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ねっこぼっこ
「さあ おきなさい こどもたち もうすぐ春が やってくる」
大地の母さんの呼ぶ声に、地面の下のねっこぼっこたちはうーんと背伸びして目覚めます。
さあ、ぼんやりしてはいられません。春の野原に出ていく準備をしなくては…。
厚い茶色の冬服から明るい春の服へと着替えるのです。
布を選び、はさみと糸で一針一針ていねいに縫って行きます。
隣の部屋のねっこぼっこは、地面の下で一緒に冬をに過ごした虫たちのお手入れです。
かぶと虫の角の手入れ、てんとう虫の羽の汚れをブラシできれいに払い、まだ目覚めていない虫たちを起こしてと、大忙しです。
国中に春がやって来ると、ねっこぼっこたちは一列になって地上に出ていきます。
たくさんたくさん遊んだねっこぼっこと虫たち。
やがて、地上にも冷たい風が吹き始め、母さんの待つ地面の下に帰らなければなりません。
「さあ ねどこへ おいき こどもたち」
新しい春が来るまで、母さんのぬくもりの中で過ごします。
大地の母さんとねっこの子どもたちの一年が、素晴らしい絵と文で描かれています。
目覚めたねっこぼっこたちの愛らしさが、春の野原に出て行く時の不安と意気込みの混じった表情に変わっていく様に、思わず、大丈夫だよとエールを送りたくなります。
長い間読み継がれた絵本ですが、その人気は今も少しも衰えていません。
ねっこぼっこたちと一緒に、自然界の美しさ豊かさを味わってください。
母さんの待つ家は私たちの大切な家でもあるのです。