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浜松市立橋爪幼稚園で預かり保育がスタート

「公立の幼稚園には預かり保育がない」と、旧浜松市内に住むママたちは、皆そう思っていたのではないでしょうか?
ところが、新しく浜松市となった旧周辺市町村には、預かり保育を実施している公立幼稚園がありました。そのため、今では「浜松市の公立幼稚園にも預かり保育がある」という時代になりました。
しかも、平成18年4月からは、旧浜松市だったエリアの公立幼稚園にも試行的とはいえ預かり保育を実施する園ができたのをご存知ですか。西ケ崎町にある市立橋爪幼稚園です。
この画期的な情報をみなさんにもお知らせしたいと、この度ぴっぴ取材ママが、取材に行ってきましたのでご報告しますね。

預かり保育を始めた背景

浜松市立橋爪幼稚園は、旧浜松市の北東部、積志地区にあります。
かねてより、浜松市立幼稚園の空き教室の活用について浜松市教育委員会では検討されていたそうです。橋爪幼稚園もまた空き教室を持つ幼稚園のひとつでした。
地域によっては、学童保育などに使われることもあったそうですが、積志地区は保育園の待機児童が多いことから、そこをなんとか改善できるような空き教室の活用方法を考えていたそうです。
しかし、給食室の問題など、保育園機能そのものを空き教室に持ってくることは現実として難しいことでした。
そこで、平成10年度幼稚園教育要領に「幼稚園は地域の子育て支援センターとなるべき」と明文化され、幼稚園が預かり保育を行なってもよいことになった制度を利用し、橋爪幼稚園の空き教室は預かり保育「きりんのおうち」として活用されることになりました。
本年4月にスタートし、すでに半年以上経っているそうです。

橋爪幼稚園
預かり保育室「きりんのおうち」

橋爪幼稚園
年齢が違ってもみんな仲良し

橋爪幼稚園
壁面に飾られた作品

保育の概要

まず、預かり保育の対象となるのは、橋爪幼稚園に在園している子どもです。保護者の就労や通院、介護など、幼稚園で定められている「家庭での保育が困難な場合」に預かってもらえることになっています。通常的な預かりの場合のほかに、臨時的な預かりも受け入れてもらえます。例えば、兄弟の学校行事、母親の出産などでも当日に預かり保育をお願いすることもできるそうです。

預かり保育とはいっても、ただ預かるのではなく通常の保育とは別に保育計画をきちんと組んで運営されています。
保育時間は、早朝保育が午前7時30分から午前8時30分までで、幼稚園保育終了後の保育は午後6時30分までとなっています。夏休みは15日間、冬休み は5日間と限られてはいますが、長期休みの間でも午前7時30分から午後6時30分まで預かってくれるそうです。心強いサポートですね。
ただし、子どもに負担がかかるような、遠足、、運動会の日など子どもが力いっぱい頑張った日や、交通教室・防災訓練の日等、命にかかわる教育の日は預かり保育は実施しないそうです。そういった日は家族と過ごすのが1番よいと考えるからだそうです。
費用は、月額1万円で、おやつ代が別にかかります。臨時預かりの場合は1日500円とおやつ代1回分で対応しています。              
また、保育は3歳児、4歳児、5歳児が合同で実施されています。対応する職員は正規職員が1名、教育委員会が採用したキッズサポーター1名の合計2名です。
保育する場所は幼稚園内「きりんのおうち」とその他の教室や園庭などの幼稚園施設も使っています。

橋爪幼稚園
園庭で元気に遊びます

橋爪幼稚園
竹馬に挑戦!

橋爪幼稚園
楽しみ♪おやつタイム

保育の流れ

毎日午後3時30分までは、3、4歳児はまずはお昼寝です。パジャマに着替えて布団を敷き、絵本を見て、ゆったりした気持ちになってから、暗くした「きりんのおうち」で眠ります。臨時預かりの子は眠れないこともあるそうですが、それでも静かに横になって過ごします。長い時間園にいて、子どもの負担も大きいことから、少し体を休められるよう配慮しています。
同じ頃、5歳児の子どもたちは隣の部屋で活動中。取材に伺ったこの日は、あとでお昼寝から起きた小さなお友だちに遊んでもらおうと、紙で作った箱型のゲームを夢中で作っていました。この時間は、預かり保育「きりん」の中のお兄さんお姉さんとして、園内の掃除をしたり、遊びの企画をしたり、お誕生会などの月 ごとの行事のときは準備をしたりと活動する時間だそうです。幼稚園の保育時間に開くお誕生会とは別に、預かり保育の中でもお誕生会を開くのは、家庭と同じ だからなのだとか。そういえば、幼稚園でお誕生会をしますが、家でも家族でお祝いをしますよね。「きりんのおうち」にはテレビや冷蔵庫もあって、こどもたちが自宅で過ごすのと、より近い環境になっています。

