ぴっぴの防災ブログ
防災に関するぴっぴの活動紹介や報告、防災豆知識、おすすめの防災グッズや図書などを紹介します。
- 2016年11月25日防災豆知識
皆さんはテレビのリモコンについている<dボタン>を活用していますか?
ボタンを押すと、NHK、民放各局など、見ている局のデータ放送の画面が現れます。
ニュース放送の時間を待たずとも、全国ニュース、ローカルニュースを選んで見ることができます。気象情報では3時間ごとの予報、週間天気、警報・注意報の有無を発信しています。さらに便利な機能として、他の都道府県の情報を同じく得ることができるのです。たとえば、旅行や出張先の気象情報を、1週間分知ることができるのですからとても便利です。
また、地震・台風などの災害情報や全国各地の主な河川の水位状況も調べることができるので、活用すれば早めの避難につながることが考えられます。
ニュース・気象情報・スポーツ・テレビ番組などの分類は局によって違いますが、パソコン・携帯などのインターネットを使わなくても、普段見ているテレビの画面から、いつでも視聴者が必要に応じて選択し、情報を得ることができるので、日常生活での活用は勿論の事、災害時にはさらに役立つと思われます。
<dボタン>是非、試してみてください。
<やまねくん>
- 2016年11月23日講座・講演
11月13日(日)、日本郵政グループ労働組合の依頼で、防災講座を行いました。
地震や津波が起こるとどうなるのか?そして、それにどのように備えればよいのか?というお話をしました。
「備え」というと、「役立つものを備える」ということを想像する人が多いのですが、「いざという時に役立つ知識」を持つように備えておくことも大切です。防災講座を受講する時には、「こんなこともあるのか」「意外にもそんな風になるのか」という新しい発見があることで、いざという時に役立つ知恵を身につけておくことで、いざという時に冷静に判断して行動することにつながります。災害時には、男女共同参画の視点が大切です。
東日本大震災後、「避難所生活をしている人は、同じ被災者であり、ひとつの大きな家族だから、避難所に届いている仕切りを使うことはやめよう」という避難所があったそうです。
しかし、着替えをする時や、おむつ交換する時、授乳する時など、やはり仕切りを使いたい、あるいは、専用の部屋を用意してほしいということはあります。そのような思いや声を、避難所生活をしているもの同士で伝えられることが大切です。
いざという時にどのような避難所運営が良いのかを考えておくことは、自治会の役員や行政職員だけが考えることではなく、日頃から、ひとりひとりが考えておく必要があるのではないでしょうか。「考えておくこと」も備えのひとつです。
いざという時に役立つ知識は、日常生活の中にたくさんあります。「これは役立つな」と気づくためには、「どこかに役立ちそうなものはないかな」と思いながら見てみることも大切ですね。そしてぜひ、身近な人たちと、有益な情報を共有してください。(わかば)
- 2016年11月19日ぼうさいぴっぴ
「世界津波の日」である11月5日、各地で防災イベントが催されていました。
ぴっぴではこの日、内閣府と三重県松阪市が共催した『内閣府・松阪市防災訓練』イベントの依頼を受け防災ワークショップを掲げて参加。
また、地元では「地震が来たらアナタはどうする?まなぼう!つくろう!体験しよう!」ということで、中区広沢小学校に通う親子を中心に蜆塚中学校区にお住まい方、地域の自治会、自主防、健全育成会の皆さんが合同で行った研修会に講師として講話とワークショップを行ってきました。
ここでは、地元で行われた研修会についてお話をします。「地震が来たらアナタはどうする?!」とした講話。東日本、熊本地震でのヒアリング等を踏まえ、そこで被災された方々が、困ったことやたいへんだったと考えられることをピックアップして講話の中身としてお話しました。
その後は、ぴっぴが東日本大震災から得た教訓をもとにして制作した紙芝居を。そして、新聞紙でスリッパ、ごみ袋でカッパを作り、それを身につけて、瓦礫に見立てた卵パックの上を歩きました。
参加者にとっては、講話もいいけど、個々で作る防災グッズ作りがいちばん楽しい様子。それぞれがスリッパ、カッパを周囲のPTAの役員さんたちにサポートされながらにぎやかに作っている姿が一番楽しそうでした。
災害時は何もかも失くしてしまうかもしれません。そのために、例えば、身近にあるもので身を守るものをつくるというような知恵を働かせる訓練、そして地域や身近な人とのつながりを深めることが今後のキーになってくるのではないでしょうか。ぜひ、楽しみながらも(たいへん、怖いと思っていたら参加できません)こうした機会に触れあって欲しいと願っています。
<Hiro>
- 2016年11月11日ぼうさいぴっぴ
11月5日は「津波防災の日」。全国各地で防災関連の訓練や催しがありました。三重県にある大型商業施設“松阪ショッピングセンター・マーム”でも「平成28年度内閣府 松阪市地震・津波防災訓練」が開催されました。地域住民の津波避難訓練に始まり、続いて防災ヘリによる救出訓練や消防隊の放水訓練も行われるなど、大規模な訓練です。この訓練に、ぴっぴも協力出展しました。
と言っても、ヘリ訓練に参加したのではありません(笑)。ブースにぼうさいぴっぴのメニューをいろいろ用意し、来場した皆さんに希望のものを選んで体験して貰いました。これまでの開催地でも人気のあった「カッパ作り」「スリッパ作り」はもちろん、出張開催は今回が初めてとなる「バンダナを使ったワークショップ」、そして防災紙芝居の上演も。
