TOPぴっぴのブログ特集記事浜松の子育て支援レポート「産後ケア事業」で心身ともにリフレッシュ

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「産後ケア事業」で心身ともにリフレッシュ

産後ケア事業

約10か月をおなかの中で一緒に過ごし、待ちに待ったわが子の誕生!しかしホッとしたのもつかの間、すぐに慣れない授乳やおむつ替えに追われ、戸惑うことも多いです。「こんなに授乳が大変だとは思わなかった」「こんなに赤ちゃんが寝ないとは思わなかった」など、想定外のことが続き、最初の数か月は心身ともに疲れがピークに達します。
そんなときは助産師さんの力を借りてみませんか。浜松市では「産後ケア事業」で、生後4か月未満の赤ちゃんを育てるママをサポートしています。

「産後ケア事業」ってどんなもの?  

産後ケア事業

浜松市では市内の医療機関、助産院においてママの身体のケアや授乳指導、育児相談などを受けることができます。浜松市に住民票がある方なら、利用時にかかる費用の一部が浜松市から助成されます。

1)産後4か月未満のママと赤ちゃんが対象

利用対象者は、以下にあてはまる産後4か月未満のママと赤ちゃんとなっています。

  • 家族などから家事、育児等の十分な産後の援助が受けられない方
  • 体調不良や育児不安等がある方

2)母体ケアから育児相談まで内容は自由

プランの内容は自分で決めることができます。例えば、抱き方を教えて欲しい、沐浴に自信がないのでしっかり教えて欲しい、授乳が足りているか確認したい、または産後の身体を休めたいといった要望もOKです。

どのように利用するの?

1)利用日や時間を決める

ニーズに応じて、利用時間の長さやケアを受ける場所が変わります。2019年4月より短時間のデイサービス型と訪問型が拡充されたため、以前より利用がしやすくなりました。助成回数の上限はありますが、すべてのパターンを併用することも可能です。利用の形と日程が決まったら、施設に仮予約をします。

宿泊型・1日デイサービス:ゆっくり身体をやすめたい

長時間滞在することで、ママの体力回復が期待できます。夜の様子や、赤ちゃんの1日のサイクルも見てもらえます。
利用上限:計7日まで

短時間デイサービス:ピンポイントで利用したい/p>

比較的利用しやすい料金で、相談やケアの依頼ができます。内容により、時間を選ぶことが可能です。
利用上限:1回(1~2時間)

訪問型:家に来てほしい

助産師さんが自宅に来てくれるため、外出の手間がありません。慣れた環境で落ち着いて相談ができます。
利用上限:1回(60~90分)

迷った時は、産後ケア施設のスタッフと相談して、どの形で利用するか決めていくこともできます。宿泊型・デイサービス(1日・短時間)は医療機関10か所と助産院12か所が、訪問型は医療機関1か所と助産院24か所が産後ケアに対応しています(2019年6月現在)。

2)事前に申請が必要

助成を受けるには、あらかじめ申請が必要です。おおむね妊娠8か月以降で産後ケアの利用が決まったら、お住まいの区にある健康づくり課の窓口に利用者・配偶者または、その両親が申請書を提出します。
申請方法、利用料金など詳細はこちらをご覧ください。

産後ケア施設利用で子育てに自信を

産後のママは実際どのように利用しているのでしょうか。浜松市北区にある木村産科・婦人科に2019年4月オープンした、産後ケアセンター「1010HOUSE(トトハウス)」に行ってきました。産後ケアの専門施設の設立は静岡県では初めての試みです。こちらでは宿泊型・デイサービス(1日・短時間)の利用ができ、他病院で出産した場合でも利用は可能です。建物内には、短時間用の相談室や宿泊型で利用するケア用個室などが備えられています。

産後ケアのスタッフはママたちの心強い子育てパートナー

産後ケア事業(宿泊型のケア利用)

5月下旬、3泊4日で宿泊型利用しているご家族に会えました。井出瑠衣さん、浩一郎さんご夫妻と2月に生まれた双子の姉妹です。実家は遠くて頼れず、パパも育児を手伝うものの仕事が忙しく手が足りない状態です。生後3か月が経ち、ママもパパも一度ゆっくりしたいということで宿泊型のケア利用を決めました。

瑠衣さんはこの3か月、「毎日子どもたちの泣き声に付き合って、いっぱいいっぱいでした」と話します。外出もままならず、毎日悶々としていたそうです。ここに来て助産師さんたちから「よくやってるよ」「これでいいんだよ」という声をもらい、初めて自分の子育てが肯定された気がしたと言います。

産後ケア事業(助産師)

この日担当助産師の高宮さんは偶然にも双子ママの先輩でした。「この子たちが将来ママの味方になってくれるよ」などといった何気ない会話が励みになり、肩の力が抜けたようです。小さな赤ちゃんを育てていると、大人と何気ない会話をすることもままなりません。高宮さんと会話する時間は、ママにとってストレス解消の時間になっていました。

産後ケア事業(宿泊型のケア利用)

パパから見ても「ここに来て、ママも子どもも笑顔が増えた」そうです。夫婦ともに、子どもたちとじっくり向き合う時間ができたからでしょう。育児に積極的に参加しているパパならなおさら、仕事と育児に忙しい毎日を送っているのは、同じです。この産後ケアはマラソンに例えたら給水地点。ママとパパがここで少し給水を取ることで、また明日からの育児を頑張る活力にできるのではないでしょうか。

看護師長・助産師 池平さんからのメッセージ

産後ケア事業(助産師)

出産から退院までは約5日間。おっぱいの張り方は個人差があり、退院前日にようやく張ってくるというママも少なくありません。自宅に戻ってから、授乳がうまくいかず1日がかりになったり、慣れない育児で不安が募ったりと、精神的にも肉体的にも大きなストレスがかかります。 解消できるストレスは解放してあげたい。産後ケアの利用中に、子育てに関してこれでいいんだ!という自信をつけて、次へのエネルギーにしていって欲しいです。

取材を終えて

自分の産後も、赤ちゃんが泣くとすぐ授乳し、やっと終わったと思ったらまたすぐ泣きだして・・・の連続で、産後3か月までは外にもなかなか出られませんでした。幸せな出産後のイメージとギャップがあったことを思い出します。今回の取材で施設の対応や利用家族の笑顔を見て、この時期の産後ケアの必要性を改めて感じました。この事業について妊娠中から知っておくこと、準備しておくことが産後のゆとりにも繋がっていきます。
パパやおじいちゃん、おばあちゃんたちもママへのケアの必要性を十分理解し、この制度の利用を後押しすることが、その後の子育てにもプラスになっていくことでしょう。産前から産後まで途切れない支援を受けることで、安心して子育てできる環境になればと思います。 

取材・執筆/三浦貴子

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