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働くママ・パパを応援! 病児・病後児保育

子どもが病気になってしまったけれど、仕事を休めない!というピンチの時、身近に安心して子どもを預けられるところがあるといいですよね。実家が近くにない場合などは、職場に申し訳ないと気兼ねをしつつも、子どもの病気が治るまで仕事を休まざるを得ないこともあります。

浜松市内には、病児・病後児保育を行っている施設、病後児保育を行っている施設があり、浜松市保育課より認定されています。
その中から、病児・病後児保育を行っている「桜町クリニック 病児・病後児保育室さくらんぼルーム」「みどり保育園 病児・病後児保育室」を取材しました。

「病児保育」「病後児保育」とは?

くしゃみ

「病児保育」とは、病気中の段階から預けることができる保育で、「病後児保育」とは、病気の回復期に預けることができる保育のことです。

現在浜松市内で病気の子を預ける事が出来る施設は、桜町クリニックさくらんぼルーム(浜北区道本)とみどり保育園(東区有玉西町)です。みどり保育園では、 看護師・助産師の資格のある先生と保育士の先生が担当しています。桜町クリニックは病院の併設の施設になり、通常は保育士の先生が担当しています。

病気中の段階から預けることができる「病児保育」とはいえ、どの程度までの症状であれば預かってもらえるかということは、施設ごとに違っているので、その都度確認をしておく方が安心ですね。

また、「病気の回復期」というのは、発作や急性期を経過したものですから、たとえば風邪などで高熱が出た場合は、熱がある程度下がってからということになります。骨折やけがなどの場合は、症状が固定してからの利用になります。

どんな場合に利用している?

病気

実際にみどり保育園の場合で、一番多い利用は咽頭炎や気管支炎による発熱している子どもだそうです。

また、骨折などで園や学校で普通の生活がちょっときつい時にも、病後児保育を利用できます。 預かるお子さんの病状に合わせて、感染予防を考慮し、違う部屋で過ごせるようになっていますので安心です。

万が一、お子さんの病状が悪化した時は、桜町クリニックさくらんぼルームでは、下の階の桜町クリニックで受診するそうです。みどり保育園では、保護者に確認のうえ、お子さんのかかりつけ病院に受診するか、嘱託医の岡本小児科医院で受診するそうです。

昨年の新型インフルエンザが流行した時は、子どもが感染すると親も会社への出勤が禁止されて、子どもを自宅で看病できたため、予想外に利用が少ない日も あったようです。しかし、今年度に入ってからはいずれの施設も利用者が増え、桜町クリニックでは平均して1日3人程度の利用があるそうです。

利用までの流れ

病児・病後児保育は、市内に居住の0歳から小学校3年生まで(現在は6年生までに変更)のお子さんが利用できます。登録をすると、浜松市内のどの病児・病後児保育でも利用でき、桜町クリニックの患者さんやみどり保育園の園児ではなくても大丈夫です。

利用するには、あらかじめ登録が必要なため、お子さんが病気になる前に登録を済ませておき、必要書類や持ち物等、全体の流れをあらかじめ知っておけば安心です。

※桜町クリニックは、医院併設のため、医師連絡票は当日受診することで省略可です。

※原則として前日までに予約をすることになっていますが、急を要する場合は当日の状況をみて利用可能な場合があります。逆に定員や預かっているお子さんの病状などによって、どうしても受け入れできない場合もあります。施設に直接電話して確認しましょう。

利用者の声と今後の課題

利用者からは、
「家にみてもらえる方がいないので、非常にたすかりました。」
「仕事を休まずに済み、たすかりました。」
という声がたくさんあるようです。

最近は、おじいちゃん・おばあちゃんも若くて仕事をしていることもよくあり、いざという時でもなかなか家族に頼れない場合が多いようです。そんな場合も、看護師や保育士という専門家がしっかりみてくれると思うと、お子さんへの心配も軽くなりますね。

桜町クリニックでは担当が保育士のみでも、すぐ下の階に病院があるということや、みどり保育園のように常時看護師・保育士が担当しているという安心感は、何にも代えがたいものがありますし、病児・病後児保育を行う施設にとって、とても大切な要因ですね。

今後、お子さんが利用するに当たり、病児・病後児保育の施設を選ぶ時に、病院との連携や保育担当者がどのような資格を持っているかを、チェックポイントのひとつとしてあげておくのもいいでしょう。

今後の課題については、桜町クリニックさくらんぼルームでは、地域の保育園やファミリー・サポート・センターなどの子育て支援との連携ができるようになることを願っているそうです。 これまでみどり保育園では、困った時の「駆け込み寺」として対応してきたけれど、園外の利用登録も増加していて、働く親が増えているという状況の中、場合によってはお断りせざるを得ないこともあるので、そのあたりが課題ということです。

取材協力

桜町クリニック
桜町クリニック

保育室内の様子
保育室内の様子

担当スタッフ
担当スタッフ

 

みどり保育園
みどり保育園

保育室内の様子
保育室内の様子

担当スタッフ
担当スタッフ


 

取材を終えて

桜町クリニックでは、病院設立当初から、「患者側に立ち親身になること」「患者のニーズにこたえること」「地域に貢献すること」をクリニックの理念として掲げているそうです。桜町先生の専門は外科であるのに、やってくる患者さんの4分の1が子ども(小児科)という現状や、高齢者の支援はたくさんの事業者や団体が手を挙げるけれど子育て関連は少ないことから、桜町先生は地域を盛り上げるために、病児・病後児保育を行うことで働く親の支援をしようと考えたそうです。桜町先生ご自身が3人のお嬢さんを持っていることから、将来、女性が働きやすい社会になっていてほしいと願っておられるそうです。働く女性のことをこのように理解し、支援してくれる方が身近にいるというだけで、すごく救われた気持ちになりました。病児・病後児を預けて働かなければならない親にとっても、物理的にだけでなく、気持の部分でも助けられる気持ちになるのがわかります。

みどり保育園の場合は施設の広さに余裕があることから浜松市から開設を勧められたことと、嘱託医の岡本医師の協力のもと開設ができたとのことでした。そして病児・病後児保育への園長先生の想いや、それを受け継ぐ先生方の想いがギュッと詰まっているということが、園の中を見学して感じます。「子どもにとっての豊かな生活とは何か」「親にとってどんな支えが必要か」ということを考え、小児科医院との連携や地域とのつながりという環境を整えてくれていることが、保護者にとっては何にも代えがたい安心感を与えてくれます。

子どもが病気になると、親としても気分が落ち込んでしまいますが、看護師さんや保育士さんがみていてくれるというだけで安心できます。また、みどり保育園の看護師はとてもおだやかな雰囲気で、子どもの病気の時の対処法や子育ての相談も気兼ねなくできる方でした(実際に、預かった時にちょっとしたアドバイスをしてくれることもあるそうです)。ほんのちょっとしたことでも、「みどり保育園に行けば支えてもらえる。相談できる。」という場所があるだけでも、仕事をしながら子育てしている人にとって、とても大きな支えになります。

まだまだ浜松市内には病児保育・病後児保育を行っている施設が少なく、利用したくても「遠くて利用できない」ということもありますから、働きたい、働き続けたいママ・パパのためにも、今後、医療機関との連携の下、安心・安全に保育してもらえる施設が増えることを切に望みます。また、桜町先生がおっしゃったように、それぞれの地域で保育園・幼稚園、子育て支援団体や子育て支援サービス、医療機関、子育て中の親が連携を取って支援していける社会になることを望みます。

取材・文/NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ わかば

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