子育てファミリーから地域の自主防災隊まで大勢の市民の皆さんが、いろいろなメニューを体験してくれました。
よく知られるようになった新聞紙スリッパも、こんなアイデアを加えてくださった参加者さんが…!「身近なもので工夫し、避難生活を乗り越える」というコンセプトをたくさんの方と共有でき、ぴっぴもパワーをいただきました。
自衛隊や消防など、災害救助の第一線で活躍する組織の訓練はすばらしいもので、それらを見ると「災害時はプロが助けてくれる」と思ってしまうかもしれません。ですが、実際に大規模災害が起きたら、自分の命をまず守ることができるのは自分、そして助け合う心を持った地域の人々です。訓練に参加した方々が、そうした気づきを持ち帰ってくだされば、とても嬉しいです。
今回お招きくださった松阪市、そして地域住民の皆さん、ありがとうございました。
(ずきんちゃん)
- 2016年11月9日講座・講演
10月28日(金)、島田市金谷小学校のPTA依頼により、PTAふれあい講演会「防災・災害時における親子の絆」というテーマで、お話をさせていただきました。島田市の金谷小学校のPTAの代表の方と告知チラシから講演内容まで何度かやりとりをさせていただき、当日に至った講演会です。
この講演のきっかけとなったのがNHKのニュースです。放送された島田市の防災講座の様子を見て、PTAの方が「これだ!」と思ったからだと伺いました。NHKのニュースで流れた防災講座は、ぴっぴのWebサイトで防災講座の様子を知った島田市から依頼があった講座です。つまり、活動を発信することがどれほど、広く活動を広めるのにたいせつかということがよくわかるできごとでした。
金谷小学校は広域のためバスで通学してくる子どもたちもいるそうです。当日前後は、晴天が続いていたのに、本番の日はあいにくの雨。参観会後の講演会でしたが、保護者は車での参観会参加が多く、晴天ならば運動場に駐車できるのですが、雨天の場合、駐車はできないということで、かなり参加者が少なくなったということでした。
島田市金谷は、大井川鉄道があり、蒸気機関車が走るのでも有名なところです。どちらかというと山あいです。南海トラフなど地震が起きれば、津波の被害はなく、土砂災害を考えた方がいい地域です。しかし、東日本大震災のときのように、地震が起きた時間帯は昼間だったことから、どこで被災するかはわかりません。
家庭で、外でどんなところに気をつけておいたらよいか、被災直後、被災後に起きることなど、経過を踏まえて4月に起きた熊本地震を例にお話しました。また、身近でできる防災グッズなども講演会で紹介をしたところ、終了後に参加者の方々が集まって来られて写真に撮ったり、実際に作り方を聞いたりして行かれる方も。
実際にメディアの中では聞かれない話も聞けてよかったと参加者からも言っていただけた講演会でした。
<Hiro>
- 2016年11月5日防災豆知識
昨年、国連は、東日本大震災のあと日本で制定された「津波防災の日」の11月5日を、「世界津波の日」と定めました。
国連の新たな開発目標が自然災害の被害を減らすことを目指しており、各国が津波の早期警報システムなどを整備する重要性を強調し、今後は啓発活動などを取り組んでいくことになります。
東日本大震災は3月11日なのに、どうして11月5日なのかというと、「稲村の火」に由来します。
「稲村の火」というのは、嘉永7年11月5日(1854年12月23日)の実話からできたお話です。津波が紀伊半島から九州まで襲ったという「安政南海地震」の時に、紀伊国広村(現在の和歌山県有田郡広川町)の庄屋の浜口儀兵衛(梧陵)が機転をきかせ、収穫したばかりの稲に火をつけ、村人たちに火事が起きたと思わせて高台に避難させ、命を助けたというものです。津波!!命を救った稲むらの火posted with amazlet at 15.12.23小泉 八雲 高村 忠範
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ここから、平成23年6月に「津波対策推進法」が成立した際、国民に津波対策について関心と理解を深めるために、11月5日を「津波防災の日」としていたのです。これを日本が国連に提案し、全会一致で採択されたのです。
東日本大震災後、まだまだ被災地では、元通りの生活に戻れていない地域や人たちがたくさんいます。「東日本大震災」という災害を、他人ごとではなく自分事として、これからも機会があるたびに思いだし、自分にできることを考えていきたいものです。
そのきっかけのひとつとして、「世界津波防災の日」を、みんなで津波防災について思いだし、備えるきっかけにできると良いですね。(わかば)
- 2016年10月31日本の紹介
東日本大震災の際には、家屋だけではなく、商店や会社のビルなども、多くの被害をうけました。商店などの場合は、店主に再建の問題が立ちはだかります。
その中でもこの本は、書店の再建のドキュメンタリーです。岩手、宮城、福島の3県では、書店の約9割が被災したそうです。
さて、みなさんは、書籍は被災後の生活の中で必要だと考えますか?大災害が起こってすぐは、水や食料もままならず、生命を維持していくために必要なものが最優先となります。発災後3~4日経つとやっと支援物資が届くようになり、避難所生活を継続する人と、自宅に戻る人が出て来ます。避難所では、ルールなどが決められ、水や食料の供給がスムーズになっていくと、それ以外に必要なものなどが要望としてあげられるようになっていきます。東日本大震災後、そのような状況の避難所で、わずかでも本や雑誌などが置かれているのを見た出版取次会社である中央社の斉藤さんは気づきます。「ここでは本が必要とされているんだ」と。
