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子どもを預けることについて、どう思いますか?
通院や家族の用事、自分の時間がほしいなど、子どもを一時的に預かってもらいたい時はありますよね。浜松市では2024年度から「こども誰でも通園制度」や「子育て支援ひろばでの預かり」が始まりました。子どもを預ける場所や制度は増えていますが、パパママは子どもを預けることについてどう思っているのでしょうか?たくさんのパパママが回答してくれました。
アンケート実施期間 2024年11月1日~30日
対象 パパママ
回答総数 342件
子どもを預けた経験のある人は3割ほど、実際に経験すると抵抗感は下がる
Q. 子どもを身内以外の人や施設に、一時的に預けたことはありますか?
保育園や幼稚園への日常的な通園以外で、子どもを実際に預けたことのある人は112人(全体の33%)となり、7年前に実施したパパママインタビュー時の割合(40%)を下回りました。子どもを一時的に預けられる場所は、保育施設の増加や新たな制度の開始により7年前よりも増えています。また実施施設の一覧や保育施設の一時預かり事業の空き状況を子育て情報サイトぴっぴで公開するなど、利用するための情報も増えているにもかかわらず、預けた経験のある人が相対的に減っているという結果となりました。
Q. 保育園や幼稚園への日常的な通園以外で、子どもを預けることに抵抗がありますか?
子どもを預けることに「抵抗がある」と回答した人の割合は全体の63%でした。子どもを預けることの抵抗感は、経験がない人は72%だった一方、経験のある人は43%と、実際に子どもを預ける経験をすると抵抗感は下がることがわかりました。
子どもを本当に預ける必要が無い時に、外部の支援を頼って預けることに抵抗を感じていました。しかし、育児をともにする人からの「たまには離れた方がお互いいい刺激になると思う」とアドバイスを受けて預けることにしました。利用する前は不安でしたが、利用後は「この子の成長には私1人の関わりではなく、多くの人が関わっているのだ」と感じることができ、広い視点で育児に取組むことができるようになったと思います。(1歳・妊娠中のママ)
事故の心配や子どもへの罪悪感が預けることを躊躇させる
Q. 預けたことがない理由を教えてください。
子どもを一時的に預けたことがない理由は、「知らない人や場所に預けるのが不安」が159人と最も多くなりました。コメントには、保育施設での事故や不適切保育のニュースを耳にし、不安に思う声が多く寄せられました。
また、利用するためには施設の空きを探して手続きをする必要があり、さらに初めての時は子どもを慣れない環境に置くことになります。「面倒な手続きをして子どもにかわいそうな思いをさせてまで預けるくらいなら、あきらめる」というパパママの姿が浮かびます。
保育園や幼稚園などで食事中の窒息事故や管理体制が不十分なことによる事故などがニュースで取り上げられており、短い時間だったとしても他人に預けるのが不安に感じるため。また、専業主婦で金銭的に余裕もないため難しい。(0歳のママ)
自分のやりたいことを優先して子どもを預けることに罪悪感がでてしまう。泣いてしまうなど迷惑をかけてしまったら申し訳なく感じる。自分がみていれば、抱っこしたりしてあげられるが集団だとひとりのためにやってもらうことはできないと思っている。以前、託児施設に電話したら1週間は埋まっているといわれた。必要なタイミングで預けられなかったため諦めた。(0歳のママ)
預けたことのある人はリフレッシュ目的で利用している人が多い
Q. 預けた理由を教えてください。
子どもを預けた理由は「リフレッシュ」が最多となりました。子どもを預けた経験のある人は、講座や習いごとなども含め、自分の時間をつくるためにサービスを使っていることがわかります。
Q. どんなサービスを利用したことがありますか?
実際に利用したことのあるサービスは「保育施設の一時預かり事業」が最も多くなりました。また、アンケート実施時の2024年11月は「子育て支援ひろばの預かり」が始まって1か月の段階でしたが、7月に始まった「こども誰でも通園制度」よりも利用者が若干多い結果となりました。
10月から子育て支援ひろばでの預かりが開始されたので預けたところ、子どもがとても楽しそうに過ごしてくれたのが表情からもわかり、親も休息できて助かりました。市内の保護者からかなり需要があると思うので、今後利用できる施設や時間が増えてくれれば、もっと子育てしやすい環境になるのではないかと思います。(0歳のママ)
誰もが利用したい時に安心して利用できるように
余裕をもって子育てをするためにも「子どもを預かってもらいたい」という思いと、「安全面の不安や子どもへの罪悪感」の間で多くの人がゆれていることがわかった今回のアンケート、そんなパパママが一歩を踏み出すためにも、より利用しやすい環境や預かっている間の情報提供などが求められます。
初めて預ける時は不安だが、預け先で子どもが楽しく過ごしているのを見ると安心する。子どもと離れると母親としての自分ではなく、本来の自分を取り戻せる気がする。預けることができたのは1歳の頃に少しだけだった。一時保育を希望しても断られるのが当たり前の状態だった。一人で子育てするのは限界を感じるため、このまま社会で一緒に子育てをする環境を作ってほしい。(小学生のママ)
結局一時預かりだと、子どもにとっても初めましての場所、人にいきなり引き渡されて不安だと思うし、預ける際に子どもに泣かれると心置きなく預けられないと思うので、就業のありなしに関わらず希望者はみんな定期保育できる制度が早く整い、気軽に利用できる世の中だと良いと思う。(2歳のママ)
近くに頼れる人がいない場合、短時間でも預かってくれる場所があるのはとてもありがたいですし、心強いです。ただ預ける場合、子どもがそこでどんなふうに過ごしているのかは気になります。また周りの大人がどんなふうに子どもに接してくれているかも気になるので、利用する施設には、預けていた間の様子などを詳しく教えてほしいと思います。(1歳のママ)
上の子の用事や、事務手続き等の他にも息抜きでも気軽に利用できたら嬉しいです。たとえ一時的な預かりだとしても、その預け先を見学したり預ける前に遊びに行けると親子共に安心できるかと思います。(5、1歳のママ)
アンケートに答えてくれた人(342人)
まとめ
結果からは「子育てを手伝ってくれる人がおらず身体的にも精神的にも余裕がないが、保育施設の事故のニュースを耳にして、子どもを預けることに対しさらに二の足を踏んでしまう」という、パパママの「孤育て」が見えるものとなりました。
施設や制度は増えていても当のパパママが尻込みをしている、それなのにいざ利用しようとすると予約ができず手続きも大変…と、一時保育の制度や状況はどこかかみ合っていません。一方で、子どもを預けたことのある人からは、親の心配をよそに子どもが楽しく過ごしていた、成長が見られたという、子どものたくましさを感じさせる意見もありました。
子どもの成長を見守ってくれる人は多いほうがよいに越したことはありません。初めての場所や人に預けるのは親にとっても子どもにとっても勇気のいることですが、様々な経験や出会いを通して子育てを手伝ってくれる人が1人でも増えることを願ってやみません。
自分の時間が欲しいですが、どうしても自分のリフレッシュを理由に子どもを預けることに抵抗があります。知らないところに預けるのは、子どもにとって多少なり負担をかけることになると思います。通院やどうしても外せない用事以外で、そんなことを自分の気分転換のためにしてもいいのか。そんなことをしたら親失格ではないか。そんなふうに考えてしまいます。子どもに申し訳ない気持ちになってしまいます。(1歳のママ)