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パパの座談会「父親の育休」について語ろう

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

男性の働き方改革が進められる中、父親の育休が注目を集め、「義務化」する企業も出始めました。取得者は徐々に増えているものの、実際には「取りたくても環境が整っていない」など戸惑う声も聞かれ、スタンダートになるにはまだ時間がかかりそうです。
現在育休中のパパたちは、どんな経緯で育休を選択したのか。父親の育休がまだ一般的でなかった世代は、この現状をどう捉えているのか。座談会形式で、子育て中のパパたちの本音を探りました。

座談会参加メンバー

育休取得中のパパ

育休をとったパパ

育休取得経験のないパパ

とっていない先輩パパ

司会進行:はままつ子育てネットワークぴっぴ 原田博子

育休を取った?取らなかった?

2018年度の日本の男性育児休業取得率は6.16%。国は2020年に目標13%の達成を目指していますが、あとわずか2年となった現在も目標の半分以下しかないのが現状です。
育休を利用しない理由は、制度が整っていたとしても「業務が繁忙で職場の人手が不足していた」「育児休業を取得しづらい雰囲気だった」など、職場の要因が主だった理由として挙げられています。

育児休業取得率の推移

育児休業取得率推移

*2011年度の比率は岩手県、宮城県、福島県を除く全国の結果
参考資料:平成30年度厚生労働省「雇用均等基本調査」

今回、座談会前のリサーチでも「育休中の生活費や固定費等を考えると踏み切れない」という声や、取得しても「おじいちゃん・おばあちゃん世代から遊んでいるように思われ、『子どもは母親が見れば十分だから早く仕事に戻りなさい』と言われる」という話もありました。そんな現状も踏まえて、パパたちに育休について語ってもらいました。

司会
今日は、育休中のパパと上司にあたる年齢層での座談会となりましたが、育休についてざっくばらんに話していけたらと思います。父親の育休は国が推進していることもあり、最近では小泉環境大臣が取得するかどうかなど、話題になることが増えましたね。
まず育休中のおふたりにお聞きします。育休を取ろうと思った理由はなんでしょうか?

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

のび
妻とは付き合っていた学生のころから子育てどうする?と話していました。自分はできれば、仕事より家のことをしていたいタイプだったんです。漠然と主夫になるのもいいなと思ってました。妻は逆に外に出て仕事をしたいというほうで。子どもができた時も、自然と自分が長期の育休を取る方向になりました。

トゥッカーノ
私は、職場環境がよかったからですかね。自分が数か月あけても、引き継ぐ人がいて仕事の算段がつく、そういった環境があったのが大きいですね。そこで、取るか取らないと考えた時に、取りたいなと。部署によっては、繁忙期があったり上司からSNSで連絡がきたりという状況もあるから、取りづらい場合もあるだろうなとは思います。

司会
では逆に取らなかったおふたり。理由はありますか?

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

まさパパ
職場では自分が男性の中で年齢的にいちばん下だったので、前例もなく自分が取る、取らないと考える発想がなかったです。ただ、二人目、三人目が生まれたときは、正直休みたいなと感じることはありましたね。

森じゃんぐる
仕事していた部署が立ち上げで忙しかったことと周りにも取っている人はいなかったため、難しかったですね。待遇が悪いわけではないですが、取る人はいない状況でした。妻の実家が近いので、そちらで自分も含め、家族で里帰りしていました。

育休中の生活 家事・育児の分担はどうしている?

司会
育休中のおふたりは、1日をどんな風に過ごされていますか?

のび
子どもの世話などをする普通の一日…というのでしょうか。幼稚園に送ったら下の子が起きるころ。散歩に行ったり、昼を食べたりしているうちに幼稚園から帰ってくるので迎えに。20時や21時には家族で寝ます。

司会

家事は役割分担を決めていますか?これはどっちがやるか、など。

のびさん

のび
大雑把に、という感じですね。自分が、料理・洗濯・食器洗い…大体やってるか(笑)。家電に頼っている部分も大きいですが。妻は整理整頓が得意なので、片付けが中心かな。

司会
適材適所で分担しているんですね。

トゥッカーノ
逆にそれはすごいと思います。自分は分担を決めないと、気づかないふりをしちゃうほうで。真ん中に落ちたボールをどちらが拾うのか?!となるので、わが家は完全に分担しています。1週間で交代だと、間が空きすぎて忘れてしまうので、1日ごと交代制で完全にルール化しているんです。

全員
へーーー(驚き)

司会
役割分担をしていると、たまに「やってないじゃないか!」ということはないですか?

