子育てのヒント

しっかりと噛んで味わいましょう

2014年11月2日

こんにちは。歯科衛生士の小野間と申します。
「おいしい秋」を迎えましたが、みなさん、食事をよく噛んで味わっていますか?

今回は、いつも当たり前のように行っている「口から食べること」について考えてみましょう。
実は、食べものを噛んで飲み込むという動作は、自然と出来るようになったわけではなく、生まれてから学習して得たものなのです。

食事をする時はまず、目で食べものを確認します。(食べものと判別するのも、学習です)そして口の中で噛みやすい量を前歯でかじり取って(適量を口に入れるのも学習の成果ですよ)唇を閉じ、舌で奥歯に運びます。舌と頬で歯から落ちないようにしながら噛み砕き、砕いたものを舌の上で唾液(つば)と混ぜひとまとめにして、のどに送り込んでいます。いろいろな硬さ・形の食べものを、舌を噛むことも無く上手に食べています。この「お口の機能」ってすごいと思いませんか?この食べ方の基礎を学ぶのが「離乳食」です。

赤ちゃんは、おっぱいを吸う口の動きから、大人と同じものを食べるための複雑な口の動きができるよう、離乳食で少しずつ一生懸命学んでいきます。離乳食を与えるとき、食べる量ばかり気になったり、先へ先へと進めようとしてしまいがちですが、いきなり難易度の高い食べものを与えられたら、赤ちゃんは困ってしまいます。無理をして食べさせようとすると、丸飲みを覚えたり、口の中に溜めこむ・吐き出すなどして噛む練習になりません。逆に簡単に食べられるものばかりでは、新しい体験ができません。「離乳食の進め方」などの資料には、時期にあった食品の形態や目安量が書かれていますが、赤ちゃんの歯の生え方・お口の動かし方も見ながら、順を追って進めることが大切です。もし、食べるのが難しそうだったら、すこし前に戻って練習してみてくださいね。

また、離乳食が完了し、奥歯も生えたからといって全く大人と同じように食べられるわけではありません。子どもの奥歯は大人と比べると本数も少なく噛む面積も小さく、筋力も弱いので、硬い肉などはまだ難しかったり、口の動きも未熟なので、レタスなどの薄くぺらぺらしたもの、ブロッコリーのようにバラバラになってしまうものなどは案外と苦戦するようです。もぐもぐしやすいように煮るなどして火を通す、口の中でまとまり飲み込みやすいようにとろみをつけるなど、その子に合わせてあげましょう。

お口の機能は乳幼児期に基礎が育ちます。その時期のお口の機能にあった食事を用意して、噛む力を伸ばしてあげたいですね。

愛情こめて用意した食事を、残さず食べてもらうためにも、お腹を空かせて食事の時間を迎えられるよう心掛けましょう。「食事・おやつの時間を守ること」これはむし歯予防のためにも大切なことです。むし歯の無い健康な歯でしっかり噛みたいですね。

ところで、食べるときの姿勢は、いかがですか?大人も子どもも、よい姿勢でしっかり噛むことで、バランスよく口の中・周囲の筋肉が発達し、顔立ちも素敵に、お話も上手になります。猫背で首を曲げ下を向いて食べると、奥歯を使わない不自然な噛み方になりがちです。「背筋を伸ばし首をまっすぐ姿勢よく」を心掛けましょう。足も組んだりぶらぶらさせないで、床にしっかりついていたほうが、噛む力も入りやすいようですよ。

さあ、家族みんなで、よい姿勢・よい歯で、しっかり噛んで食べ、健康で元気においしい秋を味わってくださいね。

文/浜松市歯科衛生士 小野間律子

子どもの歯