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認可保育園訪問 なごみ保育園

働く親たちの代わりに日中、子どもを見てくれる保育園。保育園とはどんなところかご存知ですか?

“認可保育園”について知っていますか?

初めて聞いたという人のために・・・
認可保育園とは、施設の面積や設備、保育士や調理員等の人数などが、国の定める基準を満たしていると認められた保育園で、認可保育園には公立(市立)と私立(社会福祉法人など)があります。
※さらに詳しく知りたい方は「認可保育園」のページをご覧ください。

なごみ保育園見学レポート

認可保育園のひとつの例として北区の社会福祉法人 和光会が運営するなごみ保育園を見学させていただきました。
なごみ保育園は、平成18年、浜松市北区に開設された私立認可保育園です。

木のおもちゃに迎えられて

なごみ保育園

玄関先で迎えてくださった園長先生は若くてカジュアルな雰囲気。“お兄さん”と子どもたちから慕われそうなイメージを持つ人でした。(写真を見てね!)

保育園の玄関から入ってすぐ、職員の方がいらっしゃるお隣に相談室があります。こちらで入園希望や見学の人たちに説明をされるようですが、まずはこちらでお話を伺いました。(今回だけではなく、ふだんから1時間ほどかけてじっくり説明されるそうです。)

このお部屋には木のおもちゃがずらりと並んでその上には「遊」と書かれた一文字の額が飾ってあります。

志賀口園長先生に伺いました。

「遊び」について

なごみ保育園

ひとつひとつはそれなりに高いのですが、家庭でひとりに与えるおもちゃではなく、毎日みんなが遊ぶことを考えれば安いものです。
たくさんのおもちゃには、毎日子どもたちが保育園に行くことを楽しみにしてもらいたい。そんな願いが込められています。実際に、保育室はテレビやビデオではなく、こうしたおもちゃ「遊び」で溢れています。
ものや社会のしくみを知ること。ものごとに意欲的になること。考えること。仲間と絆をふかめること。子どもたちは、すべて遊びのなかで最大限自分を表現し ながら身についていきます。子どもにとって成長は遊びのなかにあるのです。一人ひとりの子どもたちが自分で考えて楽しく遊ぶ環境。それこそが保育園のある べき姿だと考えています。

子どもの教育について

小さいうちから早くものごとを教えることが必ずしもよいとは思いません。
「うちの子は小さいのにリトミックができるようになった!」「小さいうちから英語ができるようになった!」とあたかも早くから自分ひとりで出来ることを増 すことイコールその子どもの才能を伸ばしているかのような風潮があります。しかし、大切なことは子どもの意欲を育てることであり、いつから始めるかではあ りません。目には見えないけれど大切な力。まずは、人として生きていくための基礎をしっかり積み重ねていくことが必要ではないでしょうか。

なごみ保育園という環境について

子どもたちは平均8~9時間を越えて長時間保育園で過ごします。それは、子どもたちにとって、保育園での生活が日常の中心であることを意味しています。そうだとすると、保育室は子どもたちが自分の家や部屋と同じようにくつろげ、ほっとできる空間でなくてはなりません。季節を感じながら大好きな人(保育者)にいつも守られて、安心して過ごせる場所。子どもたちにとって、保育園がそんな場所でありたいと願っています。

行事について

文化的、伝承的な行事、親子で一緒に参加するものを行っています。しかし、あまり行事自体に重きをおいてはいません。私たちは、なにより子どもたちの日々の生活を大切にしています。そのなかで、どのようにして行事をおこなえるかに配慮しています。音楽会などでも行事の為に特別なことをするわけではなく、例えば、ふだん歌っている歌を表現したり、大好きな絵本を劇にしたりと、出来る限り子どもの興味や育ちに寄り添ったものにしたいと考えています。

幼児の子どもたちの環境について

3歳、4歳、5歳の異なる年齢の子どもたちが育ちあい、そしてより遊びが豊かになるように一日を通して異年齢クラスで保育をしています。
幼児期の子どもは、多くの場合、自分の目で見たものしか分かりません。そのため、子どもは、大人のように言葉でものごとを理解するのではなく、目で見て、まね(模倣)をすることで学んでいきます。まねをして身につけ、そして新たに周りから刺激を受け、まねをして身につける。そんな繰り返しの体験を通して、ひとりで出来ないことが、ひとりで出来るようになります。また、この時期には、大人のまねをすることで社会のしくみを知っていきます。例えば、ごっこあそびがそうです。「お店屋さんごっこ」や「病院ごっこ」など様々な大人の社会を遊びのなかでまねをして表現します。夏祭りの夜店でやった「やきそば」なんかも「やきそば屋さんごっこ」として楽しんでいます。

