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妊婦さんの新型コロナウイルス感染症対策について:分娩の方法はどうなるの?

妊婦5月25日に新型コロナウイルス感染症に関する非常事態宣言の全面解除が表明され、6月19日には県をまたぐ移動も全国的に緩和されました。これにより皆さんの日常は少しずつ元に戻ってきてると感じる一方、自分の行動しているエリアに人が増え、戸惑っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

静岡県内の分娩を扱う医療施設では非常事態宣言発令以降、妊婦さんやお腹の赤ちゃんを感染から守るために様々な対応をしてきています。その一つが分娩方法の選択です。

感染が確定した妊婦さんの場合

現在コロナウイルスに感染が確定した妊婦さんで出産が迫っている方は原則として感染症指定医療機関での管理になり、周囲の患者さんや医療従事者へ感染しない為の個室管理が指示されています。コロナウイルス感染症のみで帝王切開にしなければいけないという決まりはありませが、分娩の際のいきみや大きな呼吸は飛沫感染のリスクが大きくなるため、限られた医療スタッフへの感染を予防するという意味でも、またご本人の肺炎症状などの状態によってはできるだけ短時間での分娩を考慮すべきとなっています。このため医療機関、主治医の判断で帝王切開が選択される事が多いと思います。

感染が確定していないが発熱や咳などの症状がある場合

コロナウイルス感染が確定していないが発熱や咳などの症状がある場合はどうなるでしょうか。この場合は元々分娩をする予定の医療施設での出産となります。PCR検査などの結果が出る前に分娩が進行している場合は感染症指定医療機関ほどの感染対策が取れず周囲への感染のリスクがある限り、やはり短時間の分娩を考慮せざるを得ず、帝王切開となる場合があります。

感染症の疑いが無い場合

感染症の疑いが無い場合は通常の自然分娩を見守ることとなりますが、無症状の感染者がいることも考慮して一部の医療施設では分娩の際に飛沫が飛ばないようシールドやマスクを使用してお互いに感染の機会が増えないよう配慮しているところもあります。

産婦人科医は日頃からお母さんと赤ちゃんが共に元気で家に帰れる事を第1に分娩方法を選択しています。自然分娩に拘って妊婦さんや赤ちゃんが分娩によって障害を受けることもありますので帝王切開がどれだけ妊婦さんの負担になるか分かったうえで敢えて選択せざるを得ない場面は稀ではありません。どちらの方法もお母さんの大きな努力と忍耐で支えられています。

実際には緊急事態宣言解除後の静岡県での新規感染者は県外からの移動を伴う人に限られており、市中感染はないようです。それでも人と接する機会が増えてきていますので、妊婦さんやそのご家庭の方々におかれましては、マスクや手洗いをこまめにし、人が密集する場所は避けるといった基本的な感染予防対策を継続していただき、これから生まれてくる赤ちゃんと家で過ごす楽しみを見つけていただければと思います。

浜松医科大学 女性医師支援センター 特任講師 谷口 千津子先生

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