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ねずみのアナトール(文研出版)

タイタス さく/たがやたえこ やく/はまだみちこ え

 

前回、私が書いた「まほうのあめだま」は、佼成出版から出版されている。

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なぜこんな書き出しかというと、今日ご紹介する「ねずみのアナトール」が、私としては、文研出版のものでなくてはならないから。他の出版社のものは、絵が原作のままらしいのだが、この「ねずみのアナトール」の『はまだみちこ』さんの絵が、まさに、トレビアン!(すばらしい!)
子どもだった私は、出てくるチーズの絵を見て、思わずチーズ好きになってしまい、フランスの町並みの絵を見て、一度は行ってみたいものだとあこがれた。
外国の本というのは、翻訳次第でつまらなくなってしまうことがあるが、この本は、翻訳も申し分ない。アナトールの気持ちの変化が、子どもにもわかりやすく、ていねいに書かれている。
大人になって、もう一度読み返しても、その感動は薄れることがなかった。珠玉の一冊である。

ネズミの「アナトール」は、お父さんねずみだ。
いつものように、人間の台所で、家族のために残り物をあさっていると、人間に見つかってしまい、フランスの恥、とまで言われたアナトール。悲しくなったアナトールは、ねずみと自分の名誉のために、食べ物をもらう代わりに何かお返しができないかと考えた。
ねずみの好物ってなんでしょう? ねずみの好物は、そう、チーズ。(お話の中のネズミ捕りのエサでおなじみの…ね)で、この本でも、やっぱりチーズ。なんと、アナトールは、チーズ工場の味見係りになったのだ。

この本の主人公はアナトールだが、作者は、家族のことを片時も忘れていない。つらい思いで家に帰ってきたアナトールを慰めるのは奥さんネズミだし、アナトールのことを尊敬する子ネズミたちが、いつも家で待っている。本を読み終わったとき、家族っていいなあ、ってほんわか思ってしまう。

お父さんが中心になっている児童書、なかでも絵本というのは、がっかりするほど少ないのが現状だ。父の日は終わってしまったけれど、お父さんってカッコイイ、って思ってもらえるこの絵本、おすすめです。

文/池川恵子さん

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