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産後のママに安心を「こんにちは赤ちゃん訪問事業」

こんにちは赤ちゃん事業

産院から自宅に戻ると、いよいよ赤ちゃんとの暮らしがスタートします。日々成長していくわが子を見るのはとても幸せな時間です。でも、初めての子育てにとまどうママも多いはず。浜松市では、そんな出産間もない親子のために「こんにちは赤ちゃん訪問事業」を行っています。「それってどんなことをするの?」と気になっているママのために、訪問の様子を取材してきました。

こんにちは赤ちゃん訪問事業って?

「こんにちは赤ちゃん訪問事業」は、子どもを産んだばかりの親が安心して楽しく子育てできるようサポートするための事業です。

  • 訪問を受ける対象
    生後4か月までの赤ちゃんがいる浜松市内すべての家庭です。
  • 訪問するのは
    区役所などに勤める保健師さんや、浜松市助産師会所属の助産師さんです。
  • 訪問までの流れ
    母子健康手帳に添付されているはがき「出生連絡票」を赤ちゃんが生まれた後に提出します。はがきがお住いの区役所に届いた後、訪問を担当する保健師さん・助産師さんが各家庭に電話し、訪問の日時を決めます。出生連絡票はインターネットからも届け出ができます。
  • 出生届・出生連絡票

保健師さんがやってきた! 

~生後3週間で訪問を受けたあるママの場合~

日程が決まったら、いよいよ保健師さん・助産師さんの訪問です。今回取材したのは中区に住む佐川さん親子。赤ちゃんのみさきくんは生後3週間です。

お出迎え

自宅玄関の呼び鈴が鳴り、保健師さんが、大きなバッグを持ってやってきました。バッグには赤ちゃん用の体重計などが入っています。

チェック中

まずはママと保健師さんとで母子健康手帳をチェック。妊娠中や出産の様子、産後の体調の経過について話します。さらに、予防接種や乳児健診のスケジュールの確認も。また、かかりつけ医についての相談にも乗ってくれます。

アンケート中

ここでママにアンケート用紙が渡されます。アンケートは3枚あり、産前産後のママの気持ちや体調、パパの子育て参加、いざというときに頼れる親類、友だちはいるかなどの質問があります。保健師さんはアンケートの回答からママの悩み、困っていることについてアドバイスをします。

相談中

続いて、赤ちゃんの様子をみていきます。現在のみさきくんの顔にプツプツと湿疹があることが気になっていたママ。保健師さんに質問して、沐浴の際の洗い方や、ローションなどを使った保湿方法について聞くことができ、ホッとしたようす。また、1日の授乳回数や授乳方法(母乳かミルクか)、ウンチの回数や色なども確認しました。

測定中

そして、赤ちゃんのご機嫌をみて身長・体重・頭囲・胸囲の測定をします。測定の結果は母子健康手帳の成長グラフに照らし合わせて確認。測定の結果、すくすくと順調に成長していると分かってひと安心です。また、ママの血圧も測ります。産後なかなか血圧が下がらないママもいるので、ここでチェックするのだそう。

資料

各区役所や保健センターなどで行っている「親子すこやか相談」の紹介や、「離乳食教室」「もぐもぐ元気っこ教室」「ブックスタート」など、1歳までに行われる講座の案内、4か月までの赤ちゃんの成長のしかた、ママの心身について記したガイドなどの資料が手渡されて、訪問は終了です。

佐川さん親子への訪問はこのよう流れでしたが、訪問先のママの体調や赤ちゃんの様子を見ながら内容や順序を考えて対応してくれるそうです。約1時間の訪問中、ママも赤ちゃんもニコニコ。終始なごやかな雰囲気で行われました。

~訪問を受けたママの感想~

ママと赤ちゃん

退院後、1か月健診まで間があいているこのタイミングに訪問していただけてよかったと思います。
授乳や赤ちゃんの肌の状態、室温などの環境についてわからないことも多く、不安もあったのですが、経験豊富な保健師さんにアドバイスをいただけて良かったです。ひとりで育児書を読むのとは安心感が違いますね。また、産後何かと神経質になっていましたが会話の時間を持つことでリフレッシュできました。(談:みさきくんママ)

なかなか外出もままならない時期ですが、専門家に心おきなく話をすることでずいぶんママの気持ちが軽くなるようです。

保健師さん・助産師さんたちは、出産後のママたちをどのような想いで訪問しているのでしょう。中央保健福祉センターの保健師さんにお話を伺いました。

赤ちゃんのこと、自分のこと。なんでも気軽に相談を

保健師さん

新しい家族が増えてうれしい反面、不安なこと、大変なことも多いと思います。「なぜ泣いているのかわからない」「おっぱいは足りているかしら」など悩みはさまざまです。また、今はインターネットなどで簡単に多くの情報が手に入るため、何を信じればいいのか逆に悩んでしまうこともあるようです。
赤ちゃん訪問では、ママが気になっていることを気軽にお話しください。相談の内容によっては、電話や訪問、あるいは他の機関を紹介するなどの支援をしています。
悩みをひとりで抱え込まず、自信を持って子育てできるよう、サポートしていきたいと思っています。

(談:中央保健福祉センターの保健師)

専門家による継続的なサポートを実施

自宅で保健師さん・助産師さんとお話できる赤ちゃん訪問以外にも、各区の保健センターなどで実施している「親子すこやか相談」で、育児や母乳等に関する相談をすることができます。体重・身長などの測定結果も母子健康手帳に記録してくれるので、赤ちゃんの成長具合がよくわかります。
また「こどもの体や心の電話相談」で相談をすることもできます。

取材を終えて

出産直後から、右も左も分からず取り組む子育て。現代ならではの子育て環境の中でとまどいを感じるママも少なくないと思います。また、産後はどうしても家にこもりがちになるため、保健師さんと「会う」、「話す」ことができるだけでリフレッシュできるものです。話すだけではなかなか引き出せない悩みも、アンケートを取ることでママが孤立するのを防ぐ、または早期に発見する手がかりとする、といったように、ママと赤ちゃんが安心して暮らしていけるようにさまざまな工夫をこらした、すてきな事業だと改めて実感しました。地域のコミュニケーションが少ない昨今、この事業を通して浜松で安心して「子どもを産める、育てられる!」と自信がもてる妊婦さん、ママが増えるといいなあ、と思います。

取材・執筆/和久田南香

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