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「理科の自由研究」に浜松の学習施設を活用しよう!

「理科の自由研究」に浜松の学習施設を活用しよう!

小・中学校の夏休み課題のひとつとなっている自由研究。テーマ決めから親子で悩みますが、子どもが興味を持ったことを深めるために取り組みたい課題でもあります。
産業のまち、そしてノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授の出身地でもある浜松は、理科や科学の学習にも重点を置き、役立つ展示や講座のある施設が充実しています。整った設備を小学生の「理科の自由研究」に活用するため、学習施設に取材してきました。

3つの学習施設で「プロ」に聞いたヒントはこれ!

理科の自由研究を自宅で進めるには、ある程度の道具や準備が必要になってきます。思ったようにいかなかったり、わからないことが出てきたりすると、せっかくのやる気が続かなくなることもありますね。そこで活用したいのが、工夫された展示とそれぞれの分野のプロがいる学習施設です。子どもたちが無料で利用できる「浜名湖体験学習施設ウォット」「浜松市天文台」「浜松科学館」を訪ねて、自由研究について聞いてきました。

生き物や自然が好きなら「浜名湖体験学習施設ウォット」

浜名湖のことがまるごとわかるウォット。水槽を泳ぐ魚を観賞できるだけでなく、浜名湖や近海に住む生き物のことが学べる施設です。ウォットには、どんな自由研究のヒントがあるのでしょうか。

ウォット学芸員大竹純也さん

ヒント 浜名湖に住む生き物はなんと800種類以上!

自然がいっぱいの浜名湖には魚や貝など、たくさんの生き物が住んでいます。どんな生き物が何種類いるのか調べるほか、季節によっての違いや遠州灘(御前崎から 愛知県の伊良湖岬まで)との違いを調べてみるのもおもしろいですね。館内には参考になる資料展示やタッチパネル式のモニターがあります。

浜名湖に住む生き物はなんと8007種類以上!

ヒント 浜名湖の環境と魚の食べ物に注目

浜名湖は幼魚が多く、成魚が少ないことも特徴の一つです。これは豊富なエサとアマモ場などの絶好の隠れ場所に支えられているからです。魚たちが食べているものや、ウォットの水槽にいる生き物のエサに注目してみましょう。顕微鏡を使えば小さな魚のエサとなるプランクトンを見ることもできます。食物連鎖に広げて考えてみるのもいいですね。

浜名湖の環境と魚の食べ物に注目

研究の幅を広げてみよう! 

ふれあい水槽

ウォットにある「ふれあい水槽」。どうして水が溢れないの?!
ウォットにあるこの水槽。下にある穴から、中の魚を触ることができる珍しいものです。よく考えたら、どうしてどんどん水が流れ出てこないか不思議ですよね。水圧について調べてみるとその理由がわかります。

すぐ横は浜名湖! 自分で生き物を見つけよう
ウォットのすぐ隣にある渚園は、浜名湖につながっています。実際にカニや小魚に触れ合うと、自然とその様子や形などにも興味もわいてくると思います。毎週水曜・土曜には「浜名湖セミナー」で浜名湖やそこに暮らす生き物の解説をしています。お話を聞いてから観察に行くと、新しい発見があるかもしれません。

■浜名湖体験学習施設ウォット
住所:浜松市西区舞阪町弁天島5005番地の3
電話番号:053-592-2880
URL:https://ulotto.entetsuassist-dms.com/

宇宙や星に興味があるなら「浜松市天文台」

浜松天文台は、コンピュータ制御で天体が観測できる大望遠鏡が備えられた施設です。時間に余裕があり夜も寒くないため、天体観測がしやすい夏休み。宇宙や星をテーマにした自由研究について聞いてみました。

天文台指導主事水谷恒多さん

ヒント 月は満ち欠け、地質など研究要素がいっぱい

子どもたちが探しやすく、研究しやすいのはやはり「月」です。住宅の灯りが少ない場所で観望すると、その明るさだけでも普段と違って見えます。満ち欠けの形を数日間調べ、その理由に焦点をあててみるのもいいでしょう。月はクレーターや海などひとつひとつに地名がついています。天文台にはそれがわかる「電光月面案内板」もあります。

月は満ち欠け、地質など研究要素がいっぱい

ヒント 望遠鏡でいろいろな星を見比べてみよう

目立つ星を自宅近くから肉眼で見た様子と、望遠鏡で見た様子の違いを比べてみましょう。気づかなかった小さな星が周りにたくさんあることに驚きます。この夏は木星や土星がよく見えるので、太陽系の惑星を比べてみてもいいでしょう。恒星(自ら光を放つ星)の色や光の強さが違うことに気づいたら、その理由を調べるのもおもしろいですよ。

望遠鏡でいろいろな星を見比べてみよう

研究の幅を広げてみよう!

