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スプーンちゃん

生まれてから、おっぱいやミルクだけで育ってきた赤ちゃんが、次のステップに進む離乳食。はじめてのお食事の時間に一番活躍する食器はスプーンではないでしょうか。この本は、そんな幼い子どもたちに身近な存在のスプーンが主人公です。

スプーンちゃんは、色々な食べ物をすくいます。「スプーンちゃん プリン たべるの プリリンリン」、「スプーンちゃん メロン たべよう ララランロン」と歌いながらすくいます。お子さんはきっとこの言葉と絵で「あっ!わたしもおうちのひとに、これをつかって おいしいものをたべさせてもらったな」と思うのでは。スプーンちゃんは、食べ物をすくうだけじゃありません。「おしりで たまごを コンコンコン」と、すくう面の裏側を使ってゆで卵の殻を割ったり、「いちごと ミルクを ぎゅっ ぎゅっ ぎゅっ」といちごを押し付けてつぶしたりもします。スプーンちゃん、いろいろ活躍しているんですね。食べやすいように食べ物をつぶす動作は目の前で見るお子さんもいるかもしれませんので、共感できるのではないでしょうか。

スプーンちゃん、その後もいろいろな食べ物をすくいます。すくいにくいものや、冷たいデザート、温かいスープ、ケチャップたっぷりのお料理など。まだ食べたことがないメニューもあるかもしれませんが、これからの生活のお食事タイムが楽しいものですよ、わくわくするものですよと期待させることができるのではないかと思います。そして、もう絵本にでてくるメニューを食べたことのあるお子さんにとっては、おいしかったごはんをこの絵本でもう一度味わうことができますね。

さて、スプーンちゃんはこの後、汚れたままで、どこかへ行くようです。スプーンちゃんは、食べ物が盛り付けられていたお皿やカップなどの食器たちと一緒に「あわのおふろ」に入るのでした。

お子さんはこの絵本を自分の食の体験を思い出しても楽しめますし、スプーンちゃんになりきっても楽しめるのではないかと思います。作者は『サンドイッチサンドイッチ』や『おべんとう』、『カレーライス』などの絵本の作者でもあり、食べ物の絵をとてもおいしく描く小西英子さん。私はこの絵本ではオムライスのページが好きで、眺めているだけで食べたくなります。

食事を用意するおとなのかたにとっても、スプーンちゃんを相棒として、作ったり食べさせたりの毎日の育児が楽しい気持ちになるといいなと思います。ぜひ親子で楽しんでみてください。 

文/浜松市立中央図書館 池川 里果

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