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乳がん検診のこと、ちゃんと知っておきませんか

「乳がん」ということばを聞くと、ちょっとドキッとします。検診を受けたほうがいいのはわかっていても、子どもと暮らしていると毎日が追われるような忙しさで、自分のことはついつい後回しになりがちですよね。
でも、近年、身近な人や友人が乳がんになったという話も、耳にしたことはありませんか?だとすれば、乳がんになりやすい年代になってきた、ということではないでしょうか。
乳がんや乳がん検診のことは、知っているようでよく分かっていないことも多そうです。乳がん検診のことをもっと知るために、聖隷予防検診センターにお話を伺いに行きました。

聖隷予防検診センターを訪ねて

乳がん検診
きめ細やかな心遣いが嬉しい

検診はどんな風に行われるのでしょう?
今回、取材に伺った聖隷予防検診センターには、女性特有の病気について、区切られたひとつのフロア内で検診を受けることができる「レディースコーナー」が設置されています。
中を見せてもらうと、心をやわらげてくれるピンク系の色彩で統一された施設内に、触診を受ける部屋、エコー(超音波診断装置)検査を受ける部屋、そしてマンモグラフィによる検査を受ける部屋がありました。

マンモグラフィによる検査

放射線技師
放射線技師は
プロフェッショナルな方々です

なかでも、検診を受ける人の関心が高いのはマンモグラフィではないでしょうか?

これは透明の圧迫板で乳房を挟み、薄く延ばしてレント ゲン撮影する機械で、触診ではわからないような数ミリのがんも発見することが可能な優れた装置です。ですが、経験したことがないと、ちょっと抵抗感のある 機械かもしれませんね。そんな方のために、医療施設によっては、検査を受けやすくするさまざまな配慮や工夫を凝らしているところも多いようです。

「マンモグラフィ検査は、乳房を引き伸ばして薄くしますので、皮が引きつれて痛いと感じるかもしれません。事前に『痛い』と思い込んでいると、身体が硬直して いっそう痛く感じますが、リラックスして力を抜いてのぞんだ結果、『思ったほど痛くなかったわ』とおっしゃる方もいらっしゃいますよ。また、装置も日々進 歩していて、弾力性のある板を使用していたり、加圧の方向が工夫されて痛みを和らげているものも登場しています」(放射線技師談)ただ、マンモグラフィ検査を受けることができない人もいます。

  1. 妊娠中、または妊娠の可能性がある人
  2. 授乳中の人 
  3. 豊胸手術を受けたことのある人 
  4. ペースメーカーを使用している人 です。

こうした条件にあてはまる人は、エコーのある施設で検診を受けるとよいでしょう。

エコー(超音波診断装置)検査

乳がん検診
エコー検査を受ける個室

エコー検査は、妊娠時に受けた経験もあるので、ママにとってはおなじみの検査方法ですね。横になって胸にジェルを塗り、器具を当てて、臨床検査技師がモニ ターを見ます。なかには、静かにずっと同じ場所を診られていると不安になるのか、検査技師に「何か異常がありますか?」と質問する人も多いそう。ですが、検査を受けている段階で検査技師に質問をしても、答えを得ることはできません。検査技師が全てのデータを揃えた後に行われる、医師との面談の時に、結果について質問すると良いですね。

検診車に乗ってみました

検診車
検診車のフロントにはピンクリボンが

さらに、乳がん撲滅のシンボル「ピンクリボン」を車体にあしらった検診車にも乗せてもらいました。
車内は意外に広く感じます。待合スペースと検査室の間はカーテンで区切られ、プライバシーが考慮されています。
マンモグラフィ撮影機を搭載した車と、エコー装置を搭載した車の2種類があり、エコー装置の方は車内が小さなブースに区切られており、一度に3人まで検査を受けられるよう設計されています。まさに、走る検診センターという感じですね。

