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放課後等デイサービスってどんなところ?

放デイ活動の様子

放課後等デイサービスをご存じですか?
その名を聞いたことはあるけれど、利用したことのない人にとっては未知の世界。具体的には何をしているところなのか、どうやったら利用できるのかを知るために、放課後等デイサービスや児童発達支援などを運営し、子どもの発達支援に長年取り組んでいる、浜松市根洗学園へ取材してきました。

放課後等デイサービスにはどんな子どもが通っているの?

放課後等デイサービスとは、発達に特性や課題のある小学生から高校生が学校終業後や長期休暇中に通所し、一人ひとりの特性に合った支援を受けられるサービスです。集団生活への対応を支援するとともに、生活能力の向上に必要な支援などの発達支援(=療育)を行っています。

放課後等デイサービスに通っている子どもは、全員が障害者手帳を持っているというわけではなく、発達障がいの特性は見られるが「診断」まではつかない「ちょっと発達が気になる」という子どももいます。ひと口に「障がい」といっても、困りごとは一人ひとりまったく異なり、日中通っている学校やクラスも特別支援学校や発達支援学級、通常の学級とさまざまです。
しかし、サービスを利用している子どもに共通しているのは、みんな発達の支援を必要としているということです。

放課後等デイサービスって何をするの?

個々に合った活動プランを立案する

放課後デイサービスで行われる支援は、子どもたち一人ひとりの特性を理解し、得意な面を伸ばしながら、日常生活の困りごとや生きづらさを解消して、自己肯定感を伸ばすことを目的としています。そのため、子どもたちが育つための基本的な力を5つの視点(5領域)から捉えて、その子の得意なことや苦手なことを把握しながら保護者と一緒に支援計画を立てていきます。

5領域とは

5領域の図

子どもの発達や生活の力を5つの視点で整理する考え方です。つまり、支援計画を立てる時に「どの力を伸ばす支援が必要か」を偏りなく考えるための枠組みとなります。5領域は次の5つです。

  • 健康・生活(生活リズム、身辺自立、食事、排せつなど)
  • 運動・感覚(姿勢、体の使い方、感覚の偏りへの対応など)
  • 認知・行動(理解力、注意力、こだわり、行動の調整など)
  • 言語・コミュニケーション(言葉の理解・表現、やりとり、意思表示など)
  • 人間関係・社会性(友だちとの関わり、ルール、集団参加など)

子どもたちには、集団活動や自分たちがやりたい遊びなど、多彩な体験活動プログラムの中で、この5領域に沿った支援が行われます。しかし音楽が好きな子もいれば、工作を得意とする子もいるように、子どもの得意不得意はそれぞれです。そのため、放課後等デイサービス「学童ねあらい(注)」では、限られた放課後の時間にさまざまな活動ができるよう、月曜日は音楽活動(リトミック)、火曜日は運動遊び、水曜日は工作、といったように曜日によって取り組む内容を変えています。そこで子どもたちも自分に合った活動の日を選んで通所します。

さらに、地域との交流を意識した活動もあります。定期的に施設周辺のゴミ拾い散歩や買い物散歩を行っています。また、学童ねあらいでは月に一度は保護者向けの茶話会を開き保護者同士がつながれる場をつくることで、保護者が一人で抱え込まずに同じ思いを共有できるようにし、他の保護者と「つながれる」ということを大事にしています。

その他にも、子どもたちの放課後の居場所としての役割も、放課後等デイサービスは担っています。そこは自分らしく安心して楽しめる、心地よい場所です。その子にとって学校や家庭だけではなく他にもコミュニティがあるというのは、社会性を育むうえで大切です。また、安心できる環境の中で過ごすことは、生活のリズムを身につけることにもつながります。「宿題を家ではできなかったけれど、ここでは友達がやっているからできる」と日々のルーティンを繰り返すことで生活習慣を身につけることができるようになります。

子どもの成長にとことんつきあう

子どもたちは心地よい場所で安心して過ごしながら、自立に向けて成長していきます。その成長を一緒に見守り支えてくれるのが児童指導員や保育士です。
児童指導員には教員、社会福祉士、作業療法士などさまざまな人がいます。

