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電子母子手帳、使いたい?
親子健康手帳(以下、母子手帳)が電子版になったら使ってみたいですか?国では将来的に母子手帳を電子版にする動きがありますが、最近ではこの動きに先んじてさまざまな育児記録アプリが登場し、実際に利用している人も多いようです。電子母子手帳に対する期待や不安、普段の育児記録方法について、ママパパに聞きました。
アンケート実施期間 2025年8月1日~8月31日
対象 妊娠中を含むすべてのママパパ
回答総数 288件
電子母子手帳を使いたい人と使いたくない人は二分される 使いたい人がいくぶんか多い
Q. 母子手帳が電子版になったら、使いたいと思いますか?
電子母子手帳を使いたい人が、使いたくない人よりも少し多いものの、拮抗する結果となりました。理由からは電子と紙、それぞれの特徴が見えました。
電子:持ち運びが楽、使い慣れたスマホでサッと記録できる
1番身近にある記録できるものがスマホだから。(プレパパ)
紙だと日常でだけでなく、災害などでやむを得ず紛失することもあり、失われないようクラウド上に情報が残せるのであれば、大変有用だと思う。また、父母など複数人で共有したい場合にも使い勝手が良くなると思う。(0歳、2歳、3~6歳のママ)
紙:将来子どもに渡しやすく、緊急時も確実に確認できる
物として目に見えるものであってほしいから。将来子どもが大きくなったら見せてあげたいから。(1歳、3~6歳、小学生以上のママ)
自治体によって使っているアプリが違う現状の中、引越しを見据えた生活をしているものとしては移行作業などが面倒臭い。海外引越しや災害時やネットワーク環境がない場面のことを考慮すると紙も必要では?(1歳のママ)
わからない:どちらもメリット・デメリットがあり決められない
電子版になったら荷物が減る。紙媒体は紙媒体で後々の思い出に残る。(1歳のママ)
電子版になると急病等で受診した時などには役立つ気がするが、将来子どもに母子手帳をプレゼントしたい気持ちがあるのでどちらもメリットデメリットがありそう。(妊娠中、2歳、3~6歳のママ)
そうは言っても大多数が育児記録アプリを使ったことがある
Q. 育児記録アプリを使ったことがありますか?
育児記録アプリの経験率は全体の80%以上で、「電子母子手帳を使いたくない(41%)」人の割合を大きく超えました。母子手帳がデジタル化しても、操作面での抵抗は少ないと予想されます。
また育児記録アプリ経験者に使ったことのある機能を聞くと、赤ちゃんのときには1日に何度も記録する「授乳やうんちの記録」や、子どもが小さいほど頻繁に計測する「身長・体重の記録」といった、記録頻度の高いものがあがりました。
ぴよログですべての情報を記録しているが、両親でいつでも共有も編集もでき、見返すのも楽なので大変便利だと感じている。過去のミルク量や排泄の量の記録を見返すことがある。(0歳のパパ)
