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誰がいつ取得する?夫婦で考える育休

育休イメージ

子どもが原則1歳になるまで取得できる育児休業。最近は法律改正などにより、育休を取り巻く環境が変わりつつあります。ここでは夫婦で育休を取った2組の共働きご夫婦にお話しを伺いました。取得するきっかけやタイミング、仕事への思い、育休中の過ごし方など体験者ならではのエピソードをご紹介します。これから育休を検討中のパパママは記事を参考にしながら、最適な取得方法を話し合ってみてはいかがでしょうか。

男性の育休取得を促すため法改正も

男女別育休取得率推移

参考:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」
注)2011年度の比率は岩手県、宮城県、福島県を除く全国の結果

厚生労働省の調査によると2022年度の女性の育休取得率は80.2%ですが、男性の取得率は17.13%。男性の取得率は女性に比べるとかなり低いですが、記録を取り始めた1996年度から過去最高の数値となり、少しずつですが育休を取得する男性が増えているようです。政府は男性の育休取得を促すため、2022年10月から新たに出生時育児休業(産後パパ育休)の制度を創設。さらに育児休業給付金の給付率を引き上げる動きもあります。

パパの育休はママの仕事や体調に合わせて

今井さん夫婦の場合

【家族構成】パパ(34歳・公務員)、ママ(35歳・医療事務)、長女(1歳)

今井さん取得の流れ

質問
夫婦で育休取得のきっかけは?

ママ:私は2021年に転職後、間もなく妊娠が分かりました。育児休業給付金の給付対象になるには、育休取得までに約3か月間働く必要があったため、その期間だけ夫に育休を取得してもらうことになりました。

パパ:妊娠当初は妻のつわりも軽く比較的元気で、育休を長く取ると給与も減ると聞いていたので、取得する必要性を感じていませんでした。しかし妻の育児休業給付金の件があったので、職場に相談すると1か月間の育休であれば給与とほぼ満額に近い手当があると聞き、育休と有休を使い3か月間休むことにしました。

質問
職場は育休を取得しやすい環境ですか?

パパ:職場で育休を取得している先輩が身近にいて、当時は仕事量が今より少し余裕があったので比較的取りやすい雰囲気でした。自分の仕事も3か月間であれば後輩に任せられると思ったので取得しました。

ママ:転職したばかりで不安もありましたが、子育て中のママやお孫さんがいる人も多い職場なので育休への理解もありました。私は臨月まで働いたのですが「無理しないでね」と気遣っていただくことも多かったです。

質問
育休中の過ごし方は?

今井さん親子

ママ:産後休暇中は岐阜県の実家で過ごしました。昼間は親に頼ることもできましたが、夜中の世話は自分1人でするのが大変で…。精神的に落ち込み、泣いて過ごす日も多かったです。育休中は、当時住んでいた愛知県内の産後ケアセンターをよく利用しました。保健師さんに子どもを預け、私は個室でゆっくり昼寝や入浴ができたので、疲れていた時は本当に助かりました。

パパ:日中は娘と2人きりでしたが、正直なところすぐに親心が芽生える感じではなかったです(笑)。ミルク、おむつ替え、家事と淡々とやるべきことを毎日こなす中で、徐々に愛情が生まれたような…。家事はもともとやっていたので問題なかったのですが、ベビーカーなどでの散歩や外出は戸惑いました。でも娘と出かけると声をかけてもらう機会も多く、家で子どもと2人きりで過ごすより適度に外に出て大人と対面で話すことの大切さも感じました。自分が娘を連れて買い物をしていると「パパ、子育てしていて偉いね」と言われることが多いのですが、妻と娘だけだと何も言われないようで…。世間的にはまだ「子育ては母親がするもの」というイメージが強いのかなと思いました。

質問
これから育休を取る人へのアドバイスは?

ママ:産後は子どもの世話に追われ、あっという間に時が経つので、妊娠初期段階で妊娠や出産に関する公的な制度や支援などの情報取集をしておくのがお勧めです。特に育休制度は複雑なので、しっかりと理解しておけば選択肢も広がります。おむつの銘柄や近所の保育園、おもちゃのサブスク、お得な子ども服の買い方なども調べておくと便利ですよ。

パパ:育休中に仕事で周囲に負担をかけないためにも、日ごろから職場でのコミュニケーションを深めておくことが大切。自分の仕事を一人で抱えるのではなく、同僚や後輩などにも任せられる状況にしておけば、急に育休を取る状況になっても慌てることもなく、引き継ぎなどもお互いがスムーズに行えるように思います。

犬木さん夫婦の場合

【家族構成】パパ(38歳・会社員)、ママ(36歳・会社員)、長女(10か月)

犬木さん取得の流れ

質問
夫婦で育休取得のきっかけは?

