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チャイルドシート 選び方のポイントと取り付けのコツ
事故から子どもの身を守るチャイルドシート。 6歳未満の着用は義務化されたため、ほとんどのママが出産準備品として用意するものになりましたね。
とはいえ、種類も多く価格も幅広いためどんなものがいいのか迷ってしまいます。 また、初めて自分で取り付けする時は、正しく付いているのか不安もあります。 そんな、チャイルドシートについて調べてみました。
チャイルドシートの種類
0~1歳くらい
後ろ向きに取り付け、または横向きベッドタイプ
4歳ごろまで利用できる乳児・幼児兼用タイプもあります。
1~4歳くらい
前向きに取り付け
ハーネスと呼ばれるベルトで固定するものと、おなか部分で支えるものなどがあります。
11歳まで利用できる幼児・学童兼用タイプもあります。
4~11歳くらい
おしりの位置を高くして、正しい位置で大人用シートベルトを使います。
法令で着用が定められているのは、6歳までですが、大人用のシートベルトに体が合うようになるまでは使った方が安心です。
背もたれ付きのハイバックタイプは、成長に合わせて背もたれ部分が取り外せるものもあります。
乳児・幼児兼用、幼児・学童兼用、乳児~学童まで1台で済むものなどや、ベビーカーと兼用できるものもあります。
チャイルドシートの選び方
チャイルドシートの売り場では、かなりの種類が展示されており、下調べをしない状態ではどこから見ていっていいのかわからなくなりそうです。
そこで、選び方についてアカチャンホンポ宮竹店 副店長の中川さんにお話をうかがいました。
―― 購入前の準備として、必要なことはありますか?
色やデザインに目をひかれがちですが、選ぶ前に必ず確認しなければならないのは、マイカーに取り付けることのできるものか、ということです。 メーカー適合表は店頭にも置いてありますし、インターネットで見ることもできるので、必ず購入前にチェックして下さい。
次に選ぶ基準は、乗せる子どもの年齢や体格に合っているかということ。 メーカーからの説明書にそれぞれ使用できる体重や対象年齢が表記されているので、どの時期からどの時期まで使用したいかを念頭におき、選んでいきましょう。
―― 新生児から使うときのおすすめや人気のある機能を教えてください。
- アップリカから出ているベット型タイプは横向きにフラットになります。
- 後ろ向きに設置するタイプは、衝突時の衝撃を広い面で分散できます。
- 回転式は乗せやすさで人気です。
- シートを取り外して洗濯することが出来るものは清潔に使えます。
- ベビーカー兼用タイプは着脱の手間はありますが、寝てしまった時など移動に便利です。
- タカタの”ママ楽ハンドル”は回して固定できるので、女性の力でも取り付けがしやすいです。
―― 2台目に切り替えるタイミングはどのような時が多いですか?
兼用タイプで長い期間使えるものもありますが、次の子の出産時期に今まで使っていたものを、下の子用にして、上の子は年齢に応じて、幼児用や学童用に切り替える方も多いです。
乳児タイプについているハーネスと呼ばれるベルトを子どもが嫌がるか、などご家庭によって様々です。
―― 気になる安全性。何か違いはありますか?
もちろんどのメーカーも安全基準をクリアしているので、正しく使用すれば問題ないのですが、今は現行の2000年基準から2012年7月以降の基準である「ヨーロッパ統一基準ECE R44/04」に移行中ですので、両方クリアしているものをあえて選ぶ方もいます。
―― どのようなものが売れ筋でしょうか?
好みや車に合わせたりなど様々ですが、価格では4万円前後、色は落ち着いた茶系などが人気があります。
取材協力:アカチャンホンポ浜松宮竹店
レンタルやリサイクルという方法も
使う頻度が少ない場合にはレンタルという方法もあります。 チャイルドシートのレンタルを扱っている会社があります。(有料:1ヶ月2千円台~)
また、ベビー用品のリサイクルショップでも中古のチャイルドシートを扱っています。 一定の期間だけ必要なものなので使い終わったら、誰かに譲ったり、リサイクルしたりするのも一つの方法です。
ただし、中古を利用する場合は安全性に問題がないかを、しっかりと確かめる必要があります。
チャイルドシートの正しい取り付け方
次はいよいよ取り付けです。 ぴっぴでは、取材ママ対象の講座をJAF静岡支部に開催していただき、取り付けのコツと取り付け場所について指導していただきました。
取り付けのコツ:説明書をよく読むこと
説明書通りにするのが一番ですが、大抵のチャイルドシートに共通しているのは、
- シートを後ろに倒し、取り付け。最後に戻すとしっかり固定される。
- 大人2人で作業。1人はチャイルドシートに乗り込んで体重をかけ、1人がベルトを引いて固定。
- 背面だけではなく、座面のぐらつきがないように固定。
正しく取り付けられているか不安だったら、講習会にてJAFの指導員さんにチェックや指導をしてもらうこともできます(JAF会員対象)。
取り付け場所:一番安全なのは、後部座席真ん中
位置的に一番安全なのは、後部座席真ん中だそうです。ですが、シートベルトの位置により難しいため、乗り降りに危険が少ない後部座席歩道側を推奨し ています。次が後部座席車道側となります。 助手席はエアバックが開いた際に危険なので、幼い子どもを座らせるのは勧められません。 また、前向きに座らせる時期は子どもの体重10 kgくらいからが目安ですが、説明書にある体重を参考に、お子さんの成長に合わせて肩ベルトの位置などに無理がないか確認して座らせましょう。
取材協力:日本自動車連盟(JAF)
取材を終えて
たくさんの商品があるチャイルドシート。メーカーそれぞれに使い勝手の良さそうな機能の付いたものがあるので、車の大きさや出産後のお出かけ頻度など、色々な場面を想定して選ぶと失敗が少ないかもしれませんね。
欲しいタイプや使用年齢などで迷っているようなら、やはり詳しい店員さんに相談することをお勧めします。お店に出かけられない時は、インターネットのWebサイトチャイルドシートの選び方<amazon.co.jp>なども参考になります。
メーカーや車種によって多少違ってきますが、特に乳児用のシート取り付けは、力もいるしベルトの通し方など結構複雑ですね。説明書だけでは、なかなか思うように進まないことも多そうです。 JAFの講習会では、固定するコツを実際のシートを使って指導してもらい、適当な取り付けでは、かなりのぐらつきが出ていることがわかりしました。
どんなにいいチャイルドシートでも、正しく取り付けられていなければまったく意味がないということ、そして事故で子どもに加わる衝撃の大きさなどの話を聞き、チャイルドシートの重要性を再確認しました。 6歳未満のチャイルドシート着用は義務づけられているので、対象年齢の着用率は当然100%に近い数字だと思いきや、2010年チャイルドシート使用状況全国調査では、6歳未満のチャイルドシート着用率は56.8%。とくに、1歳を超えたところから急激にその率は下がっているとのこと。(参考:JAFセイフティ・データ)
当たり前のようでいて、なかなかできていないのが現状のようです。 年齢や好みに合ったチャイルドシートを正しく取り付けることが、子どもとのドライブを楽しむスタートライン。我が家でも、「嫌がるから」とか「近いから大丈夫だろう」という安易な気持ちで子どもを危険にさらすことのないよう、一層注意していかなければならないと感じました。
取材・文/NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ makiko