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橋本憲幸さん アソカ学園 美波幼稚園 園長

子育てに大きなエール! 浜松の元祖“キャプテンパパ”

橋本憲幸さん

男性幼稚園教諭として幼児教育の道に入り、30年以上の実績を持つ橋本憲幸(はしもと のりゆき)さん。
その笑顔は自ら“ガキ大将みたい”とおっしゃる通り、子どものように屈託なく、のびやか。ですが、現在の子育てや子どもをとりまく状況について伺うと、幼児教育の専門家として、またパパの大先輩としての経験に基づいた、鋭く力強い意見が次々ととびだしてきます。

パパの子育てがトレンドだなんて

 	新米パパのための子育て教室

「妊娠・出産・授乳(母乳)以外はパパでもできる、そして楽しめる」と“新米パパのための子育て教室”(子育て情報センターで2013年1月に実施)でも親たちにエールを送った橋本さん。1995年に前任の城北幼稚園で発足させた父親サークル「キャプテンパパ」では、パパ同士の横のつながりを大切に育てて きました。「イベントの準備で幼稚園のホールをお化け屋敷にする、といったことを、父親たちが夜中の12時過ぎてもワイワイやってるわけです(笑)。楽しかったですね」
そうした活動は全国から注目され、取材が殺到した時期もありました。現在は、キャプテンパパの活動は後輩パパたちが継承しています。

“イクメン”が流行語大賞となる2010年より、ずっと以前にそうした活動をしていた橋本さん自身は、「イクメンという言葉は使いたくないんですよ」と言 います。「それって言葉の上のトレンドでしょ?トレンドだと根付かない。パパ友というのも昔と比べて増えてきたけれど、今度は仲良しの親とだけつき合おうとする風潮も出てきて、それでは意味がないと思っています」

パパだからこそできること

 	パパだからこそできること

この数年でパパの育児参加はますます増え、状況が変化してきました。ママができることは、パパにもできる。ですが「パパだからこそ」できることもたくさんある、と橋本さんは言います。
「たとえば昆虫・爬虫類などの生き物とふれあうことや、泥んこ遊びなど、女性が一般的に苦手なジャンルで、子どもといっぱい関われますよね。図鑑や映像な どのヴァーチャルじゃなく、本当の体験を一緒にしてあげてください。それから、社会で働く中で身につけた公共性・社会性を家庭に持ち帰ってほしいし、子ど もにも伝えてほしいですね。ポケットに手を入れて歩かない、靴の後ろをふんづけないとか、身障者用駐車スペースに車を止めないとか…全部当たり前のことで すけど、子どもはちゃんと見ていますから」
少年のような遊び心と、大人の社会性の共存。これが、橋本さんが大切にしている父性の柱です。

“守りすぎない”ことで育つ力

“守りすぎない”ことで育つ力

長年、幼稚園で子どもたちと触れあってきた経験を通じ、橋本さんは近年の子どもたちの変化を感じています。
「現在の日本の子どもたちは、あまりにも守られすぎていると感じます。たとえば、いま公園からどんどん、従来の遊具が撤去されているでしょ? そして、ケガをしない遊具へと交換されている。このままだと、そのうち遊具はぜんぶゴム製になっちゃいますよ。また、二次元上のゲームで遊ぶことが多いから、ドッジボールで自分にボールが当たるかどうか がわからない子どもが増えているんです」
遊びに限らず、日常生活の基本的なことが、子どもたちに影響をおよぼす原因となるようです。
「今は、手をかざしただけで蛇口から水が出るでしょ。トイレも、立てば水が流れる。自分は何もしなくても、全てことが運ぶ(笑)。こんな環境で育った子どもたちは、将来どうなってしまうのか心配ですよ」

大人社会の経済優先で、新しいこと・便利なものが次々開発される一方、子どもたちが生きる力を身につけるチャンスはどんどん奪われています。「だから家庭では親が、子どもにとって多少不便な環境を意図的に設けて、デジタル化した世の中でもあえてアナログ的な子育てを心がけてほしいんです。不便 だと自分で創意工夫して何とかしようとするし、守りすぎないことで危険を回避する能力が育ちますから」

新しいパパたちに託す、子育てのバトン

“守りすぎない”ことで育つ力

話題がさまざまに広がる中でも、最後は子どもたちのことに話が戻ってくる橋本さん。「子育て教室」参加者の中にもかつての橋本さんの幼稚園の教え子で「先生!」と声をかけてきたパパがいました。このような時を越えた再会は、橋本さんにとっては珍しくありません。

橋本さんのような男性教諭とともに幼児期を過ごした男性が、自らパパとなって積極的に子育てにかかわる、そんな素敵な連鎖が生まれています。子育ての現場だけでなく、幼児教育の現場でも男性の存在が大きくなってくるのは、まだまだこれから。すると、パパたちの子育ても、もっともっと変わっていくのでは――。橋本さんの周囲を見ていると、そんなワクワク感が膨らんできます。

橋本憲幸さん プロフィール

1983年、「たまにはガキ大将みたいな男の先生が一人位いても良いかな!?」と、幼児教育の道へ。20代はお兄さん先生、30代・40代はお父さんorおじさん先生のような立場で子ども達と過ごして勤続30年以上。1995年に父親の子育て参加を啓発する父親サークル「キャプテンパパ」を前任の城北幼稚園で発足させ、現在は家庭教育講座や講演会などの講師としても活躍。子どもたちの未来と家族みんなの笑顔の為に、"園長マン"として日々を過ごされています。

(2013年1月27日にインタビュー 談:橋本憲幸さん 取材・文:ぴっぴ 寺内美登里)

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