子どもの成長は結局、紙の母子手帳に記録している
Q. 子どもの成長記録や健診・予防接種の記録などを何に残していますか?
子どもの成長記録には265人(全体の92%)が母子手帳を使用していて、次いで育児記録アプリとなりました。育児記録アプリの経験者は多いですが、現在も利用しているという人はぐっと少なくなっています。
育児記録アプリは夫と共有できること、授乳や睡眠時間など記録ができることが良かったが、育児に慣れてきた為現在は使用していない。使用を続けていても1歳くらいまでかなと思う。子どもの成長の記録は大切なものなので、予防接種や初めてできたことなど大事なことは母子手帳に記録している。(0歳のママ)
乳幼児の頃は授乳やうんち、睡眠の記録を主にしてきました。そのため、アプリでの管理がしやすかったです。しかし、成長の記録は別でしています。紙のほうがぱっと探しやすく見やすいからです。(2歳、3~6歳のママ)
こうなるといいな、母子手帳
アンケートでは、現在の母子手帳や子どもの成長記録のつけ方に関する意見もありました。
健診の受診票は電子化してほしい
妊娠中、すべての受診券に名前と住所を手書きは手間だった。(0歳のママ)
むしろ受給者証とかが電子化してほしいです。(0歳、3~6歳のママ)
記録先は1つに集約したい
母子手帳とはますくノートの併用が面倒くさい。内容がかぶっていたり、記録内容があべこべで、混乱する。(1歳のママ)
1つの媒体に情報をまとめたい。夫婦(育児者)でリアルタイムで情報が共有できている状態にしておきたい。(0歳のママ)
子どもの成長を喜び楽しく記録できる母子手帳に
妊娠中に書けるフリースペースみたいなページはいらない。お母さんと将来の子どものために書きましょうみたいに言われるけど、出産後のページは病院や健診ためのページになっておりとても書きづらい。(1歳のママ)
今の母子手帳は業務的な標準的な内容になっている。子育てが楽しくなる、世の中の平均値はあくまで標準値で、個で見て成長を喜べる、困ったときの頼れる母子手帳があったら、子ども産む人が増えるのではないかと思う。(0歳、3~6歳のママ)
母子手帳は誰のもの?将来子どもと共有したい記録とは?
今回のアンケート、将来子どもと共有したい記録内容や日々の記録の利便性において、相反する意見が目に留まりました。
1つ目は「電子版で予防接種や身長体重の記録を楽に管理したい」というものと「予防接種や出生時の記録など、子どもが大人になっても見返す情報は紙で保管したい」という意見です。2つ目は、「日々の記録や出来事はスマホで記録したい」、一方で「親の気持ちを書いたページを将来子どもに見せたい」という意見です。
母子手帳には妊娠の経過や予防接種・健診などの医療の記録と、ママパパの気持ちを含めた成長の記録が含まれます。子どもと共有したい・引き継ぎたい情報とは何なのか、ママやパパの思い出としてとどめたい記録とは何なのか、ひいては母子手帳は誰のものなのか、「紙か電子か」をきっかけにさまざまな考えが見えてきます。
予防接種とかは電子が良い。全部を電子にすると思い出として残せない(2歳、小学生以上のママ)
手軽に記録できるのはアプリだけれど、予防接種のデータや生まれたときの記録などは将来子どもが大きくなってからも見返す事があると思うので手帳に残して置いたほうが見やすい気がする。10年20年後にアプリの記録見るかなぁって思う。(1歳、3~6歳のママ)
成長の記録のような部分は電子に、予防接種の記録など命に関わるような情報は紙を主体に電子版にも同期されるような仕組みになると今以上に使いやすいかな、と思います。(1歳のママ)
アンケートに答えてくれた人(288人)
末子が妊娠中~2歳の小さい子どもを持つママが多く答えてくれました。
まとめ
予防接種の記録1つをとっても「管理が便利になる電子がいい」、かたや「将来子どもに渡しやすい紙がいい」と正反対の意見が見られた今回のパパママインタビュー。その他にも「電子なら写真や検査画像も残せるとよい」といった希望から「データが消えると終わり」といった懸念まで、さまざまな意見がありました。電子母子手帳が実際にはどんなものになるのか、現時点でははっきり示されていないため、みんな混乱している様子もうかがえます。
こども家庭庁によると、自治体によっては早ければ令和9年度から電子版母子手帳の運用が始まるようです。浜松市の母子手帳がどうなるのかはまだわかりませんが、確実に言えることは「『子どもの成長記録をしっかりと残したい』という思いは紙・電子問わずみんな同じ」であること。それが満たされる母子手帳になるといいなと思います。
子どもが2人以上いると母子手帳を持ち歩くのが重たいので、電子タイプになったら名前変更するだけで確認できるのが良いと思う。(妊娠中、0歳、3~6歳のママ)