TOPぴっぴのブログ特集記事パパママインタビュー「異次元の少子化対策」で少子化は改善すると思う?

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「異次元の少子化対策」で少子化は改善すると思う?

子どもが遊んでいる

2022年の出生数は80万人を割りこんで過去最少となり、少子化が一段と進んでいます。そのような中で政府が掲げた「異次元の少子化対策」。児童手当の拡充といった経済的支援や幼児教育・保育の質向上、男性の育休取得推進、社会全体の意識改革など様々な方針を打ち出しています。政府が掲げる対策で少子化は改善すると思うか、パパママをはじめ多くの方に回答いただきました。

アンケート実施期間 2023年8月1日~31日
対象 どなたでも
回答総数 229件

アンケートに答えてくれた人(229名)

回答者グラフ子どもの人数グラフ

年代グラフ就労状況

「異次元の少子化対策」で少子化が改善するとは思わない人が9割

Q. 政府が掲げる「こども未来戦略方針(異次元の少子化対策)」によって、子どもを産み育てようと思う人が増え子どもの数が増加すると思いますか?

少子化は改善するかグラフ

「思わない」と回答した人が89%と、圧倒的多数でした。また「思う」と回答した人の意見には「増税で本末転倒にならないようにしてほしい」、「将来世代への負担が増えるが、子どもが増えれば問題ないという数値的根拠が欲しい」といったものがあり、もろ手を挙げて賛成という人ばかりではないことが伺えます。

子どもを産み育てようと思うためにお金は必要、でもそれだけではない

Q. 子どもを産み育てようと思うには、何が必要だと思いますか?(必要だと思う順に3つ選択)

子どもを産み育てようと思うために必要なものグラフ

「医療費や教育費の無償化など、子育てにお金がかからないようにすること」を1番目にあげた人が97名、1番目から3番目までにあげた人の合計が175名と最も多く、次いで「雇用の安定や収入の増加で、お金の不安がなくなること」が続きました。「異次元の少子化対策」では「児童手当の拡充」が目玉政策として取り上げられることが多いですが、今回のアンケートでは現金給付よりも「そもそも子育てにお金がかからないようにすること」と「お金の不安がなくなること」を望んでいることがわかります。

1番目と2番目にはお金に関することをあげた人が多数でしたが、3番目にあげた項目のトップは「子育てと仕事のバランスがとれること」、次いで「子どもにやさしい社会」となりました。お金だけでなく、子育てと仕事のバランスや社会の在り様も少子化対策には欠かせないと考えている人が多いことがわかります。

もっと言いたい!子どもを産み育てようと思うために必要だと思うもの

アンケートでは、上記7つの項目の他に、子どもを産み育てようと思うために必要だと思うものを聞きました。回答には、7つの項目に関する詳細やその他の意見など、多くのコメントが寄せられました。

お金に関すること

物価高も重なり、現在の可所得分だけでは産みたいと思っても経済的な不安からもう一人を躊躇せざるを得ません。どれだけ家庭でもう一人欲しいと思ってもです。従って、少子化の打開策は真面目な家庭が産めば産むほど得をするしくみをつくることかと思います。(ママ、30代、子ども1人)

減税。年少者扶養控除の復活。現金支給より住民税や所得税が下がるほうが嬉しい。(ママ、20代以下、子ども1人)

子育てと仕事のバランス

子育てにはお金も時間も必要。働きながらも産休、育休、時短勤務などを最大限取得する事ができる企業の制度や風土が不可欠。働き手の不足を子育て世代を働かせることで賄おうとしないでほしい。それが少子化→働き手不足の無限ループをうみだしている。(ママ、30代、子ども2人)

保育・教育施設の拡充

保育園や幼稚園、学校や医療機関など子どもに関する施設を拡充する、またその為にはそこで働く人達が求める環境作りをすることでそういった施設で働く人も増えて子どもを産み育てる人達も子育てがしやすい環境になると思う。(ママ、30代、子ども1人)

その他意見

不妊治療の無償化や制度の改善。(ママ、30代、子ども1人)

結婚したいと思える余裕。(ママ、30代、子ども1人)

子どもがいることに対するポジティブなビジョン。個人レベルと社会全体レベルの両方が必要。もし今既にあるなら、もっともっと目立つようにする。ネガティブな情報ばかり目立って尻込みする。(ママ、40代、子ども1人)

少子化対策予算の拡充、ついてまわる家計や将来世代への負担

Q. 少子化対策の財源について、岸田首相は「追加負担は生じないことを目指す」と述べています。少子化対策の予算の拡充が、家計や将来世代の負担につながるのではという不安はありますか?

将来世代の負担への不安グラフ

88%の人が「ある」と回答しました。ニュースによると、2024年度予算の概算要求では、こども家庭庁からの少子化対策予算は具体的な要求額を示さない「事項要求」となっています。どれくらいの予算規模になるのかもわからない状態では、不安を感じるのも無理はないのかもしれません。

ちゃんと子育て世代の意見を聞いて!

