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生き生きママが集まる職場 スズキ果物農園

 

スズキ果物農園

子育てしながら働くのはなかなか 大変なこと。たとえパートであっても理解ある職場ばかりとは限りません。でも、働きながら子育ても応援してもらえるという、温かい職場があると聞きました。なんとそこは、果物農家。「子育て」と「農家」…現代でついつい忘れがちな大切な何かがそこには存在するような気がしてきませんか。早速、取材に伺わ せていただきました。

農業に従事するママたち

スズキ果物農園

旧浜北市宮口にひろがるハウスミカンやナシの畑。広々としたスズキ果物農園には、子育て真っ盛りのママ6人がパートとして元気に汗を流して働いています。
6人は、近所に住む、幼稚園に子どもを通わせている現役ママです。
昨年11月、ミカンの収穫期のこと。ひとりの幼稚園ママが一緒にミカンの収穫の仕事をしないかと同じ幼稚園のママ仲間数名を誘いました。それがきっかけで始めた農業ですが、ミカンの収穫期が過ぎた今も6人はパートとして現在まで続けて働いているそうです。農園を切り盛りするオーナー、鈴木美津子さんの指導のもと、季節に応じてミカンやナシの摘果や手入れなど果物作りに従事しています。

スズキ果物農園

ママたちの就労時間は、9:00~14:00または 14:30まで。子どもを幼稚園に送ってから、お迎えに行くまでの時間です。ときには幼稚園の行事で遅れて出勤したり、当番があるときは早く帰ったりもします。夏休みなどの長期休暇もお休みをしています。子どもたちがまだ小さいので、子どもと過ごす時間を大切にしてほしいと考える鈴木さんの配慮なのでしょう。
時間に制約があり、雇う側として十分な条件を満たしているとは言えないママたちを、鈴木さんは「農業をやりたいと言ってくれる気持ちがうれしい」という思いで雇ったと答えてくれました。
農業というと仕事がきつい、と誰もが思います。ましてや若いママたちなら敬遠するだろうとつい考えがちです。でも、ここで働くママたちはとても生き生きしています。ジャージやジーンズ姿にタオルを首に巻き、手袋をつけて汗を流して元気いっぱいの様子。鈴木さんに手順の説明を最初に受けると、あとは自分たちで仕事を分担し、主婦ならではの手際よさで、サクサクと進めていきます。チームワークはなかなかのものです。

 

取材に行ったこの日は収穫した梅を塩漬けにする、という作業でした。果樹園には出ず倉庫付近での作業のため比較的軽装でしたが、ミカンのハウスなどに入っていくときは、つばの広い帽 子、長袖シャツ、軍手など完全防備で働きます。前の日に翌日の仕事内容を聞き、準備をしてくるそうです。摘果の作業はもちろん、ハウスの中の暑さは、さぞやきついことでしょう。
とはいえ、きつい労働の中でも、さすがは若くて明るい元気ママたち。ときにはおしゃべりが過ぎてしまうこともあるようです。でも、それは共通の話題がある仲間だからこそ。
ところで、ミカンの木には虫がつきもの。青虫はみんな苦手で最初はキャーキャー大騒ぎだったとか。実は鈴木さん自身も、結婚して農家の仕事を始めた頃は虫に苦労したそうです。自分が克服した経験から、騒ぐママたちにもこう言います。
「自分の子が虫に刺される!と思ったらやっつけられるでしょ」

農業から学ぶもの

スズキ果物農園

鈴木さんは子育ての経験者であり、元幼稚園教諭。幼稚園の子をもつママたちにとって、鈴木さんは、農業だけでなく子育てにおいても頼れる大先輩。働きながら、子育ての相談にのることもあるそうです。
今はコンビニなど便利なものが増え、つい楽なほうに走りがちですが、「食べ物だけはおろそかにしてはいけない」と鈴木さんは強く言います。
「レシピがあれば作ろうと思うでしょ」と、摘果ミカンと牛乳で作る市販の乳酸菌飲料に似たジュースの作り方も教えてくれました。飲むと市販のものとは違い本物のミカンの味がします。
今、食育の大切さが叫ばれていますが、農業と食育も結びつきが強いもの。鈴木さんは食育の一環として、近くの小学校にお話をしに行っています。また、子ど もは嫌いな物でも自分が育てたり作ったりすると食べることができるようになるので、地域の親子を集めて農業の体験イベントを開くこともあるそうです。 あるとき、ひとりのママが言いました。
「うちの子、どうやったら優しい子に育つかな」
鈴木さんは、答えます。
「一緒に農作物を育ててごらん」
農業に必要なのは、ちょっとした手のかけ方。それは、子育てにも同じことが言えるのかもしれません。
農業は常に全体を見ながらおおざっぱに終わらせるのが基本だそうです。摘果のときも、ある1か所だけに時間をかけてはいけないのだとか。なぜなら植物は日々、成長しているからです。1か所にだけ時間をかけて、そこが片付いたと思って次に移っても、次が終わる頃には、また他がどんどん成長しています。だか ら、全体がバランスよく成長できるように手を入れていかなければならないのだそうです。
バランスのよい成長…子育てにも通じるように思います。

「夏には家族を呼んで、お母さんの職場を見せてあげたらいいなと考えている」という鈴木さん。鈴木さんの温かさに触れ、農業の奥深さに触れ、きっとママたちもこの経験を子育てに活かしていってくれることでしょう。

取材ママの感想

農業には子育てに通じるものがたくさんあると取材を通して学びました。
わが子を愛するように果物を育てていくことによって、知らず知らずに自分の子育てを振り返ることができる…本当によい経験のできる職場だと思いました。

最後に本文で書ききれなかった取材のエピソードをひとつ。
私がパートのママたちに「お子さんは、ママのお仕事をどのように思っていますか?」と尋ねました。
子どもに農業ってわかるのかなという思いもありましたが、それともうひとつ、ある答えの期待があったのです。
すると、ある1人のママが、
「ママはミカン狩りに行っていると思っている」と笑って答えてくれました。
私はやっぱり、と思いました。
仕事内容は確かに厳しいはずです。でも、子育ての大先輩である頼れるオーナーのもと、子育ての仲間でもある仕事仲間とに囲まれて働いて、心豊かな生き生きとした毎日が送れているのでしょう。ママたちは本当にいい顔で働いていると感じたのです。仕事から戻って子どもの前で見せるママの笑顔も、きっとキラキラ輝いているにちがいありません。それはまるで、ミカン狩りを楽しんだ子どもたちのはじけるような笑顔と同じように。

果物

スズキ果物農園 
浜松市浜北区宮口3911
TEL:053-589-8578 FAX:053-589-0833
URL:http://www.oranpear.com/
mail:info@oranpear.com

 

取材・文 はままつ子育てネットワーク ぴっぴ/<さんふれんず>

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