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「すまい手」としての視点を会社の強みに アキュラホーム浜松支店

アキュラホーム

女性の社会進出が進んでいるとはいえ、まだまだ男性優位の業界や企業が多いというのが実際のところです。建築・住宅業界もそのひとつで、業界で働く人の男女比率は9:1ともいわれています。
そんな中、女性スタッフが半数を占めるという住宅メーカーが「アキュラホーム浜松支店」です。設計やインテリアコーディネーター、現場監督に至るまであらゆるポジションに女性を登用。そんな彼女たちが中心となって作ったモデルハウス「ママ・クチュール」は、第9回キッズデザイン賞を受賞し話題となりました。女性がのびのびと自分の力を発揮し、結果を出せる環境とはどのようなものなのでしょうか。さっそく、支店長と2人の女性スタッフにお話を聞きました。

女性が活躍すると売り上げが伸びる!

アキュラホーム

ママ・クチュールのプロジェクトは、「“住まい手としての感性”を持つ女性の力を、最大限生かしたい」という前原支店長の強い思いから始まったといいます。
前原さんは浜松に赴任する前、全国の系列工務店を回る業務を担当していました。そのとき目にしたのは、女性が営業職などで活躍している工務店ほど活気があ り、売り上げも上がっているという事実。「一般的にこの業界はまだまだ旧態依然で、“いかに大きく豪華な建物を売るか”というのが主流。ですが地方で活躍 している女性たちは、地域に溶け込んできめ細かく消費者のニーズを引き出すことで結果を出していました。それを見て、この業界は女性の感性が生かされてこ そ発展するのだと確信しました」。

そして今から2年前。支店長になったタイミングでその考えを実践に移します。そのひとつがママ・クチュールでした。「女性の社会進出が進む一方、家事や育児に費やす時間には依然として男女差があるのが現状です(※)。平成22年の国勢調査によると浜松は共働き率が高く政令都市の中で第2位。現代の共働き事情を考えたとき、働く母親が楽に暮らせる家を提案したいと思いました。そしてせっかくやるなら、思いきって女性だけのプロジェクトで理想の家を作ってみたいと思ったのです」

さっそくメンバーを募り、7名の女性(うち3名が子育て中)によるプロジェクトが発足します。設計、インテリアコーディネート、営業、工務などその道のプロが集結。女性のみのプロジェクトは、全社的にも初めての試みでした。

花開く女性のアイデア。そのカギは男性のバックアップ

アキュラホーム浜松支店

女性スタッフにプロジェクトスタートの様子を聞いてみると、7名の初仕事はなんと「女子会」。今まで公私ともに見てきた家で“いいな”と思った間取りやアイデア、設備などをざっくばらんに話し合うことから始めました。それらの意見をチーフデザイナーの男性がまとめながら間取りを作っていきます。何度も話し合いを重ね、その都度デザインを描き直してもらいながら形を決めていきました。

そう、このプロジェクトの中心はあくまで女性ですが、支店長やチーフデザイナー、営業課長など「男性の存在」も大きなポイントとなっています。女性がおしゃべりを通じて次々と生み出していくアイデアを、タイミングよくすくい上げたり見守ったりする役割を担っていました。
メ ンバーのひとり、設計担当の荒木さんは言います。「自分たちの理想の家を作っていくような気持ちでアイデアを出し合いました。支店長からは“はじめは予算 のことは考えず、まずは自分たちのほしい家を作ろう”という言葉があったので夢がふくらみましたね(笑)。もちろん7名それぞれは住宅のプロですから、その目線をお互いに尊重しながら練っていきました。間取りが決まり、予算や仕様など内容が固まっていく節目ごとに、課長からは“いいね、ここはこうしたら?”などのフォローが。安心して進めていくことができました」。

一方、支店長は提案されたアイデアを見て、具体的かつ合理的なその間取りに驚きます。「収納の多さには正直びっくりしました(笑)。でもこれが、働く女性 のリアルな希望なのだなと。生活のプロである彼女たちの意見を信じて見守りました。」社員を信用したというより、彼女たちの“すまい手としての感性”を信 じたということなのかもしれません。