自分の好きな星座で早見判を作ろう

自分の好きな星座で早見盤を作ろう
星座の由来などについて調べると、また宇宙の神秘とは違ったテーマの自由研究になります。この時期は夏の大三角形やさそり座、天の川を見ることができます。
自分や家族の星座で、オリジナルの早見盤を作ってみるのも楽しいです。

自分の目で見ることが、星の魅力に気づくポイント
望遠鏡で観望すると、肉眼で見る姿との違いに感動すると思います。毎週土曜日は観望会を行っていますので、実際に星を見てどんなことに興味があるか子どもと考えてみましょう。位置の移動などを数日観測する場合は、自宅のベランダやすぐ近くの公園からなどハードルを低くするのも続ける秘訣です。天候に左右されるので難しいのですが、探している星が見えた時の喜びは大きいですよ。天文台には自由に利用できる図書コーナーもあります。わからないことは気軽に相談しに来てください。

■浜松市天文台
住所:浜松市南区福島町242-1
電話番号:053-425-9158
URL:https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/s-kumin/hao/index.html

身の回りの不思議を探求したいなら「浜松科学館」

※注意※改装前の情報です((2019年7月リニューアルオープン)

理科の自由研究といえば真っ先に浮かぶのが「科学館」です。自然、光、力などをさまざまな形で再現した展示があるため、日常に起こるできごとを科学の分野から知ることができます。多くの展示がある中、小学生の自由研究のヒントはどんなところにあるのでしょう。

科学館スタッフ石川晃さん

ヒント 石の種類や成分の違いを発見。天竜川はおもしろい!

身近にある石も、それぞれできた過程が違います。天竜川には堆積岩や火成岩など、多くの石があります。これだけの種類がある場所は実は珍しいんですよ。科学館は階段や館内に石の展示があります。いろいろ集め組成や色の違いがわかったら、地層や地球の内部のことなど、大きく広げていくこともできる研究です。

石の種類や成分を発見

ヒント 音は振動。身の回りのものすべて研究対象に

音のコーナーには、様々な形で音を作り出す展示があります。実際に音を奏でて、楽器の仕組みや音程が変わる理由がわかります。糸電話や輪ゴム、大きさの違う箱など身近なものを使って比べることもできるので、仕組みがわかったら自宅で実験してみましょう。工場見学に行ったり、楽器を習っていたりする子も多いため、小学生が取り組みやすい題材です。

音は振動

研究の幅を広げてみよう!

ビックリ!LED

浜松科学館の名誉館長 天野浩教授の功績を知る!
2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授は、科学館の名誉館長に就任されています。光のコーナーでは、その功績やLEDの特徴や仕組みを紹介しています。LEDってなに?ノーベル賞ってすごいの?そんな疑問も科学に近づくきっかけになるかもしれません。

身近なものの中から興味があることを探せば楽しい!
対象が広範囲に渡るため、まずは理科の授業でどんなことがおもしろかったか子どもに聞いてみると、テーマを決めやすいです。科学館で興味を持った展示を、自宅にあるもので工夫して再現するのも研究になります。科学館の展示を見るだけ、動かすだけでなく、その原理や仕組みについて考えていけるといいですね。毎年夏休み前半には、自由研究の相談会も実施しています。

【浜松科学館】
住所:浜松市中区北寺島町256番地の3
電話番号:053-454-0178
URL:https://www.mirai-ra.jp/

研究を続けたい、深めたいなら「ダヴィンチキッズプロジェクト」

ダヴィンチキッズプロジェクト

毎年の自由研究をもっと深めたい、ステップアップさせたいという人に知ってほしいのが、静岡大学で行われている「ダヴィンチキッズプロジェクト」。これは浜松市、静岡大学、ものづくり理科支援ネットワーク「浜松RAIN房」が協力して行っている、理系に高い関心や能力を持つ小学校高学年・中学生を対象にした講座です。
ここの大きな特長は、「プロの技術者が現場で実際に使っている本物を使う」ということ。工具はもとよりネジ釘の一本までこだわりぬいています。そしてアドバイスをくれるスタッフは、地域のものづくり企業のOB技術者(木工・機械技術・素材・ 電子技術など)という本格派。スタッフが各自これまでのスキルを駆使して講座の教材を事前開発してくれているというから、なんとも贅沢な講座です。

ダヴィンチキッズプロジェクト

保護者が一緒に参加している家庭も多く、親子で共通の話題を持って欲しいとうねらいもあるそうです。保護者からは「意外に手先が器用なんだなという新しい発見がありました」「家でははんだごてなんて使ったこともないし、小学生で使いこなせるのかな?と不安でしたが今では自分よりも上手です」「家に完成品を並べていて、親子の会話も増えました」「失敗から覚えていくことも多いのでいい経験です」「普段とは違い、コツコツこだわってやる様子に驚きました」などといった声が聞かれました。ダヴィンチキッズプロジェクトでは、何人かの指導者の支援を受けながら自由研究のテーマを研究・探求し、参加期間中に研究成果をまとめ全国レベルの科学賞受賞を目指すこともできます。理系大好きな子どもたちにとことんつきあってくれる場所となっています。
*平成29年7月現在、参加者の募集はしていません。今後の募集については、ホームページをご確認下さい。(ダヴィンチキッズプロジェクト

<取材を終えて>

専門家がいる学習施設には、工夫された展示と共に自由研究のヒントがたくさんありました。テーマ探しで訪れるもよし、もともと興味があったことを深めるのもよし。図鑑で見比べるだけでなく、見て触って確認できる施設を上手に利用すれば、子どもにとってもたくさんの驚きや発見があることでしょう。
どこまで親が手伝うべきか判断が難しい自由研究ですが、やはり低学年が最後のまとめまで完成させるのは難しいところだと感じます。親が主導権をにぎってしまわないように気を付けながらも、一緒に施設を見学するなどして必要なところはサポートすることで、子どもも楽しく進めることができるのではないでしょうか。学年があがるにつれ、知りたいことを自分自身で追及できるようになっていくといいですね。小学校のうちに自分で調べたり専門家に質問したりする力がついたら、親にとってもうれしいことです。

取材・文責/makiko、三浦貴子

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