ただでさえ、やめてしまう書店が多い中、被災し、さまざまな事情を抱えながらも、必死で再建しようとする書店の思いと、書店や書籍を求める人の思いに打たれます。震災の後に良く求められる書籍にも傾向があるということも、おもしろかったです。その傾向を聞くと、発災後、被災者たちの経験した背景が想像できます。
災害の後、数日間という短期間で考えても、復興するまでの長期間で考えても、書店や書籍には、そこにいる人たちを救うための役割があり、力があるのだということを感じます。(わかば)
- 2016年10月29日ぴっぴからのお知らせ&募集
今月21日にマグニチュード6.6、最大震度6弱の地震が鳥取県中部でありました。
地震の発生から一週間あまり経ちますが、余震の不安を抱え、今も避難所で生活を続ける人たちがいらっしゃいます。
被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
鳥取県のホームページ内には、「災害被災地応援サイト」が開設されました。
http://www.pref.tottori.lg.jp/261207.htm「応援いただけるみなさまへ」には、寄付、ボランティアなどの募集情報が掲載されています。
また、被災地外に住んでいる私たちにできることとして、観光に行くというのも被災地を応援する1つの方法です。はっぴー☆
- 2016年10月22日他団体の講座・催し情報
21日午後2時7分ごろ、鳥取県で震度6弱の大きな地震が起こりました。中国、近畿、四国北部でも震度4を観測し、かなり広範囲で大きな揺れがありました。
熊本地震から半年・・・と思った矢先の地震です。
私たちは毎日の生活の中で、「いつ・どこで・どんな」災害に出会うか分かりません。
「予想」することは難しいことですが、「いつ・どこで・どんな」を「想定」して、イメージトレーニングしておくことはできます。たとえば、今回、鳥取で地震が発生した平日午後2時に地震が起こったとしたら、自分や家族はどこで何をしているか・・・まず、命を守る方法は、そして、家族の安否確認、避難の手順や方法は・・・どうする!!もしそれが、津波だったら?水害だったら?どんな行動をとったらいいのだろうか。いざという時に命を守るために、是非、様々な「想定」をしてみてください。
<避難訓練コンサートのご案内>
さて、「もしも・・コンサート中に災害が発生したら・・・」を想定した
<避難訓練コンサート>が開催されます。
コンサート中に地震が発生しますが、タイミングは知らされていません。スタッフの誘導により屋外に避難します。それ以外は通常のコンサートと変わりません。ミッキーマウス・マーチなども演奏される予定です。親子で楽しみながら体験できそうですね。
- 日時:2016年12月3日(土)開場13:30 開演14:00
- 会場:アクトシティ浜松中ホール
- 費用:入場無料/全席自由 (要整理券)未就学児も参加できます。
- 出演:浜松市消防音楽隊
- 主催:公益社団法人浜松市文化振興財団・アクトシティ浜松
※整理券はアクトシティチケットセンター・クリエイト浜松・浜北文化センター・浜松こども館 で配付されています。
◎同時に避難誘導員として協力して下さる方を募集しています。
- 定員:10名
- 募集期間:10月31日(月)
申込・問合せ:TEL:053-451-1111
アクトシティ浜松 避難訓練コンサート2016<やまねくん>
- 2016年10月15日
10月1日(土)浜松市北区災害ボランティアコーディネーター連絡会より依頼を受け、「パパママ防災講座」の講師をしました。場所は、みをつくし文化センターです。この文化センターは2017年1月より館内に大河ドラマ館(NHK大河ドラマ 『おんな城主直虎』)が開設される場所です。
災害ボランティアコーディネーターの方々とは、ぴっぴが法人化した2006年当時に始めた「子どもの防災を考える地域のネットワーク事業」以来のおつきあいです。
今回は、子育て世代向けの講座で、市内各地域から来られた親子連れが多かったです。(約15組)。地震災害について、備蓄から家族で考えておく災害対策や、災害にあってしまった時の発災直後からその後の対処などざっと熊本地震が起きた時の話を交えながら話させてもらいました。また、つながる支援パックについても現物を見ていただけるように展示コーナーも設けました。
講座参加者は熱心に話を聞いてくださり、講座後は、つながる支援パックの置いてあるコーナーで説明に耳を傾けてくれました。
防災・減災のための講座を行うごとに感じるのは、年々、ファミリー層の参加率が増えていることです。ふだんは災害について忘れることも多いかもしれませんが、時にこうした機会を利用して家族で災害時の対処など話し合われてはいかがでしょう。
<hiro>
- 2016年10月10日ぼうさいぴっぴ
この夏3回にわたって開催してきたぴっぴの防災自主講座「親子で学ぼう!夏休み防災ワークショップ」。その最終回を9月7日に行いました。今回は「子育て家庭のそなえレベルをアップしよう」がテーマ。赤ちゃんと一緒のママ・パパたちが参加しました。(今回、平日でしたがパパ参加ありです!)
