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初心者でも大丈夫! 「布もの入園グッズ」手作り大作戦
保育園や幼稚園で使用する布製品の入園グッズは、大きさや手作り指定をする園もあり、裁縫が苦手な保護者にとっては気がかりな準備のひとつです。指定がなくても、気に入った布を使ったり、使いやすく工夫したりと、気持ちのこもった入園グッズを子どもが愛用してくれたら親としてもうれしいものです。
親子の思い出のひとつにもなる手作り入園グッズ。スムーズに準備できるきっかけやアイデアを取材しました。
コツがわかれば意外に簡単!「2時間で給食セットを完成」教室レポート
浜松市東区神立町にある生地メーカー直販店「オリショーJr.」で行われている洋裁教室「教えてソーイング」に、ミシンはちょっと苦手…という3名のママが参加、2時間で給食袋&ランチョンマット作りに挑戦してきました。
参加したのはこの春、幼稚園・保育園に入園予定の子どもを持つ、太田さん(1歳・3歳の女の子のママ)、菅谷さん(9か月の男の子のママ)、丸山さん(9か月の男の子のママ)です。
みんな初心者!まずは布選びから
それぞれ揃えなければいけない入園グッズはあるものの、子どもに手がかかり、まだ準備はできていません。「母から譲り受けたミシンはあるんだけど…」「実家に行けばミシンはありますが…」など、どうも最初の一歩が踏み出せない様子。今回作るもののサンプルを見ても、「かわいい!だけど、本当にできるのかなあ…」と、気後れしている様子です。
まずは、オリショーJr.店内での生地選びからスタート。たくさんの生地の中から「どれにしようか?」と子どもに声をかけながら、生地を選んでいきます。
コツを教わり、ぐんと作業がスムーズに!
選んだ生地にアイロンをかけると、次は裁断をしていきます。「たくさん作りたいときは、型紙を作ったほうがラクですよ」、「はさみを使うときは、布は持ち上げず、はさみをテーブルから離さずにね」など、先生が裁縫のコツを教えてくれます。コツを習うと、ママたちも最初の自信無さげな表情はどこへやら。次第に集中していきました。
布を裁った後は、ボール紙でできた”アイロン定規”なる秘密兵器が登場!
これを使うと、縫い代にまっすぐきれいにアイロンをかけることができました。
「きれいにアイロンがかかっていると、縫う時にとてもラクなんですよ」と、なにげない先生の一言から裁縫のコツが見えてきます。糸の通し方、速度の調整、返し縫いの仕方など、先生が丁寧に教えてくれるので、とっても安心。最初はゆっくりだったミシンも、徐々にリズムがよくなり、作業もどんどん進んでいきました。
無事に完成! 「家でもやってみようかな」

ちょっとした質問にも答えてもらえるのが、ソーイング教室の嬉しいところです。
「間違えて縫ってしまったところをほどくのがいつも大変なんです」との質問には、「家庭科の裁縫道具にも入っていたニッパーを使ってほどくと、きれいにほどけますよ」と先生。コツを聞けて、「これで家でもきれいにほどけそう!」と納得。
こうして、無事に2時間で給食袋とランチョンマットが完成しました!
ママたちに感想を聞いてみると、「先生がそばにいてくれるので、安心して作ることができました」「お裁縫のコツがわかって納得!」「とっても楽しかったので、新しいミシンが欲しくなりました。また家でもやってみようかな」と、苦手だった裁縫を少し身近に感じることができたようです。
オリショーJr.のスタッフ中原さんにお話を伺いました。
裁縫が苦手で最初は不安げな様子で教室に参加している方も、子どもたちが喜んで使う姿を思い浮かべながら、お友だち同士で楽しく作業をしていくうちにどんどん夢中になっていきます。子どもの入園グッズ作りをきっかけに裁縫を覚え、出来あがって形になる喜びから、1年で洋服まで作れるようになる方もいるほどです。子どもの入園をきっかけに、ママが裁縫をスタートするのもとても素敵だと思います。裁縫には、スムーズに作業を進めるためのちょっとしたコツがあります。それさえマスターすれば大丈夫!裁縫は失敗しても何度でもチャレンジができます。ぜひ楽しみながら入園グッズづくりを進めてみてくださいね。
一から準備しなくても手作りできる! キットや小物を使ってひと工夫
小さな入園グッズとはいえ、初心者にとっては材料の準備からとまどってしまうものです。最近では便利に作れるキットや、ひと手間加えればかわいく仕上がるものなど、バリエーションも豊富だと聞き、ソーイング教室に来たママたちと手芸用品店「クラフトハートトーカイ浜松幸店」に行ってきました。
◎準備に迷った時は「入園グッズ手作りキット」
かわいい布、作り方、コード類などがセットになったキットを利用すると、材料準備のひと手間を省くことができます。
キットには、上靴袋と絵本バッグの材料がセットになっているものも。作り方の説明書が付いているから、安心して作業に取り組むことができます。裁断する必要はありますが、園指定のサイズに自宅で合わせて作ることができます。
◎半完成品や完成品を上手に使って、簡単にオリジナリティアップ!
