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ワークライフバランスの新しいかたち Vol.1 一週間を夫婦でワークシェアリング

2011年までJリーグで活躍していた夫・島津虎史さん。現在は浜松に戻り、中学校講師のかたわら社会人チーム「ヴォラーレFC浜松」の監督として活躍しています。妻の順子さんと、家事&育児を分担。1週間の半分は虎史さんが中学校に勤務、残り半分は順子さんが働きに出るというスタイルをとっています。夫婦の会話を常に心がけ、お互いの生き方を大切にしながら、生活をしているおふたりにお話を聞きました。

1日単位でワークシェアするからこそ見えてくること

島津家

故郷である浜松に戻ってきて2年。1週間のうち半分を、虎史さんは2人のお子さんと過ごします。出社する順子さんを見送った後、洗濯や掃除。息子さんの相手をしながら家事をこなしていきます。非常勤講師として虎史さんが中学校に勤務する日やサッカーチームの練習の日は、妻・順子さんが家事と育児を担当しています。順子さんにとって、浜松は初めての土地。はじめは戸惑いもあったようです。 「ここに来てしばらくは専業主婦でした。友人もいなくて主人の帰りを待つだけの毎日。独身時代の私は毎日夜遅くまで仕事をしていて、頑張っただけ評価されていたのに、主婦業はやって当たり前。なんだか毎日が空しく過ぎていきました」。
そんなとき、虎史さんの勤務先が2校に増えるという話が。


虎史さん

「“非常勤講師の仕事を増やすなら、私がその分を働きたい”、とっさにパパに伝えました。パパは授業後も部活の練習を見て、その足でサッカーチームの練習に出かけます。おつき合いで夕飯を外に食べに行くこともしばしば。これが2倍に増えたらパパはますます多忙になってしまう。外で働いて母親以外の顔を持つことができたら、きっと気持ちをリフレッシュでき、育児ももっと楽しめると思ったんです」。
虎史さんは、順子さんの真剣な願いに耳を傾けます。「自分は好きなサッカーもやらせてもらっているし、ママにやりたいことがあるなら賛成して応援したいと思いました。結婚前、バリバリ働く姿が好きだったし」。ふたりでワークシェアするにあたり、同居のお母さんの負担にならないようになるべく夫婦で家事や育児をすることを決めました。


順子さん

「お義母さんは“順ちゃんが働きたいなら頑張って。私は協力するよ”と言ってくださいました。とてもありがたいです」と順子さん。実際、虎史さんが家にいる日は、食事の用意など家事のサポートをしてくれています。「義母は何でも相談できる存在。パパといる時間よりお義母さんといる時間のほうが長いから、すっかり家族です。パパとケンカしたことを相談することもあるくらい(笑)」。

この生活を始めてみて、夫婦お互いに発見がありました。虎史さんいわく「丸1日子どもと一緒にいることで、成長を実感できます。数時間育児を手伝うだけでは味わえない感覚です」。この経験は、中学校教師を目指している虎史さんにはかけがえのないものになるでしょう。順子さんも、「外で働くことは社会とつながって評価を得ること。満たされた気持ちになれ、帰宅後は感謝の心で子どもやパパに接することができます」と笑顔で語ります。

 

ふたりの才能をフル活用して、かなえていく夢

ヴォラーレFC浜松

虎史さんと順子さんには大きな夢があります。
それは、浜松にJリーグチームを作ること。虎史さんが監督を務める「ヴォラーレFC浜松」を昇格させるべく頑張っています。チームの運営に関する仕事も分担して対応。広報業務は、独身時代に営業経験がある順子さんが担当です。ここでも自然にワークシェアが行われています。

虎史さんは言います。「ママが、持っている才能を発揮してくれることで僕自身の夢も実現に近づいていくと感じています。現役時代はストイックに自分の目標に向かっていくことだけに集中していましたが、引退して新たな目標ができた今は、視野がより広がりそれまで見えなかった世界が見えてきました」。
順子さんも「ポジティブなパパの影響を受けて、私もまずは前に進んでみようと思うようになりました」と、いい影響を与え合っているようです。

もちろん、時には意見が合わないことも。そんなときはとことん話し合うのが島津家のルール。
「子どものことやお互いの仕事の仕方など、気になったことはすぐに相談。パパは私の話をしっかり聞いたうえで自分の意見を伝えてくれます。私と意見が合わないこともあるけれど、話し合った上で1つの結論を出すので私も納得できます」。と順子さんは語ります。

”未来”へのプロセスを見据えつつ、”いま”を楽しむ

虎史さんには人生のポリシーがあります。“ある夢を実現させるためには、いつまでに何をすればいいのか、ならば今日は何をすればいいのか”といういわば「逆算的思考」。夫婦のワークシェアスタイルも、そんな考え方から導き出されました。「この生活も、夢をかなえるためには必要なプロセス。正直、昼間に家にいることがちょっと後ろめたいな、と思うときもたまにありますよ(笑)。元サッカー選手というプライドもあるにはあります。でも今は次の夢に向かって進んでいるから、過去を引きずってばかりはいられません」。

現在のワークスタイルは、夫婦の「完成形」ではなくあくまで「過程」。ふたりのお話を聞いていると、自分たちが置かれた状況を冷静かつ自然に受け入れて、前向きに対応していくしなやかさを感じました。

取材・文責/NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ/ 鈴木亜希

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