ふだんからの参加者の備えを聞きつつ、熊本や東北での避難所生活の実例なども交えなから、子育て家庭が災害に備えるとき、また、被災した家庭の困りごとなどをお話しました。
この講座の参加者の意識は高かったかもしれません。とても興味をもってお話を聞いていただき、質問もたくさんいただきました。講座の最後に、「つながる支援パック」の実物も見てもらい、こちらについてもたくさん意見をいただきました。
<hiro>
- 2016年10月3日防災豆知識
今月で、4月に発生した熊本地震から半年が経過します。この災害で何が起きたのか、そこから何を学んで次の災害に備えるべきか、検証するための報道番組等が多数予定されています。特にNHKでは今週から来週にかけ、多数の特別番組が放送されます。見逃せない番組がたくさんありそうです。
◎離れたい 離れたくない~最後の避難所~
10月4日(火)午後8:00~8:29 Eテレ(再放送10月11日) 番組情報
◎街から遠ざかった、この村で~南阿蘇村の高齢者福祉は今~
10月5日(水)午後8:00~8:29 Eテレ(再放送10月12日) 番組情報
◎NHKスペシャル あなたの家が危ない~検証・熊本地震“住宅・巨大リスク”の脅威~
10月9日(日)午後9:00~9:49 総合テレビ 番組情報
◎NHKスペシャル 活断層の村の苦闘~熊本地震・半年間の記録~
10月14日(金)午後8:00~8:43 総合テレビ 番組情報
このほか、震災に見舞われた温泉地や鉄道の復旧状況、観光情報等を伝える番組も複数予定されています。
さて、熊本地震の大きな特徴は、4月14日と16日に震度7の地震が相次ぎ、さらに震度6レベルの大きな余震が度重なり、3万棟を超える住宅が倒壊したことです。ぴっぴのワークショップの中では、揺れが来た時にとっさに子どもの命を守るポーズとして「だんご虫のポーズ」を紹介するなどしていますが、住宅自体が倒壊してしまっては身を守る事が難しくなります。さらに、たとえ住宅が耐震仕様であっても、家具が固定されていないと大けがにつながります。9日の放送(あなたの家が危ない~検証・熊本地震“住宅・巨大リスク”の脅威~)を見て、今、住まいの防災として何ができるのかを考えたいですね。
(ずきんちゃん)
- 2016年9月30日ぼうさいぴっぴ
9月15日(木)、この日は私立幼稚園の願書配布開始日ではありましたが、たくさんの親子が防災講座に参加してくれました。
子育て支援ひろば「まんまのつぼみ」は葵西六丁目にあるので、参加者のほとんどが近隣から来ていました。この地域は比較的、地盤が固い地域でもあるため、「災害といえば、地震や津波」と思っている人には、少しピンとこないかもしれません。しかし、最近は、風水害や土砂災害などのさまざまな災害が起こっていますし、誰もが、いつ、どこで災害に遭うかわからないので、油断をしないで備えておくことは大切です。
忘れてはいけないのが、数年前には、三方原地域(葵西からも比較的近いところ)で竜巻の大きな被害も出ているので、さまざまな災害を想定し、災害の種類によってどのような行動をとるのが良いのかを、知っておくことは大切です。また、参加者全員、子育て中のママということでしたので、いざという時に、子どもをどう守ればよいのかを考えておくことも大切ということに気付いてもらうよう、お話しました。子どもたちは守るべき存在ですが、あっという間に大きく成長します。子どもの成長に合わせて、防災教育をしていくことも、大人の大切な務めです。
この日に紹介したものの一つに、ぴっぴが作った「防災バンダナ」があります。これは、いざという時に「妊婦であること」「アレルギーがあること」「子どもがいること」「助け合いをすること」という4つのメッセージを伝えることができるものなので、早速妊婦さんたちにも注目されていました。
※防災バンダナについてはこちら
防災の意識を忘れないために、定期的に「防災講座に参加する」「備えのチェックをする」という参加者からの声がありました。ぜひ皆さんに、その気持ちを大切に持ち続けてほしいと願います。(わかば)
- 2016年9月26日本の紹介
東日本大震災直後の9日間、2005年のJR福知山線脱線事故の時に現地に飛び込んで行った若い医師である秋冨先生が、災害対策本部の医療班で中心となって指揮を執りました。
今でこそ、「DMAT(ディーマット。災害派遣医療チーム)」などをテーマにしたドラマがテレビで放映され、災害医療というものが一般的に知られるようになりました。しかし、東日本大震災の時ですら、被災地では、警察、消防、自衛隊は、それぞれの組織の中での情報伝達は完璧であるのに、いわゆる「縦割り」という性質によって、有益な情報がそれぞれの組織の連携の中で活かされていませんでした。ただでさえ想定を上回る被害状況で、通信網が崩壊し現場が混乱している中、DMATや自衛隊のヘリが救助に向かっても、情報が間違っていて、救助する人がいないということも何度もあったという状況でした。
私たちが本当に知らなければならないのは、こういう現実ではないかと思いました。
秋冨先生の「被災者を救いたい」という気持ちと、縦割り行政のジレンマや混乱の中で、ひとつひとつ粘り強く解決してくれたことに、感謝の気持ちを感じます。こうして被災現場で見直されたことや、行われた実績が、今後の備えにひとつでも役立ってくれることを祈ります。最初に道筋を作るのは、本当に大変なことです。充分な食事もとれないような現場で、自分自身も被災者でありながら、さまざまな壁を打ち破ってくれたことは、今後に活かしていかなければならないことでもあると思います。(わかば)
