつも傘を持って出かけますが、雨が降るとしっかりと抱いて走ります。大雨や、嵐の時には出かけません。ごじまんの傘がぬれるからです。
ある日、公園で雨やどりしていると「かさにいれてよ。」と、男の子がやって来ました。おじさんは、聞こえない振りをしました。傘をぬらすなんてとんでもないからです。
そんなおじさんが、傘を開きました。子どもたちの「あめがふったらポンポロロン」と、歌う愉快な声が聞こえて来たからです。「ほんとうかなあ。」 おじさんと傘は雨の中に入って行きました。ポンポロロン…と、おじさんの大きな傘からも楽しい音がしました。下の方で、長ぐつがピッチャンチャンと鳴っています。雨の日の楽しい音楽です。
おじさんの満足そうな顔。それに傘も役割を果たせて嬉しそうです。
うっとうしい雨の日も、お気に入りの傘があれば大丈夫。ポンポロロンとお出かけください。楽しいことに出会いますよ。