放デイの様子

保育士である三幡達史さんが心がけていることは、「どこまでもつきあう」ことだそうです。「最初はたくさん地雷を踏みました(笑)」と三幡さんは話します。
例えば、かんしゃくを起こしている子どもに対しては、なぜかんしゃくを起こしているのかという原因を探り、次にどのようにすればそこから抜け出せるのかを、その子が表現しようとしていることを汲み取りながら一緒に整理し、考えていきます。そして、次に同じ状況になったときにその子自身が自分で乗り越えられるよう、とことん付き添います。

その子の困りごとにさまざまな角度からアプローチをして、問題が解消されたときには、その解決方法や理由を保護者とも共有していきます。子どもとともに周りの大人も育っていけるよう、スタッフは伴走しているのです。

放課後等デイサービスを利用するまでのステップ

受給者証

療育を必要とする子どもであれば、放課後等デイサービスを利用することは可能ですが、実際に通うには「児童通所サービス受給者証」が必要になります。

受給者証を受けるにはまず、各区の社会福祉課への申請と面談が必要になります。申請後、障害児相談支援事業所と相談のうえ、計画案を作成してもらいます。また、必要に応じて医師の意見書等の書類を提出する場合があります。
障害児相談支援事業所は2026年5月時点で浜松市内に40か所ほどあり、市から認定を受けた社会福祉法人などが運営しています。

並行して、施設の見学も行います。相談から受給者証の交付までには最低でも1~2か月はかかります。

子どもに合った施設を探す

浜松市内には2026年5月時点で140以上の放課後等デイサービスの施設があり、動物や自然とふれあいながら活動をするところや、宿題から取り組むところ、個別活動に時間をかけるところなど施設によって内容や得意とする活動はさまざまです。どの施設にも共通して言えることは、5領域に沿って支援をしているということです。また送迎のある施設もあり、保護者によっては送迎サービスを活用して働いている人もいるそうです。

障害児相談支援事業所では、相談支援専門員と一緒に、その子にあった施設を探してマッチングしてもらいます。

ただ、何より大切なのは、その子にとってどのような支援が必要なのか、どのような施設が合うかという点です。実際に合う合わないは通ってみないとわからない部分でもあるそうです。幸い、はじめに決めた一つの施設に通い続けなければならないわけではないため、「合わないな」と感じた場合は変更することができます。また、子どもの特性に合わせて2~3か所の施設に並行して通所することも可能です。

気をつけたいのは、施設の定員に空きがない場合もあり、必ずしも希望する施設に入れるとは限らないこと。特に、新しくできた施設や春の進学シーズンは定員が早く埋まりやすいので、時間に余裕をもって探す必要がありそうです。

まずは「困っている」と声に出してほしい

松本さん・三幡さん・羽山さん

「ちょっと相談してみたいな」「いきなり社会福祉課に行くのはハードルが高い」と思ったときは、各区の区役所や行政センターにある総合相談窓口・こども家庭センタ―に相談してみるのもよいでしょう。必要に応じて受給者証の手続きや医療機関、障害児相談支援事業所などについて案内してもらえます。

根洗学園の園長、松本知子さんは言います。「放課後等デイサービスはちょっと発達が気になるかも?というぐらいの子どもも利用しています。もし少しでも困っていたら、まずは周りの関係する機関や事業所に声をかけてみてほしいです。そうしたら必ずどこかにつながって助けてもらえるから」

取材を終えて

取材した時の会話で強く印象に残ったフレーズは「伴走している」でした。子どもの成長を、保護者と一緒に社会とつながりながら伴走する。伴走してくれる人が家族以外にもいる、これはちょっとした困りごとでも気軽に相談できる相手がそばにいるということであり、大きな安心感につながります。

実際にサービスを利用しているママに「通所してよかったと感じることは?」と尋ねると「まわりに『助けて』と言えるようになった」と即答してくれました。
自分が困っていることを周囲に伝えて助けを求めることは、大人でもなかなかできないことだと思います。放課後等デイサービスとは、「困りごと」について親子で助けを求めながら、社会とつながりつつ自立を目指して成長していける、子どもにとっても親にとっても大切な学びの場だと感じました。

注 学童ねあらいは令和8年度は休止しています。

取材・執筆/仲子 亜未

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