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山本エコロジーサービス 地域とつながる活動

浜松市が平成22年に制定した「浜松市子ども育成条例」。未来を担う子どもたちを社会全体で育成していくために、市や保護者、学校や市民などの役割を示しています。この中に「地域社会において、子どもの考えや行動に関心と理解を持つ」という条文があります。

いち企業として、この理念を実践しているのが今回お邪魔した「山本エコロジーサービス」。ゴミの収集やリサイクルなどを行う会社です。一見、子育てとは関連が薄い会社のように感じられますが、どのような活動をしているのでしょうか。平川社長にうかがってきました。

登校時の旗振り活動

旗振り活動

「この活動を始めたのは6年前。会社というものは、地域のみなさんとともに歩んでいくべきだと常々感じていました。そんなときにひらめいたのが旗振 り活動。これなら社員全員で取り組むことができるのではないかと思いました。近所の子どもたちに、私たちの会社を身近に感じてもらいたかったという気持ち もありました。ちなみに、子ども育成条例のことはまったく知らなかったんですよ(笑)」と平川社長は語ります。

朝7時30分。山本エコロ ジーの社員が2人1組になり、浅間小学校の通学路に立って旗振り活動を始めます。登校する子どもたちに「おはよう」と声をかけて横断歩道の安全を確保。子どもたちが安全に通学できるように気を配ります。浅間小の通学路は交通量が多くて道もあまり広くないため、この活動は学校や保護者の方々からも喜ばれているようです。子どもたちと元気に“おはよう”と声をかけ合ううちに顔見知りになり、笑顔が自然とこぼれます。

旗振り活動

実はこの活動、社員のボランティアではなく業務の一環として行われています。「ボランティアにすると社員に負担がかかるでしょ。だったらきっちり仕事の一部にしてしまおうと。当番の日は始業時間を早め、その分仕事が終わる時間も繰り上げているんです」。このようなスタイルをとったことで各自が無理な く、しかも責任感を持って活動を継続できるようになりました。

旗振り活動には意外な効果がありました。それは社員の安全運転に対する意識が高まったこと。「歩行者の目線に立つことができるようになりましたね。走ってくる車に向かって旗を振るって、やはり怖いものです。止まってくれないと自分たちがぶつかるわけですから。朝そんな思いをしているので、日中トラックを運転している際には“気をつけよう”という気持ちが自然とわいてくるのだと思い ます」。

環境教育もユニーク

さつまいも収穫体験

昨今「環境教育」という言葉が聞かれるようになりました。リサイクルへの関心も高まっています。そんな中で山本エコロジーは学校での環境教育にも積極的に協力しています。

「浜松市のごみ処理の現状やリサイクル体験などは、言ってみればわが社の専門分野。子どもたちからゴミ回収や、リサイクルに関する質問にお答えしたりしていま す。またわが社では、回収した生ごみから作った堆肥を使ってさつまいもなどを育てているのですが、その収穫体験なども。交流が深まっています」。

また、継続的に行われているのが浅間小のペットボトル回収です。家や通学路などで見つけたペットボトルを子どもたちが集め、定期的に山本エコロジーのトラックが回収。6年生が卒業する際、ペットボトル再生品の文具(定規など)を卒業記念品として贈っているそうです。

先生・保護者・企業…子どもを見守るトライアングル

平川社長

このような活動は学校や保護者からも感謝され、平川社長は江西中学校区の学校評議員を務めたこともありました。

「旗振り活動を始めたこ ろは、こんなに密な関係が生まれるとは予想もしていませんでしたね。でも結果的に子どもたちや地域のみなさんとつながりが持てて、本当にありがたいと思っています。会社の近くをぼくが歩いていると、“あ、社長さんだ!”と子どもたちが声をかけてくれることもあるんですよ」。

地域のつながりが希薄と言われて久しいですが、先生でも保護者でもない、地域の“第3の目”が子どもたちを見守ってくれているということは、非常にありがたいことです。

 

会社概要

株式会社山本エコロジーサービス

株式会社山本エコロジーサービス

一般ごみやフロンガス、産業廃棄物の回収とリサイクルを行う会社。3年ほど前に「エコマイスター制度」を発案。廃油の回収、廃棄食品のリサイクルなどに協力する店舗や企業を認定し、リサイクルの輪を広げています。


本社:浜松市中区神田町758
電話:053-442-5300
URL:http://www.yamaeco.com/

取材を終えて

山本エコロジーのように、子どもを通じて地域とのつながりを大切にする企業が増えればいいなと思いました。不景気の昨今、利益を第一に考えたら社会貢献をする余裕がない会社も多いかもしれません。ただ、会社も地域社会の一員。地域に貢献し、そこに暮らす人々の理解と支持を得ることは会社にとってもメリットがあるはずです。

山本エコロジーの場合はそれが「旗振り」でしたが、それぞれの会社によってできることはもちろん違うでしょう。会社の個性を生かし、子どもたちの育ちを支える活動がもっともっと活発になることを願っています。それは子どもたちの成長だけでなく、会社そのものの成長にもつながっていくのではないでしょうか。

取材・文責 はままつ子育てネットワーク ぴっぴ/鈴木 亜希

浜松市子ども育成条例について

浜松市の未来を担う子どもを、市、保護者、学校等、事業主、子ども育成団体及び市民が連携し、社会全体で育て守っていくことを目指し、平成22年に浜松市子ども育成条例が制定されました。
その中で、家庭や地域において、それぞれの立場で、子どもとのふれあいやコミュニケーションを深める目的で、毎月第3日曜日から始まる1週間が「はままつ子どもふれあい週間」と定められています。

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