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本田技研工業の社会活動 環境わごん

環境わごん

浜松で発祥し、今や世界各地に拠点を置くグローバル企業、本田技研工業株式会社(以下Honda)。そのHondaが自然環境保全活動や交通安全指導など幅広い社会活動を行っているのを知っていますか?
その中のひとつ「子どもたちの育成支援活動」には、地域の子どもたちが自然や環境について考える場として生まれた「環境わごん」というプログラムがあります。長年続くこの活動は、浜松でどのように実施され、またどのような想いで継続されているのでしょうか。

自然を守る大切さとモノづくりが一度に学べる「環境わごん」

森の夢工房

「環境わごん」はその名の通り、ワゴン車にたくさんの材料を積み込んで子どもたちのもとを訪れる、出張型環境教育プログラムです。
全国共通のプログラムとして「森の夢工房」「ストーンペインティング」「自然塩づくり」「草木染め」の4つがあります。それぞれが自然環境保全の大切さとモノづくりの楽しさ両方を学べるよう企画され、現在5か所の拠点で実施されています。
使用する材料はできるだけ自然素材を選び、間伐材(木に光を当てるために間引いた木材)や海洋深層水などを各事業所で調達しています。
浜松近郊では年間50回ほど開催し、今年で延べ600回を越えます。HondaOBのボランティアスタッフ(以下スタッフ)が中心となって子どもたちのサポートをしているのも、この活動の特長です。

森の夢工房

中でも学校からのリクエストの大部分を占めるのが、丸太やどんぐりなどの木の実を使った作品づくりプログラム「森の夢工房」。多種類の自然素材を使用するため、関わるスタッフも時間をかけて念入りに準備しています。

12年前、浜松での環境わごん実施が決まった時、素材を準備する方法などについては白紙の状態だったとのこと。
現在は、スタッフ所有の山から間伐材を調達し、作業場で作品づくり用に加工しています。手間のかかる作業ですが、ここで新鮮な素材を揃えていくのが浜松のメンバーのこだわりです。その中でも子どもたちに体験させる丸太切り用の木は、できる限り採りたてのものを準備しています。水分が多いほうがやわらかく切りやすいうえ、木の感触や香りがより楽しめるからです。このように、新しい素材が手に入る恵まれた環境は浜松ならではです。

市内小学校での「森の夢工房」の様子を見てきました

森の夢工房

9月の終わり、芳川小学校で開催された「森の夢工房」を見学してきました。

この日は18名のスタッフが参加。開始1時間前から体育館で準備に入りました。素材を並べ、使用する道具をていねいにチェックします。
机に並んだのは、ノコギリにかなづち、子どもたちのリクエストに応じてスタッフが使用する電気ドリルなど。どれも最近はなかなか家庭で目にすることがない道具ばかりです。

森の夢工房

開始時間になると、3年生109名が集合しました。
まずパネルなどで森林保全の大切さについてのお話を聞きます。そして道具の扱い方や注意点を聞いてから、10班に分かれて作品づくりに取り組みました。 説明の段階ではノコギリの切れ味に驚いていた子どもたちも、たくさんの素材を目にすると次々に手に取り、何をつくろうか思いをめぐらせます。
形が決まるとそれに合わせ、スタッフと一緒に丸太を薄く切ったり、穴をあけたりしていきます。

森の夢工房

慣れない道具で悪戦苦闘している子、三角に切れ目を入れたいと悩んでいる子。ここで大切にしているのは、スタッフはあくまで形にするためのアドバイスをするだけということだそうです。発想はすべて子ども自身のものです。
完成品を手にした子どもたちは、友達と見せ合ったり、少し離れて見てみたりと、みんな誇らしげな表情です。
木の丸みを活かしつつ工夫を凝らした作品が、大きな机いっぱいに並びました。

浜松ボランティアスタッフの想い-「大きく成長する時期、学びを支える喜び」

浜松で環境わごんのサポートをしているのは、HondaOBボランティアスタッフ28名ほど。平均年齢約70歳と、子どもたちにとってはちょうど祖父母に近い年齢です。子どもたちへの接し方は、まさに近所のおじいちゃんそのもの。安全第一のこのプログラムでは、「走る」「よそ見する」など“けが”につながる行為はビシッと叱られます。
スタッフのみなさんが、子どもたちと接して感じることやこの講座で伝えたいことはどんなことなのでしょう。
初回から活動に参加してきた鈴木康司さんに聞いてみました。

