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家族で職場訪問「ソミック石川」の工場見学ツアー!

ソミック石川  工場見学

浜松市南区にある自動車部品メーカー「株式会社ソミック石川」では、毎年勤労感謝の日に「勤労感謝の日 工場見学ツアー」が実施されています。近年の技術革新により仕事は変化し、多様な働き方がある中、親の仕事を知る「職場見学」により、子どもたちは将来をイメージしやすくなります。企業によっては、見学できることが限られてくるものの、次世代を担う子どもたちにとって、とても貴重な経験です。
ものづくりの街浜松ならではの、働く親の姿を見ることができる家族のための工場見学ツアーを取材しました。

労働組合が企画する「勤労感謝の日 工場見学ツアー」とは?

ソミック石川  工場見学

「勤労感謝の日 工場見学ツアー」を毎年主催するのは、ソミック石川労働組合です。まずは、書記長の内藤さんにお話を伺いました。

工場見学ツアーは、従業員の家族にそれぞれの仕事や職場の雰囲気を知ってもらうことを目的に、今から30年ほど前となる昭和63年11月23日より「従業員の家族の為の工場見学ツアー」としてスタートしました。当時は、取引先であるトヨタ自動車の工場やトヨタ会館などに見学へ行っていましたが、会社の成長とともに浜松市近郊にある5か所の自社工場(古川工場・鶴見工場・竜洋工場・新都田事業所・豊岡工場)を毎年順番で見学するようになりました。
見学内容を企画するのはその年の担当工場です。普段一般の人が立ち入ることのない工場内の見学ツアーを実施するには、細部にわたる配慮が欠かせません。安全面を最優先に、さらに子どもたちにわかりやすく伝えるために専門用語を使わない、体験できるスポットを作るなど、子どもたちが楽しめるようさまざまな工夫をした工場見学ツアーを毎年企画しています。

社長の歓迎でツアーがスタート

ソミック石川  工場見学

では、家族のための工場見学ツアーはどのように行われているのでしょう。11月23日(祝)に実施された工場見学ツアーにおじゃましました。
朝8時の受付開始とともに、集合場所である古川工場へ「おはようございます!」と元気な子どもたちが続々とやってきました。この日の参加者は、組合員とその家族の合計75人。受付では、工場見学ツアーの資料や会社のノベルティグッズ、飲み物などが配布されました。工場見学ツアーグッズを受け取り、準備万端です!

ソミック石川  工場見学

石川社長より歓迎の言葉を受けたあと、会社概要やツアーの予定説明などのオリエンテーションがありました。その後は2班に分かれ、古川工場内にある歴史館とアクティブラーニングセンター(コミュニケーションスペースなどを備えた社内施設)の見学へ。会社の歴史や作っているものをよく知ったあと、実際に稼働している工場へバスで移動していきました。

バスが到着したのは、今年の担当工場である磐田市北部にある豊岡工場。ソミック石川の工場の中で最も新しい工場です。玄関をくぐると子どもたちから「わあ。きれい!」という歓声が聞こえてきました。

子どもの興味をひく趣向をこらしたツアーの内容

ソミック石川 工場見学

実際に稼働している工場を子どもたちが見学するには、注意しなければならないことがたくさんあります。有事の際の避難経路や、手足を出さない、覗かないなど、工場内を見学するために必要な危機管理に関する注意がありました。その後、広い工場内で解説がよく聞こえるようイヤホンと安全確保のための帽子が配られ、いよいよ工場見学がスタートです。

見学がしやすいよう3つのグループに分かれて行われました。広い工場内に何カ所かの見学ポイントが設けられ、それぞれのポイントで担当者がテンポよく子どもたちに説明をしていきます。

