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リユース子ども服、お得に気持ちよく使ってみよう!

子ども服展示

すぐにサイズアウトし頻繁に買い替えなければならない子どもの服、「お得に手に入れられたらな」と思う人もいるのではないでしょうか。その方法の一つに「リユース」があります。

環境省によると、2021年度の「ベビー・子供用品」の中古品・リユース品の市場規模は推計で212億円、2012年度の191億円と比べ10%ほど増えています。(出典:環境省 令和3年度リユース市場規模調査報告書)

背景には、この10年で一般的となったフリマアプリサービスがあげられます。またSDGs(持続可能な開発目標)の観点から、私たちの「物を長く大切に使う」という意識も高まっていると考えられます。おさがりやリサイクルショップといった従来からの方法に加え、最近では意外な場所にリユースコーナーがあったり、オンラインで入手したりできるようになりました。
今回はリユース子ども服の状況を知るため、フリマアプリ利用者と実際にリユース子ども服を取り扱っている場所を取材しました。

フリマアプリでちょっといい子ども服をお得に♪

メルカリで買った服

1歳児と0歳児のママの山口さんは、フリマアプリサービスのメルカリで子ども服を購入しています。もともと自分の服やバッグを購入していたこともあり、子どもの服も自然とメルカリで探すようになったと言います。

「子ども服はすぐにサイズアウトしてしまうので、大人の服と比べ1シーズンしか着ていない比較的状態のよいものが出品されていることが多いです。未使用品も出品されていますよ。私はミキハウスの服を探すことが多いですが、手ごろな値段で手に入れることができています。また子どもを連れて服を買いに行くのは大変なので、自宅にいながら買えるのも助かります」

何度か取引をすることでよく購入する出品者もでき、「まとめ買いをするから」と交渉をしたり、子どもの成長についてコメントを書くなど出品者と交流が生まれたりすることもあるそうです。子ども服の出品者は自分と同じ子育て中のママであることが多く、安心感もあると言います。
また、フリマアプリで服を探す際には「海外ブランドは袖やパンツ丈が日本人にとって長いことが多い」といったブランドの特徴を理解し、購入するブランドを決めておくとよいそうです。

「量販店で新品の服を安く買うこともできますが、すぐに伸びたりよれたりするものよりは、しっかりしたつくりの服を使いたいと考えています。また、その服を自分の子どもがサイズアウトしたら、また出品することもあります。もし購入金額と同じ値段で誰かが買ってくれたら、実質タダ(笑) フリマアプリには『自分がその値段で満足すればOK』という、独特の価値観があるなと感じています」と山口さんは言います。

こんなところにもある!子ども服のリユースコーナー

「実物を見て手に入れたい」というときは、お店や施設に足を運ぶことになります。浜松には子ども服やベビー用品を取り扱うリサイクルショップも多くありますが、今回は「こんなところにあるの?!」という場所を紹介します。

洗濯のプロが洗った服を必要な人に 浜松白洋舎篠ケ瀬店 『洗着(せんぎ)』

洗着

クリーニング店の浜松白洋舎篠ケ瀬店では、顧客が持ち込んだ子ども服を環境や肌に優しい生分解性の洗剤で洗い、1枚5円で販売しています。スタッフが業務の合間に洗濯・手アイロンをし、陳列しているこの取り組みは、古着ではなく「洗着」と呼ばれています。

活動のきっかけは会社の周年行事で上映した環境問題のドキュメンタリー映画で、クリーニング屋としてできることは何かと考えたことだと杉原社長は話します。

「着られなくなった子ども服を家で眠らせておくよりは、誰かに着てもらうほうが服にとってもいいですよね。そこに『洗う』というクリーニング屋らしさを取り入れました。ご縁がありますようにという思いも込め、価格は5円です」

また、子ども食堂や子ども服の交換会の開催者とも連携し、洗着を使ってもらっています。多くの人が利用することで、服をできるだけ滞留させずに本当に必要としている人に使ってもらうことができるそうです。

「自分にとっては着ない服でも、他の人は必要としているかもしれません。小さな取り組みですが、お客様や洗着を利用してくださる方の思いを大切にし、活動できたらと思います」と杉原社長は話してくれました。

楽しく「もったいない」の気持ちを育む 浜松市西部清掃工場・えこはま 『常設もったいないコーナー』

常設もったいないコーナー

 

えこはまの常設もったいないコーナーでは、家庭から持ち込まれた子ども服やおもちゃ、本を100円の寄付で3つまで持ち帰ることができます。

「持ち込まれたものは『自分ならほしいと思うか』の視点でチェックをし、必要に応じ清掃・点検をしています。例えば服なら、汚れやシミ、毛玉がないか、パンツのゴムが伸びていないか。丈が短すぎて園や学校には不向きといった、デザイン性を見ることもありますね。そのような場合は、スカートとレギンスを組み合わせるなどして展示しています。常設もったいないコーナー以外にも、年に4回開催するもったいない市に出すこともできます」と、自らも子育て中のスタッフ・高瀬さんは話します。

服は季節を少し先取りして陳列し、1枚1枚サイズを書いたシールやリボンをつけてサイズが一目でわかるようにしています。リユース品であっても、新品を取り扱うお店と同じコンセプトで次に使う人の手に届けているそうです。

「中には『子どもが気に入っていたものなんです』と言って持ち込む人もいます。また、子ども服やおもちゃを探しに来た人の中には、どれにするか、携帯電話で家族とやりとりしながら選ぶ人もいますね。エコやリサイクルと大げさに考えず、必要な物を『もったいない』の気持ちで使ってもらえるとうれしいです」と、話してくれました。

子育て家庭同士のゆずりあい ころころねっと浜松『リサイクルコーナー』

リサイクルコーナー

子育て支援団体のNPO法人ころころねっと浜松では、使わなくなった子ども服やベビー用品を引き取り、1つ50円で持ち帰ることのできる取り組みを行っています。売上は全額、ユニセフに寄付しているそうです。

「団体事務所にある子育て支援ひろばの利用者がよく使っています。同じひろばの利用者同士、リサイクルショップの服よりも安心感があるようです。また、ひろばを卒業した子が着ていた服を他の子がひろばに着て来ることもあります。『この服を着ていた○○ちゃんと、もしかしたら会っていたかもしれないね』と利用者と話をすることもあり、服を介したつながりと世代交代を感じますね。
子どもの入園のタイミングで『お世話になったから』と小さくなった服を持ってきてくれるママや、『お得に子ども服を手に入れられて、しかも寄付できてうれしい』と服を持ち帰るママもいます」と、スタッフの浅賀さんは話します。

利用者の間で「こんな服なら自分もほしいな」という思いが共有されているので、状態の悪いものが持ち込まれることは少なく、入園シーズンを中心に服の出入りの頻度も高いそうです。

取材を終えて

子どもはどんどん大きくなるので服の買い替えはしょっちゅう、しかも保育園に通っていると着替えを園に置いておく必要があり、かなりの枚数が必要になります。そのためリユース子ども服はずっと気になっていたのですが、リサイクルショップの服は誰が使ったのかもわからず、売り場もごちゃごちゃしていて抵抗がありました。しかし、今回の取材で訪れたリユースコーナーやフリマアプリの出品物は、そんなイメージを覆すものばかりで、どの場所にも「これほしい!」と思わせる物がありました。

それは、単に安い・お得というだけではなく、オンライン・オフラインを問わず「必要な人に大切に使ってもらいたい」という、前の持ち主や施設スタッフの思いが込められているからでしょう。
子ども服を介した様々な人の思いが伝わる、心があたたかくなる取材となりました。

取材・執筆/藤田 麻希子

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