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株式会社マッキンリー 子育て社員を応援する制度づくり

「ワークライフバランス(仕事と生活の調和)」という言葉もずいぶん浸透したようですが、 近年の不況もあり、労働を取り巻く情勢は厳しさを増しています。

そんな中で企業は、実際に従業員の仕事と家庭の両立を支援するための制度を整え、浸透させるまでには、どのような取り組みを行っているのでしょうか。「男女共同参画社会づくり宣言事務所」として登録されている地元企業 株式会社マッキンリー 総務部人事グループ 野末さんにお話を伺いました。

「普通に働き、生活する」ことを支援

いきいきと働く猿田さん
<いきいきと働く猿田さん(右)>

「私達は仕事と家庭を両立していきます」と、工場入口に高く掲げられたスローガン。現在、株式会社マッキンリーでは、男性133名・女性31名が働いていますが、そのうち20代後半~30代が約半数と、子育て世代が多数派を占めています。

例えば、小型冷蔵庫の生産ラインで働く女性正社員 猿田さんは、3歳のお子さんを子育て中のお母さんです。1年間の育児休暇を取ったあと、復帰して再びフルタイムで働いています。

「仕事に復帰したての頃は、子どもが熱を出して保育園から電話がかかってくるようなことも多く、大変でした。ですが、そういうときもすぐに帰宅しやすいよう、休んでも支障が少ない仕事に異動してもらえました」(猿田さん)

スローガンが掲げられた工場
<スローガンが掲げられた工場>

同社では、必要に応じて育休不在時に代替要員を確保し、業務に支障が出ないようにしているそうです。
また、育児休業中の社員へ、月1回の社内報メールで情報を配信したり、復職2~3か月前に本人と相談の時間を設けるなど、安心して復職できるようサポートしています。さらに、休暇を取る社員の上司に理解を求めるために、管理職以上を対象にした研修会で育児支援に関する説明をしたり、妊娠から復職までのフロー チャートを管理職に配布するなど、休暇を取りやすい環境づくりに取り組んでいます。

女性社員は育児休業後、100%職場復帰しているとのことで、取り組みの効果が伺えます。

男性の育児への取り組み

佐藤さんと野末さん
<佐藤さん(左)と野末さん(右)>

子育てのための支援は母親だけでなく、父親に対しても必要です。同社では、半日有休の取得ができる制度がありますが、男性社員がこの制度を利用し て、妻の出産の際に、10時出勤・15時退社(4時間勤務)という異例の半日休暇を3日間取ったケースがあります。それにより、母親が生まれた子のお世話 をしている間に、父親が上の子のお弁当づくりや洗濯などの家事をするなど、ふたりの連携で多少の余裕を持ってできたということです。

また、 同じく男性の佐藤さん(総務部経理グループ)は、現在2歳10か月のお嬢さんを子育て中ですが、妻の出産の際に2日間の慶弔休暇が取れ、出産・退院のとき 良かったとのことです。 「普通の生活をしながら、無理のない範囲で子育てや家事をしている、という感じです。お皿洗いや洗濯物を干すなどの家事も『いっしょにやっている』という 意識です。お手伝い感覚でやるとNGなんですよね(笑)。私の帰宅はどうしても7時頃にはなりますので、保育園は妻の職場に近いところを選びました。妻との子育て時間のバランスは程よく取ていると思います」(佐藤さん)

男性が育児のために休暇を取ることに関して、周囲の目が気になったり、昇進の妨げになるなどの理由から抵抗を感じるという感覚は、過去のものかもしれません。「社内でワークライフバランスを推進しているという雰囲気があり、早く帰ろう、また子育てにかかわれることを『良い』とする意見のかたは多いです」(野末 さん)

次世代に向けて、仕事と家庭を両立することができる社風づくりが、着々と進んでいます。

さらに柔軟な働き方へ

余暇時間を楽しむ社員の写真
< 余暇時間を楽しむ社員の写真>

同社のワークライフバランスの今後の取り組みについて、再び野末さんに伺いました。

「今後は、時間単位の有休を制度化できればと考え ています。そうすれば、1日の間のどこかで時間休を取って休み、子どもを通院させるなど、きめ細かい動きができるようになります。製造業ならではの現場の 人員配置の難しさはありますが、社員も人それぞれ、抱えている問題や家庭環境が異なります。弊社は規模の面からもアットホームな面がありますので、それを メリットとして、人事グループはまず社員の希望やニーズをよく聴いて、会社としてできることを本人と会社に提案していけるような役割を担っていけたらと思 います」

仕事と家庭の両立、という課題が、しなやかな制度とそれを支える社風によって、着々と乗り越えられようとしています。

 

会社概要

会社外観

株式会社マッキンリー

社名の由来ともなっている携帯コンロの生産を機に、オリジナル製品の一貫生産システムを確立。家庭用キッチン家具関連をメインに製造・販売を行う、地元浜松のメーカーです。

  • 1995年「ライスボックス」がグッドデザイン商品の認定を受ける
  • 2002年 ISO14001認証取得
  • 2004年 防衛庁より感謝状を授与される

本社:静岡県浜松市北区細江町三和131

取材を終えて

取材に伺った日は東日本大震災が起こったすぐ後で、同社は移動式炊飯器やガソリンタンクなどの緊急増産に追われている様子でした。同社の企業理念のひとつに「社員の生活を豊かにする」とあります。豊かさとは金銭や物質ではなく、自分らしくゆとりを持って生活することだとすれば、同社は理念をきちんと形にしようとしています。それを支えるのは制度。そして制度をつくり、活かすのは人。会社とは人あってのものなのだということを強く感じる取材でした。

私たちの地元・浜松で、こうした取り組みを進める企業が存在することは、とても頼もしいですね。今後このような企業による取り組みがもっと増えていけば、浜松は一層、子育てしやすいまちになるのではないでしょうか。

取材・文:はままつ子育てネットワーク ぴっぴ/寺内美登里

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