きめこまやかな制度&職場の温かな雰囲気

アキュラホーム

女性ならではのアイデアを自由に表現できるアキュラホーム。その社風はどのように育まれているのでしょか。
第3子を妊娠中の荒木さんは、「浜松支店で育休を取ったのは私が初めて。5年前のことでした。復帰後、子どもがよく熱を出して早退やお休みが多かったとき、みんなが心配してくれてとてもうれし かったです。中でも先輩パートママがかけてくれた“大変だよね、わかるよ~!”という言葉に救われました。」女性社員だけでなく男性社員も気遣ってくれて、社内の雰囲気がとても温かかったそう。第2子、第3子と安心して産む気持ちにつながったといいます。

「わが社では、新卒採用の約半数が女性です。そして女性が安心して働き続けられるよう、さまざまな制度を設けています」とは広報担当の髙橋さん。時短勤務、出産祝い金の支給、また育休中の社員への情報誌送付など、産後スムーズに職場へ戻れる環境が整えられているそうです。
実は髙橋さん、現在第1子を妊娠中。「個人的には、荒木さんのような先輩がいてくれることが心強いです」と語ります。制度が整っていることはもちろんですが、実際に子育てしながら働く先輩ママが前例を作ってくれることで、次に続いていく女性社員が増えていくのでしょう。働き続けたい女性をハード面とソフト面の両側からバックアップしてくれるので、安心して仕事と育児を両立することができるのですね。

会社概要

アキュラホーム

株式会社アキュラホーム
1978年埼玉県にて創業。東京本社を中心に全国11か所に支店や事業所を展開する。
子育て世代が暮らしやすい住宅を提案するほか、自身も4人の子どもに恵まれた社長宮沢俊哉氏の意向で、2008年より社員への出産祝い金「しあわせ一時金」制度を実施。勤続1年以上の社員に対し1人目30万円、2人目50万円、3人目以降は100万円を支給し、子育て世代が働く環境を経済面でも応援している。

アキュラホーム浜松支店
所在地 :浜松市西区志都呂一丁目37番1号
URL:http://www.aqura-hamamatsu.jp/

取材を終えて

「女性活用」と昨今よく聞きますが、この言葉にはどことなく上から目線、“女性を使ってやる”という男性中心社会の本音が見え隠れしています。女性は資源でもないし、“使われる”ものでもありません。
その点、アキュラホームの前原支店長は女性社員たちを「すまいのプロ」として尊重し、仕事を任せることで女性の持つ力を引き出しています。一方、彼女たちは仕事を通じて自己を表現し、それが結果的に会社の利益につながりました。トップである支店長が女性社員に対して対等な思いで接することで、ほかの男性社員も自然と同じような感覚になるのでしょう、支店全体がとても朗らかで明るい雰囲気だったのが印象的でした。

折しもこの夏、「女性活躍推進法」が成立。従業員301人以上の企業に、女性の採用比率や管理職に占める女性の割合などについて、行動計画の策定や情報公開が義務づけられました(中小企業は努力義務)。2020年までに女性の管理職を30%に引き上げる「202030運動」という言葉もここのところよく聞かれます。
このような制度がつくられることはもちろん重要です。でももっと大事なのは、エリートでも管理職候補でもない“大多数のふつうの女性たち”が、それぞれのペースで能力を発揮できるようなしくみ作りではないでしょうか。そしてそのカギを握るのは一緒に働く男性たちの対応。消費者として確かな目を持つ女性の力を各企業が生かせれば、今後労働力が減っていく日本を力強くバックアップするパワーになることはいうまでもありません。

取材・文責  NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ/ 鈴木亜希

<参考記事>
子連れでおでかけ「モデルハウス ママ・クチュールを見学

<参考資料>
(※)総務省「平成23年社会生活基本調査」3ページ(4)家事関連より

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