TOPぴっぴのブログ特集記事浜松の子育て支援レポートデジタル活用で切れ目のない支援「浜松市子育て世代包括支援センター」

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デジタル活用で切れ目のない支援「浜松市子育て世代包括支援センター」

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初めての妊娠や育児。楽しみな反面、日々家事や仕事に追われ、体調やメンタル面の相談をしたくても後回しになっている人も多いのではないでしょうか。特に新型コロナの影響で外出を控えていると、悩みを自分1人で抱え込んでしまいがちです。

浜松市では三密対策をきっかけに、トークアプリLINEを利用した子育て支援サービスをスタートしました。そこで具体的なサポート内容について、「浜松市子育て世代包括支援センター」でお話を伺いました。

「浜松市子育て世代包括支援センター」とは?

妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を国が本格的に推進するために、2017年の母子保健法が改正され、厚生労働省は「子育て世代包括支援センター」の設置を努力義務化しました。

浜松市でも市内在住の妊産婦さんや子ども(主に未就学児)とその保護者が利用できる子育て世代包括支援センターを開設しています。同センターは、妊娠中から子育て期に関する総合相談窓口で、各区役所の健康づくり課に設けられています。妊娠・出産・育児に関する必要な情報やサービスの提供、相談や届け出等の対応まで幅広く行われています。

公式LINEアカウントから予約や相談も

同センターが実施している「親子すこやか相談」は、2020年11月からWeb受付を開始しました。さらに利便性を高めるため、2021年1月に「浜松市子育て世代包括支援センター公式LINEアカウント」を開設しています。

時間を気にせず予約。自動配信で情報の入手が可能に

事前にLINEの友だち登録をしておくと、実施している相談や教室などの予約をいつでもLINE上で行うこができます。予約確認やキャンセルも可能です。また、相談窓口の確認や情報提供にもLINEが活用されています。

LINEで予約可能な支援(2021年12月現在)

  1. 親子すこやか相談
  2. 2歳児歯科健康診査
  3. 離乳食教室
  4. もぐもぐ元気っこ教室
  5. はじめてのパパママレッスン

相談窓口案内

妊娠中や産後、子育ての不安や悩みを保健師や助産師等に電話相談できる窓口をLINEのチャットボットで案内しています。住んでいる区名を選択すると電話番号が画面上で表示されます。

定期的なメッセージ配信

「利用者登録」で自分や子どもの情報を登録しておくと、個々の月齢に合わせて必要な健康診査や予防接種、さらに離乳食教室や各種相談の情報も配信されます。子どもの月齢に合わせて必要な情報が届き、申し込みのタイミングを逃すことなく確認できます。

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スムーズな予約や待ち時間の解消につながる

同センターでLINE予約を担当する浜松市健康福祉部健康増進課母子グループの豊田満生さんによると、2021年12月中旬現在での登録者数は約5,000人。「20代から30代の親からの登録が多く、母子手帳の申請時にご案内すると、その場で登録される方も増えています。親子すこやか相談の場合、現在では予約の8割はLINE、残り1割はWeb、電話予約はごくわずか。LINEからの予約が確実に増えています」とのことでした。
実際に親子すこやか相談を担当する保健師の松井加奈子さんは、「従来の親子すこやか相談の場合、受付時間内に来た人から順次相談を受け付け、相談時間も個々で異なるため、かなりお待たせしてしまう場合もありました。LINE予約にしてからは、待ち時間も解消しスムーズにご利用いただけるようになりました」と話します。

実際にLINE予約をしたママに話を聞いてみると、「息子の1歳半健診で、2歳児歯科健康診査がLINEで予約ができると知り早速登録してみました。時間を気にせず、夜中でも簡単に予約できるのは本当に助かります。ほかの支援や市のイベントもこのように気軽に申し込めるといいですね」と話していました。

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オンライン教室もスタート!

デジタルを活用した支援はLINE予約だけではなく、2021年9月には試験的にオンラインの「はじめてのパパママレッスン」が開催されました。当初は、通常通り会場での講座形式で開催する予定だったそうですが、8月に緊急事態宣言が発令されたため急遽、参加予定者を対象にオンライン会議用アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、生配信での教室を実施することになりました。

「土曜午前開催の回では、予想を上回る約30組の参加がありました。オンラインなら働くプレママやプレパパ、つわりなどで体調が悪い方でも参加しやすいため、利用できる人の幅が広がったように思います。さらに通常開催の場合、妊娠35週までの方が対象ですが、オンラインでは週数の制限を設けていないので出産予定日間近という参加者もいました」と保健師の松井さん。

さらに昨年9月にはオンラインで「離乳食教室」を開催。当日は参加者からの質問もあり、講師とのやりとりが活発に行われたそうです。12月に再度実施した「はじめてのパパママレッスン」終了後のアンケートでは、回答者の8割以上から『満足』という回答が得られ、担当の豊田さんもオンラインサポートの効果を実感しているようでした。「オンラインレッスンは今後も開催を予定しています。将来的にはオンラインでの顔が見える相談事業も考えていきたいです」と話していました。

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妊娠中から子育て期まで、切れ目のない支援を

「浜松市子育て世代包括支援センター」では、妊娠中から子育て期にかけて利用できる事業やサービス、必要な健康診査などのセルフプランが書き込める「はますくプラン」を母子手帳交付時に配布しています。また、保健師など専門職の支援が必要な方に対して、支援を行う内容や関係機関・支援時期等を調整し、「支援プラン」を作成することもあります。

このような子どもの成長を見える化したツールに加え、より手軽に支援や相談にたどり着くために、多くの親が使い慣れたLINEが取り入れられました。松井さんからは、「予約や窓口の確認がしやすい浜松市子育て世代包括支援センター公式LINEアカウントは、みなさんと当センターをつなぐ手段の一つです。ぜひ活用して欲しいですが“LINEで予約ができなったから、相談を受け付けない”という訳ではありません。当センターでは保健師や助産師、栄養士、歯科衛生士などの職員が常駐しており、電話での相談は随時受け付けています。気になることがあったら、直接お電話ください」という話がありました。

電話や対面での相談や家庭訪問といった従来の支援に、デジタル化での新たな支援が加わり、サポートが本当に必要な人に情報が届けられるように拡がっていくことでしょう。

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取材を終えて

私も4歳の長男がいます。私自身、産後の体調不良が続き、相談先を探す気力がない日もありました。「子育て世代包括支援センター」の予約システムは、登録者目線を大切に日々、改良を重ねながら丁寧に運営されていました。LINE登録しておくと自分が住んでいる区名を選ぶだけで、相談先につながったり、電話受付時間外でも「親子すこやか相談」の予約ができたりと直感的に利用できるメニューが多く、何かと不安が多いコロナ禍の子育てでは心強いお守りのようなツールだと思いました。

特に第一子の妊娠・出産は、産後だけではなく、妊娠中も不安になる日が続きます。今すぐに必要性を感じていなくても、家庭と支援を繋いでくれる大切や役割があるため、早めに登録しておくことが必要だと感じました。

取材・執筆/北 美緒

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