3時30分になって、お昼寝の時間が終わると「きりんのおうち」が明るくなってにぎやかになります。起きた子たちは自分で着替え、布団やパジャマをお兄さん、お姉さんと丁寧にたたみます。布団が片付くと、お楽しみのおやつの時間です。おやつの用意も子どもたちが先生と一緒に準備します。お当番さんもいるそうですよ。壁に貼られたお当番表には笑顔のこどもたちの写真がたくさんならんでいます。「きりんのおうち」でつくった作品なども飾られています。

おやつを食べ終わる頃になると、お母さんがお迎えに来る子もいます。午後6時30分までとなってはいますが、それぞれ仕事や用事が済み次第お迎えにみえる家庭も多いようです。
みんなとのおやつも名残惜しそうですが、帰り仕度をしてママの元に向かうのは何よりうれしいようです。
おやつが終わると片づけをして外遊びの時間です。この日は天気がよかったので、みんな元気に園庭へ飛び出して行きました。自転車や遊具で遊んだり、サッカーをしたり。新しく届いたという竹馬にも挑戦していました。 また、園庭には、帰宅後ママと一緒に遊びにきたお友だちもたくさんいて、預かり保育の子も家から遊びに来た子もみんな一緒になって遊んでいました。幼稚園が地域に開かれているというのがとてもよく感じられる風景でした。 遊んでいるとあっという間に午後5時近くなります。お迎えに来るお家の方もひとり、ふたりと増えていきます。子どもたちにとって楽しい1日が過ぎて行きま した。

橋爪幼稚園
3,4歳児はお昼ねタイム

橋爪幼稚園
自分で着替えます

橋爪幼稚園
ママのお迎えでまた明日~

うれしい発見と新しい動き

地域に子どもが少なく、兄弟も少ない…という環境で育っている子どもたちが異年齢で遊んでいると、通常保育ではみられない子どものよいところを発見するこ とがあるそうです。自分より小さな子の面倒をとてもよくみていたり、大きなケンカをして、仲直りしたり…。友だち同士の関係も深くなり、育ち合っていくの がわかるそうです。
また、預かり保育をお願いしているママ同士も子育てしている環境が似ているためか、分かり合えることも多く、仲良くなったのだそうです。今では音楽サークルを作って活動しているほどです。
それだけではありません。いろいろな立場の保護者が園に存在するようになったことで自主的に助け合いや支え合いをする姿も多く見られるようになったそうです。
「子どもにとって幸せな風が吹いている」と園長先生が話してくださいました。

今後の動向

試行的に実施されたとは聞いていましたが、既に来年度の募集が始められています。橋爪幼稚園は園区が定められていないので、通園ができるなら入園が可能で す。預かり保育の制度を頼りに、浜松駅よりも南といった市内でも遠方にあたる地域から通園を希望している家庭もあるそうです。いかに預かり保育の制度が求められているかがわかります。

施設概要

住所:浜松市東区西ケ崎町1067 
TEL:053-434-0329

取材ママの感想

まず、何より、預かり保育の時間としてしっかり計画が立てられていることに感動しました。
ゆったりと家庭的で通常保育では取り組めないようなことにもチャレンジできたり、じっくり取り組んだりできるので、預かり保育の時間を楽しみにしてしまう子がいるのも納得できます。
私立の幼稚園ではすでに数年前から始められている預かり保育ですが、公立幼稚園でも実施されるようになったというのは、子育て家庭にとっては本当に朗報だと思います。今後も、こういった公での取り組みで子育て中の選択肢が増えることを願いたいと思います。

取材・文/はままつ子育てネットワーク ぴっぴ <さんふれんず>

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