ママたちに「これ、いいよね~!」と好評だったのが半完成品です。絵本バッグが、あとは脇を縫うだけのところまで仕上げられており、最後のひと手間で手作り感を味わうことができます。
子どもの好みに合わせてワンポイントをつけたり、肩掛けひもを付けてショルダータイプにしたり、アレンジは自在。手軽にオリジナリティを出すこともできます。
◎自信も時間もないならこれ!「オーダーメイド」&ワンポイント手作り
手作りが難しい場合は、オーダーメイドを利用するのもひとつの手段です。時間は2週間程度かかりますが、園指定のサイズや希望の布地で製作してくれます。ママたちも「やっぱりこれは心強いです」と、ちょっと安心した様子です。
完成したオーダーメイド品に、ちょっとしたワンポイントを自作するのも楽しい方法です。市販のワッペンやアップリケなどをつけてももちろんかわいいですが、ボタンやリボン、テープなどの手軽な材料を使って、簡単なワンポイントを自作するのも楽しいでしょう。例えば、ボタンをフルーツや車に、リボンをちょうちょに、テープを線路に…など、子どもと楽しみながら決めてもいいですね。
◎一目でぼくの!わたしの!子どもたちにもわかりやすい名前つけアイデア
入園準備は、名前を付けるのも大変な作業です。そこを助けてくれるのが、名前付け便利グッズ。ミシンを使わずにできるアイロン接着のネームラベルから、付け替え可能なスナップタイプのネームリボンまで、さまざまな種類のものがありました。
ママたちも材料を見ながら、「これとこれを合わせてもかわいいよね!」「こんな形に切ってみようかな」と、どんどんアイデアが浮かんだ様子。はさみとマジックを使って、自由にアレンジし、工作感覚で名前付けを楽しむことができます。
入園グッズに使えるかわいい小物を見ていると、裁縫が苦手なママたちもいろいろなイメージがわき、次第に準備が楽しみになってきているようでした。週末には、入園グッズの材料をパパも一緒に見に来る家族も多いそうです。手軽なキットや小物を使って、ママだけでなく、パパも子どももみんなで準備!入園グッズの手作りが、家族のコミュニケ―ションのひとつになりそうですね。
どんなものが使いやすい? 先輩ママのアドバイス
★絵本バッグは重くなりがちなので、小さな子にはななめ掛けできるタイプにすると持ち運びしやすいです。
★どんどん大きくなるので、上靴入れは年長まで使えるようゆとりのある大きさがgood!
中身が落ちないようにマジックテープを付けておくと安心。
★給食袋は、お弁当箱を入れることも考えた大きさにすると幅広く使えます。洗い替え用に少なくとも2~3個はほしいかな。
取材を終えて
なにを隠そう、私は裁縫が大の苦手です。今は高校生・中学生となった子どもたちの入園グッズを悪戦苦闘しながら作ったことを懐かしく思い出します。今回の取材を通して、浜松は織物の街であり、生地を扱うお店が多いことも知りました。お店の方もわからないことは親切に教えてくださいます。プロにコツを教えてもらえば意外と簡単で目からうろこ!お友だち同士で行ってみるととっても楽しそう!裁縫に対して苦手意識が強かったあの頃の自分に、こんな楽しみ方があるんだよ、と教えてあげたいような気持ちです。
あの頃から月日が経ちましたが、ママたちが生き生きと前向きに裁縫に取り組む姿を見て、私もまた手作りにチャレンジしてみたくなりました。
文/時田祐子
取材協力:オリショーjr.
クラフトハートトーカイ浜松幸店