Q. 政府の少子化対策について、どのように思いますか?自由に意見をお聞かせください。

全回答者229名のうち、67%の153名と多くの方が意見を寄せ、そのほとんどが否定的なものでした。中でも目立ったのは、「子育て世代の声を聞いていない」、「お金は必要だが、ばらまけばいいわけではない」というものです。

無駄なばら撒きばかりで意味がないと思う。そもそも結婚する人が減っているので雇用の安定や結婚したいと思えるような社会にしていくことが必要。(ママ、20代以下、子ども1人)

まともに子育てに参加したことのない昭和のおっさん世代には、現代の子育て世代が何を必要としているのか理解できていないように感じる。おっさん達が一方的に与えたいものだけを無理矢理与えられても、こちらとしてはありがたくはないので、こちらの欲しいものを先に聞いてほしい。(ママ、30代、子ども1人)

出産に関わる費用の補助や児童手当は、自分が出産をしてから有り難みを感じました。子どもを産んでから実感する政策は、第二子、第三子をもうけようというきっかけにはなると思いますが、未婚、新婚の人たちが子どもを産むという選択に至るには弱いと思います。それよりも、雇用の安定や教育費の無償化など立場にかかわらず効果が感じられる少子化対策の方が有効だと感じます。また、出産後の社会復帰のしやすさも大切だと感じます。子育てをする、しないに関わらず、誰もが困ったときに休みを取れる、お互いにフォローし合える社会になれば、自然と子どもを産みたいと思う人が増えると思います。(ママ、30代、子ども1人)

子育てに理解のある社会・どんな人にも寛容である社会へ

Q. あなたにとって「子育てしやすい社会」とはどんな社会だと思いますか?

寄せられた意見のキーワードとして「理解」があげられます。子どもや子育てに対する理解を求める意見が多くあり、そして「子どもに優しい、寛容な社会」という意見も見られました。

子どもと仕事のバランスが取れる社会。子どもがいることが当たり前な風景がこの社会には少なすぎる印象です。(パパ、30代、子ども1人)

子どもがいて当たり前。子どもが存在することを誰もが受け入れ、子育てを応援する、一緒に子育てするつもりで接する社会であること。(ママ、50代以上、子ども4人)

子どもが未来に希望を持てる社会。今のままでは将来が不安すぎる。「子育て」世代ばかりの問題ではなく、「誰もが」生きやすい社会になれば、おのずと子育てしやすい社会になるのではないか。(ママ、30代、子ども1人)

子どもの声をうるさいと思わない。思わないように、大人の心も余裕が持てる社会。コミュニケーションが大事だと思う。(その他、50代以上、子ども0人)

まとめ

今回のアンケートには予想以上に多くの方に回答いただきました。「異次元」という言葉のインパクトが大きい分、ギャップや失望がそのまま回答に反映されたのかもしれません。

昨今の物価高もあり、子どもを産み育てるためにお金は必要不可欠です。しかし、お金さえあればいいという単純な話ではなく、そもそも子育てにお金がかからないようにすることや経済的安定から生まれる心の余裕を求める声、そして、その心の余裕を持って子育てできるよう職場や社会に理解を求める声が多くありました。

このような中、「子どもの有無や男女に関わらず、すべての人が生きやすく、みんなが大切にされる社会」を望む声が子育て中の方からあがりました。子育て中は自分の子どもを見るので精いっぱいになりがちですが、時には周囲に目配りをすることが、「すべての人が生きやすい社会」への第一歩なのかもしれません。

また政府には、私たち一人ひとりが周囲に目を配る余裕を持てるよう、子育て世代の声を聞いて政策立案・実行してくれることを願うばかりです。

参考

今回のアンケート回答者のうち、半数以上の方が自由回答欄にコメントを寄せてくれました。どの意見も少子化対策や現在の子育てをとりまく状況についてみなさんの真剣な思いが感じられるものばかりです。記事に載せきれなかったものも含め全回答をまとめていますので、ぜひご覧ください。

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