乳がんについてのQ&A

さて、施設を見学させていただいた際、がん検診の基本的な事柄について、ドクターに質問をしてみました。

Q. まだ30歳ですが、検診を受けた方がいいですか?

A. 「検診を受けるのは、交差点で左右を確かめるのと同じこと。自分はかからない、とばかりに検診を受けないでいるのは危険すぎると思ってください」(同センター医師)。
乳がんは20代でもかかります。30代から急激に発症率が増えてゆき、45歳でピークに達します。まだ受診したことがない、という人は検診を受けることを おすすめします。また、血縁者で乳がんに罹った人がいるなど、リスクが高い人も、ぜひ検診を受けてください。40歳以上の人は、日頃から自分で触診した上 で、2年に一度は医療機関で触診とマンモグラフィの検査を受けたほうが良いでしょう。各々の検査方法により、発見されやすいがんのタイプが異なるので、複数の検査方法を併せて受けることで、発見率が高まります。実際、聖隷予防検診センターでは、視触診にエコーやマンモグラフィを併用した検診を行うことで、 初期がんの発見率が大幅に上昇しています(平成11年度 50% →平成18年度 72%)

Q. 自己触診のコツってありますか?

A. 日頃から、目や指で自分の乳房の状況を確かめ、異常があった場合にすぐわかるように、自分の乳房のコンディションを覚えておきましょう。その上で、毎日顔 を洗うのと同じように、生活習慣として自己触診するくらいの頻度で行うと良いでしょう。方法としては、ベッドや布団など平らな所に寝転がり、人差し指・中 指・薬指を揃えて指の腹側を乳房の表面にゆっくり滑らせます。左右の乳房を同じように、まんべんなくいろんな角度で触りましょう。すこしでも違和感や異常 を感じたら、放置をせずに医療機関で検査を受けましょう。

Q. 異常があった場合のその後は?

A. 医師から、より精密な検査を受けるよう指示があります。その結果に応じ、手術、内分泌治療、化学治療、放射線治療などの治療を行います。

取材ママの感想

今回取材させていただいた聖隷予防検診センターの医師、そして放射線技師・臨床検査技師などスタッフの方々からは、「乳がん検診を多くの女性に受けてもらい、早期発見をして、ひとりでも多くの女性を守ろう」という強い意志と熱意を感じました。それは、同センターに限らず、すべての医療関係者の願いでしょう。
私たちにできることは、自分の身体をいつも気にかけていること、そして、異常や不安を感じたら放置せず、医療施設に予約をして足を運ぶ事ですね。
このページの最後に、乳がん検診(視触診とマンモグラフィ検診)が受けられる施設(旧浜松市内)を掲載していますので参考にしてください。

最後に、聖隷予防検診センターの医師をはじめ、たくさんのスタッフの方々、長時間の取材にご協力いただき、ありがとうございました。

リボン【コラム】もう「乳がんは他人事」なんて思えない

ちょうどこの取材をした頃、とてもショックなことがありました。あるぴっぴ会員から「乳がんになった」ということを聞いたのです。彼女は31歳で、5歳、 3歳、1歳と3人の子どものママ。趣味でフットサルを楽しむ、とても活発で笑顔のステキな人です。病気という言葉も逃げていきそうな元気な彼女だけに、周 りの誰もが驚き、動揺しました。でも、彼女は自ら、周りの人に自分の乳がんについて積極的に話し、伝える道を選びました。ブログも開設し、がんとわかるま での経過や心情、わかってから抗がん剤で治療を行う経過を、こと細かく書いています。
彼女は言います。「私が自分のがんを発見したきっかけは、自分で脇の下を触ってしこりを発見したことでした。みなさんもぜひ、もっと自分の身体を気にかけ てほしい。私が乳がんになったことで、乳がんについて多くの人が知るきっかけとなるとしたら、私ががんになったことには意味があると思うんです」

彼女が最初に自分のがんを発見する理由となった、脇の下のしこりを、私も触らせてもらいました。それは確かに、ひとつの弾力を持った塊として彼女の体内に 存在していましたが、治療を受けて徐々に小さくなりつつある存在でもありました。彼女の早い完治を祈る気持ちでいっぱいになりました。そして、彼女の勇気 に敬意を持って、この欄で紹介させてもらうことにしました。
乳がんは、子育て中のママたちにとって大きなリスクですが、早期発見をすることで治り、助かるがんです。まだ若いからこそ、子育て中だからこそ、ぜひ、検診を受けましょう。あなたと、あなたの愛する人々のために。

取材・文/はままつ子育てネットワーク ぴっぴ みど太

乳がん検診(触診とマンモグラフィ)を受けられる施設

浜松市内で乳がん検診(触診とマンモグラフィ)を受けられる医療機関の紹介をしています。

浜松市の乳がん検診について

浜松市の検診制度を利用すると、検診費用の一部補助を受けることができます。
詳細は、浜松市ホームページをご覧ください。

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