取材ママのひとこと

“ごっこ遊び”ができるように園内の部屋には「美容室」「医院」などを模した場が小さいながらもリアルに作ってありました。

保育士について

園長の私が言うのもなんですが、職員みんなが本当によくやってくれています。なごみ保育園唯一の自慢かもしれません。もちろん日々課題はたくさんありますが、職員一人ひとりが自分自身でしっかりと考え、そして話し合い共通理解を深めていく。そんな雰囲気が深まりつつあります。会議の場では経験年数に関なく、一人ひとりの意見や考えを大切にし、それぞれが納得いくまで話し合うようにしています。

取材ママのひとこと

保育士の自主性を尊重して人材育成をしていることがよくわかりました。

保育の様子

なごみ保育園 なごみ保育園 なごみ保育園

特別なことは、何もしていません。ただ出来る限り子どもたちと丁寧に関わることを常に心がけています。保育園には幅広い発達の子どもたちがいます。そのなかで、私たちは一人ひとりの子どもの育ちや気持ちに寄り添いながら保育します。例えば、乳児の生活(食事、排泄、睡眠)は大人と子どもが1対1で丁寧に関わることから始めます。ご家庭と同じです。もちろん、年齢を重ると、子どもは自分で出来ることが増えていくので、その分だけ大人の関わり方が変わっていきます。しかし、1歳になったから、2歳になったからすぐに集団でということはなく1対1が1対2、1対3へと子どもの発達に合わせて保育していきます。そして、どんなに小さな年齢であっても「させる」「やらせる」ではなく自分で「する」「やる」という子ども自身の気持ちを大切にしています。この日常的に「する」「やる」を生活や遊びのなかで繰り返し経験していくことが学童期の学業に繋がっていくと考えています。
余談ですが、以前、小学校教師をしている友人との話のなかで、「小学校に入る前に、身につけておいて欲しいことは何か」とたずねるたことがあります。友人の答えは、文字を読めることでも書けることでも、数字を数えられることでもなく、「人の話が聞けること」。ただ、それだけでした。人の話が聞けること。それは、決して個人の才能ではなく、泣くことしか出来ない赤ちゃんの時から幼児期にいたるまで、お父さん、お母さん、そして保育者のような大好きな人との豊かな体験によるものだと思います。つまり、「話を聞きなさい」「話しを聞かせる」ではなく、しっかりと目を見て話をきいてもらう(話をする)充分な体験が必要なのではないでしょうか。

個人の生活リズムに合わせた園生活

なごみ保育園

その後、園内を見学させていただきました。ちょうど中学生が職場体験にやってきており、園の中で子どもたちとはいちばん年齢では近い層。楽しく向き合っていました。
この園では、乳幼児の子どもたちは個人の生活リズムに合わせて食事をし、眠っています。その後の成長過程において、個が集団に適応できるようにし向けてくれているようです。

不思議と子どもたちは遊びに夢中で異邦人である見学者にさえ、ほとんど興味を示しません。それほど園での遊びや生活に慣れ親しんでいることがよ~くわかります。

取材ママの感想

「小さいのに保育園に子どもを入れるなんてかわいそう!」とほんの十年前あたりまではよく言われていました。だんだん少なくなってきたものの、未だに聞くこともあります。我が家は上の子は幼稚園、下の子は保育園で育てました。だからこそよくわかるのですが、どちらも単純には比較できない良さがあります。それぞれの環境ごとに子どもは周囲のおとなや同じ子どもに育てられているようです。小さいうちに子どもを預けて親が仕事をするのを後ろめたく思っている親もいるでしょう。しかし、いかがでしょう。保育園の生活をのぞいてみては。子どもたちは親が心配するほどもなく、たくましく育っています。子どもと離れた時間が長かったのならば、自分のところに戻ってきたら短くても濃密に過ごすことはできるのではないでしょうか。保育園を見学してあらためて感じました。

最後に、園長先生について。ご自身は保育園に携わる以前は、まったく別の分野の勉強をされていたとのことで、保育士の資格は持っていないそうです。ですが、ご両親はそろって保育園を経営されていた環境に育ち、ご自身は今、猛勉強されています。保育の世界ばかりでものごとを見るというより、これまでの経験なども活かして他方向から保育を見て考えていらっしゃる姿がとても印象的でした。
取材に快く応じていただき、取材文校正にも多く携わっていただきました「なごみ保育園」園長の志賀口先生にはたいへん感謝いたします。この場をお借りしてありがとうございました。

取材・文/はままつ子育てネットワーク ぴっぴ/hiro

施設概要

なごみ保育園

住所:浜松市北区三方原町1367-1
電話:053-420-7530

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