トゥッカーノさん

トゥッカーノ
あります、あります。あと、私が洗い物をやっても、食器がまだ汚れてる…のように「うまくできてない」ってこともありますね。段々家事も上達してくるから、それまでは妻がそれを許容するのを頑張っているんだと思います。それじゃないとせっかく育休を取っていても任せられなくて、疲れちゃうだろうから。

司会
結婚して急に家事をやって、となってもできないですよね。女性は多少やってきた子も多いと思いますが。

トゥッカーノ
その辺は、確かに妻のほうがしっかりやりたいんだろうなと。自分は、父親が家ではリラックスしているところを見てきたけど、家の中でも完全にオフということが妻の場合あまり慣れてないこともあって…。

のび
家事については、合わせずにぶつかるほうが大変ですよね。なので、合わせることに負担を感じることはないかな。

司会
育休中でないおふたりは逆?家事についてはどんな感じですか?

森じゃんぐるさん

森じゃんぐる
子どもが生まれてからは、家事は「できる方がやる」ようになりましたね。3人目が生まれてからは、夫婦で半々くらいかも。自分もこだわりはないから、基本は妻が決めたようにやるようにしています。できてないことは100回注意するから、ってカウントされてる(笑)

司会
みんな、ママが強いんですね(笑)

まさパパ
自分は、家事は全くやらないですね。

司会
ママは何も言わないですか?

まさパパ
言わないですねー。自分もやってもらっているから文句は言わないですし。思っていても、お互い言っていないのかも。でも、妻がダウンしたときだけは、自分が全部やるようにはしています。買い物が必要か連絡したり、子どもを連れて丸1日出かけたり。

司会
いざという時は、頼れるようにされているんですね。

普段の子育て 子どもとどんな風に過ごしている?

司会
ところで、子育てに関する情報収集ってしていますか?子どものこととか、ネットで検索したりします?

トゥッカーノ
ネットでひろば情報を集めたり、音楽のイベントに行ったり、主に妻が行っていたところに自分も行ってみています。

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

のび
自分もひろばや子育て中の人の集まりには行っていますね。

まさパパ
おふたりとも、積極的に動いてるんですね!

司会
男の人って、あんまり群れないって聞くけれど。どうですか?

トゥッカーノ
確かに。基本、一匹狼です(笑)。ママ同士は話しているけど、自分は子どもとじゃれているかな。でも同じような立場のパパが来てたら、情報共有はしてみたいですね。

のび
一日中子どもといるから、ストレスをためないよう出かけることも多いです。大人と話したいな~と思って、子どもを連れまわしている感じですかね。

まさパパ
大変なんですね…育休中って。

森じゃんぐる
育休を全うしなければ、ですもんね。

トゥッカーノ
そうなんですよ。ママたちはわかると思うんですけれど、育休は全然休みじゃないですよね。

育休取得のメリット・デメリットは?

司会
育休を取るまでの準備は大変でしたか?

トゥッカーノ
仕事を休むには、半年くらい前から準備にかけましたね。前例があったこともありますが、上司や同僚は理解がありました。「がっつり取るね~」くらいは言われることもありますが。同期にも「とれるなら取ったほうが絶対いいよ」と話しています。

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

司会
仕事復帰に不安はないですか?

のび
自分の場合、1人目の育休後は2週間くらいで勘は戻ったかな。仕事復帰してからは、どちらかといえば、仕事と家事育児をどう両立するかのほうが大変で、どう回そうかシミュレーションして悩んでいたかも。

司会
それは、働くママからよく相談を受ける内容ですね(笑)。

まさパパ
自分がもし育休を取ったら、「仕事は回っているかな。周りはどう思っているかな。」と不安になるかもしれないと思っちゃいましたが。

トゥッカーノ
わかります。それぞれの性格にもよりますよね。人によっては、社会に必要とされていないんじゃないかと不安になる人もいるかもしれないですし。
妻から必要性を説明されなかったら、自分も長くは取らなかったかもしれないです。そのあたりは、産後の負担について妻からしっかり話を聞きましたので、取るべきだなと。

司会
育休を取ることで、お互い成長する機会になっているのかもしれないですね。経済的なことはどうなんでしょう?