鈴木康司さん

「今まで環境わごんで接してきた子どもたちは本当に元気で素直な子ばかり。それが12年間変わらないことが何よりうれしい、と他のスタッフともよく話題に なります。浜松でのびのび成長している子どもたちから元気をもらい、これからも変わらないでほしいと願いながら活動を続けています。
プログラムの立ち上げ当初は、材料を使いやすいようにするためにいろいろと試行錯誤しました。それでも子どもたちがモノを作る楽しさを知り、何か新しいモノをつくりだす職業につくかもしれないと思うと、ひとつひとつの準備や講座がとても大切に感じます」

環境わごん

他のスタッフからも、
「低学年と高学年では作るものが全然違ってくる。高学年になると実用的で実際使えるものを作りだす子も多く、その数年の成長は驚くほど。大切な時期を過ごす子どもたちにたくさんのことを学んでほしい」
「使用している間伐材は山を守り育てるためのもの。木が作りだす水と空気。この二つを守ることの大切さだけは覚えてもらいたい」
など、地域の子どもたちに将来この浜松を守り、支えられる人に成長してほしいという強い想いが聞かれました。

Hondaの願い-「地域の次世代につながる社会活動を」

村松次郎さん

浜松での社会活動にかける想いについて、環境わごんの管理や現場のサポートを行う事務局の村松次郎さん(トランスミッション製造部内・Honda社会活動推進センター)に伺いました。
環境わごん以外のプログラムとして
「従業員やOB、その家族とともに全国共通の活動として水源の森保全やビーチクリーンなどを行っています。浜松地区の森林保全は県と連携をとり、天竜川支流のある県営林の保全に取り組んでいます。またビーチクリーンは、『素足で歩ける砂浜を次世代へ』をスローガンに地域の自治体や子ども会などにも参加いただき、一緒に活動することで、自然を大切にする想いを共有しています」

その積極的な社会活動は環境保護を踏まえ、さらに子どもたちのモノづくりの場へとつながりました。
「子どもたちの育成支援としては『環境わごん』 や浜松オリジナルのプログラム『やらまいカー(車のメカニズムを学ぶイベント)』があり、子どもたちの気付きの場を提供しています。特に自然素材での作品 作りができる『環境わごん』は毎年学校からの依頼も多く、最も地域に密着したプログラムかもしれません。どれもとても地道な活動ですが、『地域の未来を守り、次世代につなげたい』という想いから成り立っています」

会社概要

本田技研工業株式会社
本社:東京都港区南青山2-1-1
トランスミッション製造部(旧浜松製作所):浜松市中区葵東1-13-1
電話:053-439-2111(代)
URL:http://www.honda.co.jp/

環境わごん申込みについて

環境わごんは小学生を中心に、学校や公民館などで実施されています。
詳しい内容や申し込みはHondaホームページ「環境わごんプログラム実施のお申し込み方法」をご覧ください。
URL:http://www.honda.co.jp/philanthropy/wagon/entry/

取材を終えて

プログラムに参加していた子どもが「ほら、まだ湿ってるよ。匂いもするし」と自分で切った木を私に見せてくれました。興味深そうに何度も触ったり匂いを嗅いだりしている様子を見て、自然素材の感触を味わうことがこんなにも子どもの感性を刺激するんだなと驚きました。そして、素材をひとつひとつ手に取り思い浮かんだモノができあがった達成感は、自分の発想を形にする楽しさに気付くきっかけとなるのでしょう。

このプログラムのように素材そのものを触ることは、子どもたちの興味をぐっと引きつけます。それを失わないためには?という考え方から環境について学ぶことは、理解しやすくとても身近に感じられるはずです。
Hondaでは工場見学でも、自然と人との共存の知恵などについてわかりやすく伝える工夫がされているとのこと。
このような活動を継続することでより地域と一体となって、子どもたちにモノをつくる楽しさを伝え、安心して暮らせる町づくりへの貢献を続けていってほしいです。

芳川小学校で開催された「森の夢工房」

芳川小学校で開催された「森の夢工房」

芳川小学校で開催された「森の夢工房」

取材・文責  NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ/makiko

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