- 2016年9月19日防災豆知識
台風が心配されるシーズンになりました。
幼稚園や小中学校では、「朝7時の時点で暴風警報が発令中の場合は、休園・休校」というように、警報発令時の対応が決められています。また、一旦自宅待機で、○時までに暴風警報が解除された場合は午後から登校することになっている学校もあります。
過去には警報は出ていなかったものの、冠水や積雪でバスが運行されず、道路が渋滞や通行止めのため、通勤、通学をしている人が困ったという事態もありました。
災害情報のメールや、園や学校からのメールが届くサービスもありますが、自分で調べたい時のために、警報の発令状況や、交通機関の運行状況などが確認できるページをまとめてみました。警報の発令状況
公共交通機関の運行状況
道路の通行止め・河川の水位など
今週も台風第16号が接近する見込みです。今後の進路や情報に注意してください。
はっぴー☆
- 2016年9月16日ぼうさいぴっぴ
9月7日(水)、浜松市立寺島保育園の親子ひろばにやって来た乳幼児連れの親子を対象に、防災講座を行いました。
0~1歳のお子さんを連れて参加したママたちは、皆さん防災への意識が高いようで、防災講座や訓練にも積極的に参加したいという声がありました。防災の意識が高いだけに、災害時に役立つ知恵も豊富なのかもしれないと思うと、こちらも緊張しましたが、いざという時にどのような備えが必要なのか、もしもそれがなかった時に代用するものがあるのかなどを紹介し、ワークショップも行いました。
避難を優先する場合には、非常用持ち出し品を持ち出せない場合もあります。あるいは、避難所でしばらく過ごさなければならない時、すぐに支援物資が届くとは限らないため、家から物資を持ち出す必要がある場合もあります。いずれにしても、必要なものが必要なだけ手元にあるとは限らないのが災害時です。その場合は、比較的身近にあるものを代用する知恵があれば、「物がなくて困る」という苦難を逃れることができます。
身近なものを何に活用するかを、普段から考えておいたり、防災知識のひとつとして学んでおいたりすることは、「備え」のひとつでもあります。皆さんも、いろいろなものの活用術を考えてみませんか?素晴らしいアイディアがあれば、ぜひぴっぴにも教えてください!!
(わかば)
- 2016年9月12日ぼうさいぴっぴ
夏休みの終盤、NPO法人コラボりん湖西が主催する「やるキッズ!小学生まちづくりリーダー研修2016」で防災講座を担当しました。この講座では、湖西市にある6つの小学校から応募したこどもたちが、地域や学年の異なる仲間たちと社会貢献やまちづくりを連続4日間(午前午後)かけて学びます。
災害は地震だけではないこと、身近に起こりうる災害から身を守るにはどうしたらいいかを伝えました。
講師からの質問にも自分の考えをしっかり発言。リーダーを目指す頼もしいこどもたちです。
後半は身近にあるものを活用したスリッパとカッパづくり。高学年が低学年を手助けし、失敗しても最後まで諦めず、完成を目指します。
「やるキッズ!」を卒業した小学生たちが、やがて中学生、高校生になり、部活の合間を利用して自らサポートのボランティアとして参加するということもよくあるそうで、このようにして、地域の新芽が育っていくのだなあと実感しました。
<やまねくん>
- 2016年9月5日他団体の講座・催し情報
東日本大震災は今年でまる5年経過しました。あまりに衝撃的な震災で、いつかこんなことが起きてしまったらと心配になってしまいますね。
今年の秋、引佐の奥山方広寺で観月の夕べが行われます。すでに10回目です。その催しに加え、今年は音楽説法グループ「カッサパ」が来浜。“めげない にげない くじけない 気仙沼から心を伝える”も行われるそうです。東日本大震災後の東北の復興の姿を表現してくれる演奏が聴けるのかもしれません。
開催日:平成28年10月22日(土)※雨天決行
場 所:大本山 方広寺 (浜松市浜北区引佐町奥山1577-1)
TEL: 053-543-0003
参加料:5,000円(お弁当、お土産付き)
観月会:17:00~ 受付・食事・境内茶席及び自由散策
18:00~ 挨拶
18:30~ カッサパ演奏
奉納花火:19:45~20:00 手筒花火奉納
※事前申込 申込・問合せ先:近畿日本ツーリスト(株)浜松支店 TEL:053-456-8661
<Hiro>
【あなたも参加しませんか?】ぴっぴの熊本支援報告&大災害から私たちのこれからを考える
2016年9月2日ぴっぴからのお知らせ&募集今年4月に起きた熊本地震。ぴっぴは、被災された子育て家庭の助けになりたいと、乳幼児向け支援物資をバッグにまとめた「つながる支援パック」を現地に送り届けました。これは、多くの方々からのご寄附により実現しました。(→つながる支援パックを送り届けるまでのことは、こちらのブログにまとめています)
そこで、この支援の経緯や子育て家庭の被災について、報告会を催します。これを機会に、自助・共助の大切さ、もしもの時の備えについて、そして どうすれば子どもを守ることができるのかについて、私たちとともに考えませんか?ママやパパたちのご参加歓迎です。お友達を誘って、ぜひご参加ください!
