子どもからのメッセージ
大きくなってきたことが自分でもわかっているよ。だから「甘えちゃいけないかな」「泣いちゃいけないかな」と思うこともある。でも、一人で頑張るのは大変。わたしたちの気持ちに気付いて、声をかけたり、受け止めてくれたりすると嬉しいな。
相手の気持ちや状況を理解することが少しずつ上手になってきます。
今までなら自分の気持ちを主張してばかりだったのに、相手の様子を見たり説明を聞いたりすると、「そうか」と譲ってくれることも増えます。
自分で考える力も育ってきています。「こうしたい」というイメージを持って、「まずはあれをこうして、それから・・・」と計画を立て、工夫して遊ぶようになります。かしこいイタズラもできるようになります。自由に存分に遊ぶことで、創意工夫・試行錯誤・切り替えの力などが育ちます。
話が上手になります。
園での出来事や友達とのことを話せるようになってきます。「誰が何をしていた」「最初はこうだったけど、こうなって最後はこうなった」など、ずいぶん上手に説明できるようになります。「へえ、それは○○だったってこと?」「ということは、△△だったんだ。」と、話を聞いてあげましょう。丁寧に受け止め、返してあげると、もっといろいろなことを話してくれるようになります。
「ぼく、やらない。」「私はいい。」と言うこともあります。
そんな時には心の中にたまっていることがあるのかもしれません。恥ずかしいことや辛いこと、悪かったなと思うことなどは、なかなか話せないこともあります。話してきた時は、「そうだったのね。」と優しく受け止めてあげましょう。安心できると話せるようになります。
毎日の生活の中で、自分のことを安定してできるようになります。
トイレや着替え、手洗い、片付けなど、いつでもどこでも自分でできる力がつきます。でも、まだやったりやらなかったりすることもあり、昨日はやったけれど、今日はやらないということもあります。やらない日に「やりなさい!」と言ってもなかなかやりません。そんな日は「じゃあ、今日はやってあげるね。」と、ちょっと甘えさせてあげましょう。自分でやったり甘えたりを繰り返しながら、少しずつ自立していきます。
相手の気持ちがわかるようになってきます。
「○○ちゃんは、本当はこう思っていたんだ」というように、相手の気持ちや考えがわかるようになってきます。「自分の思っていることと他の人の思っていることが違うことがある」とわかってきて、我慢することや譲ってあげることなどができるようになってきます。また、自分たちなりに話し合ったり、トラブルを解決しようとしたりもします。しかし、まだ誤解をしたり、複雑なことはわからなかったりしますので、サポートは必要です。ただし、大人が「こうすればいいでしょ。」「こうしなさい。」と決めるのではなく、子どもたちが出す答えを待ちましょう。
「その子らしさ」がしっかりしてきます。
性別や年齢、きょうだい関係など、自分の社会的な立場や役割を理解し始めます。「私は女の子だから、この色にする。」「僕は男の子だから”ちゃん”付けで呼ばれたくない。」「お兄ちゃんだから○○ができる。」など、こだわる子もいますが、その子らしさを発揮しているものとして受け入れていきましょう。
子どもがイメージを発揮しながら自由に遊べるようにしましょう。
お菓子の空き箱などで工作したり、ブロックを組み立てたり、紙を切ってのりで貼ったりして、自分なりのイメージを持って作る遊びに夢中になるころです。その子なりの発想を受け止め、認めることで、満足させてあげましょう。
ワンポイントアドバイス
「遊ぶことで頭と心が豊かに育ちます」
基本的なことは自分でできるようになり、新しいことにも挑戦できるようになってきたと思います。「そろそろ習い事をさせようか?」「教えればもっとできるかも?」と期待も大きくなります。でも、急がないでください。子どもの育ちに必要なのはまず、お父さんやお母さんに「甘えられること」、次に「遊ぶこと」です。“教えられて”ではなく、遊びや生活の中で“自分でやってみて・考えて・発見して学ぶことで頭と心が柔軟に、豊かに、たっぷりと力を蓄えていきます。