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心を育むペットとの時間

心を育むペットとの時間

お友達の家やペットショップで犬や猫を見た時、子どもに「飼いたい!」とねだられたことはありませんか? 庭でつかまえたバッタ、お祭りの金魚のような小さな生き物でも、子どもたちは「飼ってみたい」とせがむことが多いですよね。親としては、すぐに飽きてしまわないか、どれくらいの世話が必要かということが気になり迷うところです。責任持って飼育することができれば、子どもにとってよい体験になると言われている生き物とのふれ合いや生活。では、実際ペットを飼うことでどのような好影響があるのでしょうか?

ペットとの関わり合いから学ぶこと

山本直規さん

昨年の春に開設され、ちょうど1年を迎える「浜松市動物愛護教育センター」。そこでは「いのち」を大切にする心豊かな子どもの育成を目指した活動が行われています。
所長の山本直規さんは、獣医師として浜松市動物園でも勤務歴があり、プライベートでは3児の父。地元磐田市の小・中学校でPTA会長や野球部父母会長などを歴任し、子どもたちの育成に力を注いできました。
昨年動物愛護教育センター開設に携わり、所長就任後は小学校などと連携を取りながら子どもたちの教育事業を推進しています。
公私共に深く子どもたちと関わってきた山本所長に、子どもとペットの関わり合いについてお話を伺いました。

――動物園や動物愛護教育センターでの子どもたちの様子はどうですか?

子どもたちは動物を前にすると目がキラキラと輝き、触ってみたい、抱っこしてみたいという気持ちが溢れています。はじめはおっかなびっくりな子も、近づき触ってみることで「目がかわいい」「あったかいね」という素直な感想がいくつも出てきます。生き物が近くにいるということだけで、子どもたちはいろいろなことを感じ取っていることがよくわかります。

――では、ペットがいる生活は子どもにとってどのようなものだと思われますか?

ペットがいる生活

生き物や自然とふれ合う体験は、イライラやさみしさが和らぐと共に子どもの成長にとっても大きな役割があると考えられています。ペットと長い時間を過ごすことで、小さな生き物は自分より弱く、守ってあげなければいけないものだということに気付きます。言葉を話せない生き物がどう感じるか、どうしてあげたらよいか、その様子を見て考える「共感性」が芽生えます。「共感性」は、相手の立場や気持ちを思いやり、人間社会を過ごすうえで重要な感性の一つです。ペットとともに生活することで周囲を思いやる気持ちを養うことができるでしょう。

――もしペットを飼いたいと思った時、考えなければならないことはなんでしょう。

ペットを飼うということは、時間や金銭的な面で負担があります。
特に子どもが小さいうちは子育てで手いっぱいなことも多く、最終的にペットが飼育しきれないといった問題になることも少なくありません。衛生面にも気を配らなければ、人間に影響する病気が発生する可能性もあります。
ペットをすぐに飼うことが難しい場合、子どもにその理由を伝えることも「いのち」について考える大切な機会になります。ペットと楽しく過ごすことができるようになるのはいつなのか、子どもが世話できるようになるのはいつか、何ができるのか、しっかり家族で話し合いましょう。そして、その責任が果たせる時まで待つことで、より充実したペットとの時間を過ごすことができるようになると思います。

うさぎとのふれあい体験

ペットとの生活はただ癒されるだけでなく、相手の気持ちを理解しようとすることで子どもの心も成長していくのですね。そのためには大人がお手本となり、責任を持って飼育する姿を見せることが大切だということもわかりました。 ペットを飼うということを理解する準備段階として、子どもが実際に生き物に触れる機会を持つのも良いかもしれません。たとえば、浜松市動物園の「ふれあい広場」では週末に“うさぎとのふれあい体験”を行い、子どもたちがぬくもりやにおいなど五感を使って生き物のいのちを感じ取れる場となっています。こうした機会も利用すれば、心の準備ができるのではないでしょうか。

ペットを飼っているファミリー よかったことはどんなこと?

実際ペットと過ごす家庭に、その日常やどんな好影響があると感じているかインタビューしてみました。

~責任感が芽生え、子どもの好奇心も刺激する~

Mさんファミリー

ペットを飼いたいという子どもからのお願いで、自分たちでもお世話できる金魚を買ってきました。冬は1日1回、暖かくなってきたら1日朝晩2回の餌やりが子どもたちの日課。水替えも手伝ってくれ、大切にお世話をしている姿を見ると責任感が芽生え始めたようでうれしく思います。飼い始めて初めての春なので卵を産むといいなと、産卵用の水草を入れ親子で楽しみにしています。

Mさんファミリー(子ども:9歳・6歳)

~近隣とのコミュニケーションにも一役~

Kさんファミリー

わが家のペットは6歳のトイプードル。いちばん余裕をもって接してくれる長女のことが大好きです。日頃はおばあちゃんと子どもたちと連れだってお散歩に出ることが多いです。体を動かすことが大好きな子どもたちなので、一緒に近所を一周するのもお楽しみの時間。おかげで近所の人と顔みしりになることも多く、登下校など子どもだけの外出時にも安心感があります。

Kさんファミリー(子ども:8歳・7歳・4歳)

~子どもとの姿に癒やされ、家族の会話も増える~

Sさんファミリー

子どもが生まれる前から家には親子のミニチュアダックスフンドがいます。同じ犬種なのに娘は1歳のころから『ももちゃーん』『ひめちゃーん』と見分けがついていて驚きました。昼寝している子どもたちに寄り添って寝ている姿はとても可愛いくほっこりします。クリスマスツリーのキラキラした飾りを犬に巻きつけていたり、犬用オヤツを子どもが間違えて食べようとしたり、笑えるエピソードも増えました。

Sさんファミリー(子ども:4歳・2歳)

取材協力

浜松市動物愛護教育センター

浜松市動物愛護教育センター
住所:浜松市西区舘山寺町199(浜松市動物園第1駐車場内)
TEL:053-487-1616(受付17:15まで)
開館時間:9:00~16:30
休館日:月曜日、GWおよび年末・年始(広報をご確認ください)
「いのち」を大切にする心豊かな子どもの育成と優しい市民の暮らす街づくりを目指し、飼い主のいない犬・猫の譲渡事業、犬のしつけ方教室、いのちの教育事業などの活動を行なっています。

取材を終えて

心を育むペットとの時間

ペットを飼っている家族のお話を聞くと、ほのぼのとしたエピソードや苦労話がいくつも出てきて、日々変化のある毎日が送られている様子です。犬や猫の場合 は一緒に眠る姿やきょうだいのように並んでくつろぐ姿に、見ている親も癒やされるという声が多かったです。仲良くなるまでには少し時がかかることもありすが、ペットの気持ちを推測することで次第に家族同然の距離に近づいていくようです。子どもの出生から10歳までは「社会化の感受性期」と呼ばれ、家族や身近な生き物・自然とふれ合う体験から、思いやりやルールなどを学ぶ大切な時期だと言われています。意識してその体験をさせるのは難しいものですが、身近にペットがいてその成長を見ながら気を配り生活することで、自然とその機会が与えられるのではないでしょうか。
世話を任されたら、子どもはペットのパパ・ママになってその命を守らなければなりません。幼いうちは世話ができなくても、無理に触れば怒ったり弱ったりする生き物の姿に、言葉が話せなくても感じるものがあるということ、生きているということを知るきっかけとなるでしょう。
子どもが「ペットを飼いたい」と言ったらそれはチャンス!「生き物を育てること」についてじっくり話してみるといいですね。

文/makiko

 

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