ソミック石川  工場見学

豊岡工場で作られている部品の主な材料であるアルミと鉄を実際に持ち上げて重さを比べたり、アルミのくずが固まりになって出てくる機械を見たりと普段目にすることのない体験に子どもたちは興味津々。途中にはアトラクションのようにくじ引きコーナーがあったり、AGVと呼ばれる無人搬送車を見学したりと、子どもたちを飽きさせることがありません。
専門的になりがちな説明も、親しみやすい自由研究のようなまとめ方をしているものもあれば、パソコンを使ったものもあり、さまざまな趣向が凝らされていました。
およそ1時間の工場見学はあっという間に終了。出口で従業員の方に「お疲れさま!」と声をかけられると、子どもたちはみんな「ありがとうございました!」と充実した笑顔でお礼を言っていました。

家族を大切にする会社は、家族に応援される会社

お父さんやお母さんの仕事場を見てどうだった?子どもたちに感想を聞きました。

  • 広い工場の中に違う機械がいっぱいあってすごい。(小1男子)
  • 思っているより大きな工場でびっくりした。工場の中を見ることができてとても楽しかった。(小2女子)
  • いつもこんなに広いところで仕事を頑張っているのがすごいと思った。(小3女子)
  • 工場内を色んなものが自動で動いていたのがすごかった。(小5男子)
  • お父さんが設計している部品を作っているところを見ることができて感動した。(小6男子)
  • 実際にお父さんの働いている場所を見て、改めてお父さんを尊敬した。(中1男子)

30年続く工場見学ツアーをさらに続けていくために

ソミック石川  工場見学

労働組合の内藤さんに、改めて取り組みで感じること、そして今後どのように発展させていきたいかなどを聞きました。

最初はそれほど多くなかった参加者も、従業員をコンスタントに採用しているため、現在は大型バス2台の大きなツアーとなりました。「おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんの働いているところを見学し、何を作っているのか見てみよう!」と社内でもPRをし、子どもを中心に参加者が増えています。見学した子どもたちの中から、「大人になったらこの会社で働いてみたい!」と声が聞こえてくるのがとてもうれしいですね。
担当工場が日頃の業務に加え、工場見学ツアーのスケジュールを立てるのは大変なことです。しかし、企画することによって工場内をいつもと違った角度から見つめ直すよい機会にもなっています。

数年前より、午前中に工場見学を済ませ、午後からは観光へというツアーが組まれるようになりました。さらに、従業員が有給休暇を取得しなくても(祝日は工場稼働)家族だけで参加できるよう、朝の出勤と一緒に家族はツアーに参加、終業までにツアーも終了するよう予定が組まれています。これからも参加者に喜んでもらえるような工夫を重ね、日頃、従業員を支えてくれる家族への慰労も兼ねて、さらに発展させていきたいと考えています。

会社概要

ソミック石川  工場見学

1916年(大正5)創業。
ボールジョイントやダンパーなど、自動車を支える部品を製造。開発力、技術力の高さにより国内トップのシェアを誇る。海外にも8つの拠点を持ち、世界にも大きく飛躍している。

株式会社 ソミック石川
所在地:浜松市南区古川町500
TEL: (053)425-2111(代)
URL: http://www.somic.co.jp/

取材を終えて

「この工場、行ったことある!」「これはここで作ってるんだよね!」など、歴史館の展示を見ながら家族と話す子どもたちは、とても誇らしげです。ツアー終了後に子どもたちに話を聞くと、どの子も口をそろえて「すごかった~」と興奮ぎみに話してくれました。
工場見学ツアーを終えて豊岡工場を後にするバスに向かって、バスが見えなくなるまで手を振る従業員の方の姿からは家族への深い愛情も伝わってきます。そんな愛情いっぱいのツアーに参加した子どもたちは、「いつかこの会社で働いてみたい!」「お父さん、お母さんってすごい!」と、尊敬の思いをますます強くしたことでしょう。
「将来の夢は?」と聞かれても、子どもたちがなかなかイメージを持ちづらいこの時代。こういった取り組みで親が生き生きと働く姿を実際に見ることは、子どもたちが働くことの喜びを肌で感じることができる素晴らしい体験だと感じました

取材・執筆/時田 祐子

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