- ファシリテーター:鈴木まり子氏(NPO法人日本ファシリテーション協会フェロー)
- 発表者:原田博子氏(NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ理事長)
【日時】9月12日(月) 10:00~12:00、19:00~21:00の2回開催。 2回とも同じ内容ですが、10:00の回は託児があります。
【場所】浜松市福祉交流センター(中区成子町140-8 )4階大広間
【託児】10:00の回のみあり。 参加申し込み時に予約してください。お預かりできるのは3歳未満のお子さんで、費用はおひとり300円です。
【お申込み】こちらのページから、またはお電話ください(053-457-3418)。
【主催】NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ
【共催】災害時にも助け合えるネットワークはままつ
●後援:浜松市、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社、FM Haro!、ケーブル・ウィンディ
(ずきんちゃん)
- 2016年8月31日ぼうさいぴっぴ
8月23日、JAとぴあ浜松北支部さんからのご依頼を受け、女性部の方々を対象にセミナーを行いました。「パッククッキングを体験して、災害時の食事を考えよう!」がテーマです。
パッククッキングは、エコで簡単な調理法として近年注目されていますが、災害時にも食生活の質を高めてくれることが期待されます。これまでも、防災キャンプなどで子どもたちと一緒にカレーを作るなど、パッククッキングをワークショップに取り入れたことがありました。今回の講座では、家庭で備蓄しやすい常備菜や缶詰、梅干しや塩昆布などの保存食を使い、からだにやさしい非常食づくりを目指しました。総勢80名にもなる大人数での作業でしたが、JAの皆さんは調理の手際も良く、チームワークもバツグンです!
調理の加熱を待つ間に、災害時の備えについてお話をしました。また、食器も手に入らなければ作りましょう!ということで、牛乳パックを使ったお皿づくりにもチャレンジしました。出来上がった食事に、「おいしい!」との声があちこちからいただきました。素材の野菜が良かったのでしょうね!
さて、女性×避難所といえば「炊き出し」とイメージされがちですが、女性が炊き出しをしなければならないという決まりはありません。こうしたスピーディな調理の提案をすれば、男女関係なく皆で作業できるかもしれませんね。
被災後の生活でとても重要な「食」に関するワークショップを、このように楽しく実施できて良い一日となりました。JAとぴあ浜松さん、ありがとうございました。
(ずきんちゃん)
- 2016年8月29日ぼうさいぴっぴ
ぼうさいぴっぴのワークショップを広く皆さんに体験してもらう企画「親子で学ぼう!夏休み防災ワークショップ」の第2弾として、8月3日に「キミもこの夏、防災王!減災が学べるトランプ大会」を開催しました。昨年ぴっぴが制作した、減災について学ぶためのトランプを使って遊びながら、災害から身を守ることについて考えてみよう!という催しです。
当日は、市内の小学生親子など20人が参加。初めて会った子ども同士でも、ゲームリーダーたちのリードですぐにうちとけ、なごやかな雰囲気でゲームを楽しみました。このトランプで遊ぶ子どもたちを見ていて、いつも感心してしまうのは、いつしか子どもたち同士が知恵を出し合って助け合うようになることです。
静岡第一テレビさんの取材があったので、その後放送された番組を見たという方も多いのではないでしょうか。
「夏休みの自由研究のテーマを“防災”にしたから、今日これに来ました!」という小学生もいましたが、いい研究ができたかな? このトランプ大会をきっかけに、災害について自分なりにもっと調べたり、家族で話し合う時間を持ってくれるといいなと思います。
次回、第3回は9月7日開催「子育て家庭のそなえレベルをアップしよう」です(この講座は定員に達したため、申し込み受け付けを終了しました)。
◎減災が学べるトランプなど、ぼうさいぴっぴの教材についてはこちら
(ずきんちゃん)
『クロワッサン特別編集 家族、ペット、そして私を守る 防災BOOK』
2016年8月22日本の紹介これまでに起こった過去の大震災の時に、支援物資の中で不足したのは、赤ちゃん・子ども用品、女性用品です。
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支援物資は、最初は命を守るために必要な水・食料や毛布などが送られ、徐々に生活に必要なものが送られます。
日用品が配布されるようになると、その中には、歯ブラシや着替えなどが届きます。しかし、そのような状況の中で、女性たちの、ハンドクリームや化粧水、ファンデーションなどが欲しいという声は「贅沢だ」という言葉で打ち消されてしまいました。女性用下着などはサイズの偏りがあり、自分のサイズに合ったものが手に入らないけれど「恥ずかしくて言えない」ということから、我慢していた人もたくさんいました。同じように小学高学年や中学生くらいの女児の下着なども、同じような理由で不足したといわれています。災害後は、「みんなつらい思いをしているから、自分だけわがままを言うようで言えない」と、不便やつらい思いを飲み込んでしまっていた女性がたくさんいたそうです。
この本は、表紙に「女性の視点からきめ細かく考えた防災マニュアルです。」と書かれているように、女性の視点で必要と思われる備えやいざという時の知恵がたくさん紹介されています。