トゥッカーノ
育休中は意外とお金を使わなくても過ごせるし、「育児休業給付金」や社会保険の控除などを入れると(※1)、思っているより大変ではないような気がします。わが家は夫婦で育休中ということもあるので、家庭それぞれだとは思いますが。

まさパパさん

まさパパ
経済的負担は、どちらかというと子どもがもっと成長した時なのかな。こうやって育休中の話を聞いていると、いい経験をしているなと。取ることによって自分ができなかった経験もいろいろあったんだなと思います。取った人の話を聞く機会って大切ですね。新しい社員が入ってきたら、取れる環境はあったほうがいいのかなと思います。

森じゃんぐる
自分が子育てをやってみて大変さを体感したこともあるので、もし周囲で取りたい人がいたら取ったほうがいいって今は思いますね。

トゥッカーノ
子どものかけがえのない時期を一緒に過ごせるのは、本当に幸せだと思っています。取って実感しました。

のび
仕事以外で成長できる機会になっていると思います。自分は元々コミュニケーションを取ることが得意ではなかったけれど、今は人と話したいし楽しく感じるようになりましたね。

森じゃんぐる
自分も、仕事をしながらでしたが娘たちと過ごす時間が長かったので、今でも一緒に出かけることが多いです。「パパと出かけた方が楽しい」と言われるとうれしいですよ。

育休は何日くらい必要か?

司会
育休って1日でも1週間でも「取った」ということになるんだけど、それについてはどう思いますか?

のび
出産後はママの体の負担も大きいですし、1週間程度だとほんのわずかな助けくらいじゃないかな。まぁ負担がどうというよりも、自分は生まれて2~3か月の子どもの成長を見逃したくないという気持ちの方が大きいんですけれど。

パパの座談会「父親の育休」について語ろう

トゥッカーノ
実家が遠方の核家族では特に、育休を取らない選択肢はないと思うくらい産後の1年は大変だと思います。ママは気持ち的にも不安定な時期で、産後うつとかになると結局自分たちがキツイので。環境にもよるけれど、うちの場合は数日では全然足りないと思いました。

司会
では、今日話した内容もふまえて、最後に聞かせてください。育休はどのくらいの長さが必要だと思いますか?

まさパパ
1年は欲しいかな。でも、育休に限らず出産時に父親も対応できるように準備しておくのが大切だと思いましたね。出産がいつになっても、家族のことは「大丈夫」とできればいいですね。

森じゃんぐる
答えるのが難しいですね。。。長さではなくて、生活の中身ですよね。それが大事かなと思いました。

トゥッカーノ
やっぱり家庭によって違うと思います。実のある時間を過ごせるか。子どものためになることができるかどうか、ではないですかね。

のび
ぼくは、父親が1週間ワンオペで育児ができる自信がつくくらいの期間は必要だと思いますね。

座談会を終えて

育休を取得したパパたちは、出産前後の生活を早い段階で想像し、家族のために必要な時間を作り出していました。取得していないパパも、その実体験を聞くことで共感していたようです。今回の話を聞いて、ゆっくりではあるけれどパパたちの意識や取り巻く状況が変わってきていることを実感しました。
「数日の取得ではやはり十分ではない」という意見があったものの、「重要なのは、育休の長さではなくどんなことをするか」という話が出ていたのが印象的でした。出産後の環境や役割を家族で話し合うことは、父親が育休を取得できたとしても変わらず大切なことなのでしょう。
取得率のパーセンテージに大きな変化がなくても、様々な前例ができ、家庭に合った準備が無理なくできる環境になることが必要だろうと感じた座談会でした。

文/makiko

※1
・給料の支払いがなくなる企業がほとんどだが、一定の条件を満たしていれば「育児休業給付金」として、給料の67%(181日目からは50%)が雇用保険から支給される。
・育児休業中は、社会保険料の支払いが免除となる。2014年4月分から保険料が全額免除となった。ただし、所得税や住民税の支払いは、前年度の所得に対する支払いとなるため発生する場合が多い。

<参考データ>
厚生労働省委託事業:平成29年度 仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業

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