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まほうのあめだま 安房直子/いもとようこ

今月は、児童文学者の池川恵子さんからのお薦めの本です。池川さんは浜松市出身の童話作家として活躍されています。素敵な本をいろいろ紹介してくださるとのこと、楽しみですね!
→池川恵子さんからのメッセージ

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「まほうのあめだま」
安房直子/いもとようこ

まほうのあめだま

「まほう」「あめだま」この二つのキーワードが入ったタイトルを聞いただけで、子どもたちは興味津々。今は亡き、安房直子さんの作品。
引っ越すことになって、今まで飼っていたネコ、チローを、おかしやさんのおばあさんにもらってもらうところから話は始まる。この本がおもしろいのは、さみしがっていることを、元の飼い主の女の子、みほこちゃん側からではなく、チローの側から書いていること。まほうのあめだまをなめて、わたあめみたいなチローが、ふわふわ空を飛んで、みほこちゃんに会いに行くのだ。

わたしはときどき、自分の子どもの小学校で、お話会のボランティアをしているが、今四年生の子どもたちが二年生だったころ、この本を一学期に読んだ。その年の三学期、今後の参考に、お話会でおもしろかった本のアンケートをとることになり、大多数の子どもたちは、そのアンケートをとったころ読んだ本の名前を挙げた。でも、二年生の一クラスに限っては、一学期に読んだ「まほうのあめだま」だった。他にいっぱい覚えることがあったり、楽しいことがあったりする年代に、これは快挙ではないか。

安房直子さんの作品は、わたしと同年代の人たちに親しい。教科書に載った「きつねの窓」の作者である。ききょう色に染められた指で作った思い出の窓は、帰宅し、手を洗うと消えてしまった。
食べると消える、使うと消える。当たり前だけど、何度もリセットできるゲームとはまったく違う世界を感じさせてくれる。それが、安房直子さんの作品だ。
まほうのあめだまだって、食べたらおしまい。メルモちゃん(手塚治虫)のキャンディのように、いくら食べてもいつもビンはいっぱい、なんてことはない。それはきっと、登場人物が成長していけば、必要なくなるものだからなのだと思う。
いもとようこさんの、真ん中に星が入った虹色のあめだまが、お話をふくらませているこの作品。読むのはちょっと苦手、というお母さん、お父さんに、絵がいっぱいで読みやすい、「まほうのあめだま」、おすすめです。

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