女性用品や赤ちゃん・子ども用品が手に入りにくいという想定で、それらは多めに用意するというのはどうでしょうか。非常用持ち出し品や備蓄品は、最終的に自分や家族・ペットにとって本当に必要なものを用意しておけばよいのです。(わかば)
- 2016年8月19日防災豆知識
2017年1月に地震保険が値上げされることになっています。南海トラフ地震、首都圏直下地震などの発生確率が高まっていること、東日本大震災地震、熊本地震など大きな地震が相次ぎ、火山の噴火、台風や豪雨の影響による風水害などの自然災害が起こるなど、支払われた補償額が甚大なことも背景にあるようです。
2010年に静岡県は地震保険が他都道府県の3倍近く高いと嘆いた記事はこちら
その後、2014年7月に地震保険の改定があり全国平均で約15%引き上げられました。
そして、2017年1月にまたもや地震保険の値上げが予定されています。
2021年までの間にあと2回段階的に値上げが見込まれ、静岡県は最終的に39%の値上げとなるとのことです。地震保険の保険料は地震予測に基づき各都道府県によって異なります。今回の改定では、同時に県別のリスク区分の見直しも行われましたが、静岡県は一番リスクが高い危険度等地区分「3」のまま。一方お隣の愛知県は危険度等地区分「3」から「2」に下がり、保険料が値下げになるようです。お隣なのに、静岡県は39%の値上げで、愛知県は39%の値下げというのも、ちょっと納得いかなかったりしますが、家が静岡県に建っている以上どうしようもないのです。
地震保険は最長5年まで長期の契約もできます。保険料が値上げされる前に、長期契約をすることで保険料を節約することができます。その場合5年間の保険料を一括払いする必要がありますが、気になる方は現在の契約状況を見直してみてください。はっぴー☆
- 2016年8月10日ぼうさいぴっぴ
8月6日・7日 の2日間、スズキ歴史館で行われた「夏休み・わくわく体験2016」の特別企画ブース「防災について知ろう!」でワークショップを行いました。
午前中は「ぴっぴ家族の減災が学べるトランプ」。
災害から自分の命を守ること、そして参加した人たちみんなの命が守れるようにと、子どもも大人も、誰もが真剣に取り組みました。
災害から身を守る術をあらゆる角度から見つめ、考えて、言葉にしてみる。みんなの考えにも耳を傾ける。参加者の皆さんそれぞれに気付かれた事が多くあったようです
午後からは「紙芝居」と「ぴっぴちゃんを救え!」。
今日、ここで初めて出会った子どもたちが協力して、りっぱにぴっぴちゃんを救いました。
8月に入って最初の週末、多くの子どもたちや親子連れが参加しました。
夏休みも中盤に入りました。みなさんも、ぜひ家族で「わが家の減災」を見直してみてはいかがでしょうか。
<やまねくん>
- 2016年8月1日講座・講演
7月13日(水)島田市プラザおおるりで「ママと赤ちゃんのための防災セミナー」が開催されました。このセミナーの講師として呼んでいただき、地震の備えから熊本地震であったことなど体験を踏まえた話をさせていただきました。教育委員会主催でしたが、危機管理課の女性担当者の方から備え等についての話があり、突然、来られた市長からも島田市の災害についてそれに加えた話がありました。
赤ちゃんとママが一緒に話を聞けるように配慮されて和室での開催です。2部制で1部ごとに20組近くの親子、プラス報道関係のテレビと新聞社の方々でにぎやかです。0歳児の赤ちゃんがずらりと並ぶとかわいらしさもひとしおです。
島田市では数年前に保存版の防災ガイドブックが配られたそうです。防災ガイドブックは浜松にもありますが、「どこへいっちゃったのかな?」などとよく聞きます。時には見て備えを見直すのもいいのではないでしょうか。また、参加者へのお土産は携帯用の笛。防犯用にもなるのですが、いざ、閉じ込められた時など自分の居場所を知らせるには役立つものです。
最初はなにがなんだかわからず静かだった赤ちゃんたちも数十分過ぎれば泣きだす子もちらほら。写真やイラストを見せながら「ここがポイント」的な話を短く話したつもりですが、理解していただけたでしょうか。
今回のセミナーは県内でしたが、浜松を離れ、他地域で講座やセミナーを行うとその土地の状況がわかってこちらも学ぶことがたくさんあります。時には外に出るのもいいものです。
<hiro>
- 2016年7月30日ぼうさいぴっぴ
ぴっぴが防災を取り組み始めて10年。防災を考える上で、女性や子どもの視点が必要だということで、これまでにいろいろな防災の講話やワークショップを県内外からの依頼を受けて開催してきました。今年の夏は、浜松の皆さんを対象に、子ども向け講座を2回、乳幼児のお子さんのいる保護者向け講座を1回行います。
7月27日(水)、まずは第1回の「防災バンダナ七変化」を行いました。
なぜここで、バンダナの活用方法を学ぶ必要があるのかというと、災害時には、非常用持ち出し品などを持ち出せるとは限らないため、身近にあるものをうまく使って役立てる知恵が必要だからです。バンダナというのは、あくまでもその一例です。バンダナさえもなければ、その他で役立つものを活用すればよいのです。
身近なものを活用するためには、普段から「これはこういう時に役立てることができるのだな」と考えていなければ、すぐに活用する方法が浮かばないということもあります。平時にどれだけ関心を持っているかということは、いざという時にどれだけ困らないかということにつながりそうですね。さて、次回は、8月3日(水)10:30~11:30、浜松市子育て情報センター研修室で開催します。トランプで、防災を学びますよ!残席わずかですが、まだ申込できますので、興味のある方は、是非お申し込みください。
(わかば)
- 2016年7月25日ぼうさいぴっぴ