パパ:夫婦ともに県外出身ですが、妻は浜松で出産したので、出産時には私が産前・産後に利用できる会社独自の休暇制度と有休を使い10日間の休暇を取得しました。育休は子どもが6か月になったら妻と交代で取得する予定でした。しかし生後間もなく娘が2回ほど入院する機会があり、妻の精神的な負担も大きかったため、生後2か月から保育園入園まで私も妻と一緒に育休を取得することにしました。

ママ:私は産前・産後休暇を取得し、そのまま育休を経て、生後9か月からフルタイムで復帰しています。夫が早めに育休を取得してくれたので助かりました。

質問
職場は育休を取得しやすい環境ですか?

ママ:本社には保育園もあり女性の復職には理解があります。産休前には上司と人事を交えた面接で復職後の希望を伝えることができ、人事に直接相談できる環境も整っていました。

パパ:私はスズキ株式会社でオートバイのテストライダーの仕事をしています。職場では育休を取る後輩も増えていて、妻の妊娠を報告した段階で、上司から育休取得の意思確認がありました。私の仕事は開発段階のオートバイに乗り、五感を使ってさまざまなデータ収集や分析をする職人的な面もあるため、仕事から離れることで腕が落ちるのでは…という不安もありました。しかし、先輩や同僚からは「子どもの一生の大切な1年目だから家族を優先して」という後押しもあり取得を決意しました。当初予定していた時期より早く取得しましたが、会社も快諾してくれたので、職場には本当に感謝しています!

質問
育休中の過ごし方は?

犬木さん一家

ママ:産後2か月間は実家の母が手伝いに来てくれ、母と入れ替わるように夫が育休に入ったので精神的に心強かったです。育休中はゆっくり夫婦で話しをする時間もでき、保育園の見学も親子3人で行けたので、夫婦で一緒に休んで良かったと思いました。経済的な面を考え、先に私がフルタイムで復帰しましたが、半年間一緒に子育てや家事に取り組んだので「夫に任せて大丈夫」という安心感もありました。

パパ:妻と一緒に育休を過ごしていたので、ワンオペになってもスムーズに過ごせました。娘と一緒にいる時間が増えたことで、好きな食べ物や遊び、テレビなども自然に分かるようになり、より一層愛情が深まったように感じます。子育て支援ひろばやショッピングセンターにも行きますが、娘と出かけると「パパはお仕事お休みなの?」と聞かれることが多いので、最近は「育休中」とプリントしたTシャツやパーカーを自作して着ています(笑)。一人になる時間や趣味に費やす時間は少なくなりましたが、長い将来のことを考えると、育休を取るという判断は正しかったと思います。

質問
これから育休を取る人へのアドバイスは?

ママ:職場もコロナ禍を経て、人が休んでも業務が続けられる状況が整備されてきたように思います。育休を取得したかったら、周囲は気にせず思い切って休めば自分もラクになると思います。ただし休暇前には同僚の負担を考え、引き継ぎをしっかりしておくことも大切ですね。夫婦間では休暇前に腹を割って話し合うこと。特に夫婦で休むと収入面への心配もありますので、プライドは捨てよく調べ、不安な面は解消しておくと良いと思います。

パパ:自分がいなくても、上司や同僚がなんとかしてくれます。今までは仕事や趣味を中心とした生活だったので、私は自分が生まれ変わるような気持ちで取得しました。当事者にしか分からないことも多いので、職場など身近で育休を取得した人の話しも聞いておくと参考になることも多いですよ。

取材を終えて

今回取材した2組のご夫婦も育休を取得するためには、事前に制度や不安な点を2人でよく調べ、話し合ったとお話しされていました。産前・産後のママは心身ともに大変な時期。パパがスムーズにサポートできるように、出産前から家事やおむつ替え、沐浴など育児について夫婦で一緒に学び、話し合って準備しておくことが大切だと感じました。

取材・文/北 美緒

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