7月9日、入野協働センターで、入野地区社協・NPO法人ころころねっと浜松共催による「親子で学ぶ防災講座」が開催され、ぴっぴは講師として協力しました。この日は朝から大変な大雨で一時は警報も出たほどですが、親子連れを中心に38名の方が参加してくれました。
まずは子どもに“災害”のことを理解してもらおうと、「稲むらの火」という紙芝居を上演しました。これは、1854年に和歌山県で起きた地震の際、津波が来ることを知らせて庄屋が村人を救ったという実話をもとにつくられたお話で、「津波が来るときは、何をさておいてもまず高い所に逃げて、命を守る」ことの大切さを訴えています。
紙芝居に続いて、災害が起きると暮らしはどうなるのか、そして「減災」するためにはどのように考え、備えればよいかについてのお話をしました。災害にあうのは、家族いっしょにいるときとは限りません。日頃から、災害時にどう連絡をとりあうかを、子どももまじえて話し合っておくことが大切です。
休憩を挟んで、こんどはみんなでワークショップをやってみます。災害で家に住めなくなり、避難所に行く場合を想像して、自分なら避難所に何を持っていくか?と考えます。
今回参加してくれた子どもたちは小学1年生が中心でしたが、みんな、とても真剣に考えてくれ、自分たちなりの「持ち出し品」を選んでくれました。水や非常食など生命の維持に必ず必要なものは、どのチームも選んでくれましたが、それ以外で何を選ぶのか?そこに、その子ならではの考えがそれぞれあらわれていて感心しました。そしてみんな、声を出してしっかりと発表してくれました。それを見守る大人たち。地域の人々のつながりが見える、温かい場でした。
講座が終わる頃には雨も小降りになり、リアル避難訓練になってしまうこともなく、何よりでした。この講座をきっかけにして、ぜひ、家庭で災害について話し合い、備えていただければ嬉しいです。
(ずきんちゃん)
- 2016年7月23日防災豆知識
幼稚園や小中学校の子どもたちが先週末から夏休みに入りましたね。水に接する機会も増え、水難事故のニュースも耳にするようになる季節です。
楽しいはずのレジャーが、悲しい結末にならないように、海や川やプールに出かける時には十分に注意しましょう。
ところで、浜松の小学5年生の夏休みに行われる行事に、「30分間回泳」があります。
初めて挑戦する5年生は、この時期になると、ちょっとそわそわドキドキ。水泳の授業内でも30分間回泳の合格を目標に練習が行われます。
30分間回泳は、浜松市独自の行事で昭和41年から始まって今年で51回目になります。
浜松市は東に天竜川、西に浜名湖、南は遠州灘と、3方を海や川に囲まれているため、万が一の水難事故のときに命を守る目的もあるそうです。今までの累計合格者は25万人超、半世紀以上続き、もはや伝統行事とも言えますね。浜松で育ったパパママ世代は子どもの頃に経験したことがあるのではないでしょうか?
現在は、ToBiO(古橋廣之進記念浜松市総合水泳場)を会場に実施されています。
浜松市外から転入されたパパママは、「30分も泳ぐなんてうちの子には無理!!」 とすごく心配されますが、求められているのは、クロールができるとか、速く泳げるかではなく、体力を消耗をしない泳ぎ方で、時に水をかぶったりするのに耐えながら、30分浮いている気力と忍耐力だと思います。水の流れに身を任せてとにかく30分足を付かずにいることができれば合格です。
合格率は9割以上だそうで、30分を耐え抜く精神力をもった浜松の子どもたちってすごいなぁと思います。
30分間回泳は浜松市オリジナルの取り組みですが、8分間浮いて救助を待つ「浮いて待て!」という着衣水泳の授業している学校もあるとのこと。こちらも、目的は一緒で自分の命を守ること。
一番体力を消耗しないで浮いていられる方法は「背浮き」だそうです。どうして背浮きがいいのか、どういう体勢だと浮きやすいのかを知っておいて、機会があったら練習をしておきたいですね。
はっぴー☆
- 2016年7月22日本の紹介
「魔法のiらんど」というサイトの“東日本復興応援プロジェクト”という特設ページには、1,900通以上の声が寄せられたそうです。そのほとんどが10代の女子による投稿。被災者から、あるいは、被災地へのメッセージが、この1冊の本に、そのままのことばでまとめられています。
10~20代の女子が、東日本大震災という壮絶な体験をし、そこからどのように感じ、今後のことを考えているのか、強い決意や切ない気持ちがリアルに書かれています。自分も被災者であるのに、周りの困っている人のために、この子たちが行動していた姿が目に浮かびます。もっと強くなりたい、生きたかったのに生きられなかったたくさんの命の分まで頑張るということばに、読んでいるこちらの方の背筋が伸びます。「中学生はまだまだ子どもだ」と思っていても、「つらかったら泣いてもいいんだよ」とメッセージを伝えられる様子に、頼もしさも感じます。
偽りのないたくさんのことばから、グラグラと心が揺さぶられますが、この体験のひとつひとつを、私たちの今後に活かして行くことが、残された私たちの使命なのではないでしょうか。10~20代の女子から、多くのことを学べる1冊です。ガールズ1000人のリアル震災体験―「東日本復興応援」プロジェクト 届けたい!伝えたい!私たちからのメッセージposted with amazlet at 16.07.16
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- 2016年7月18日本の紹介
東日本大震災のとき、大切なものを壊しすべてを流してしまった津波。このおはなしには、がれきがたくさん浮かぶ波の合間を泳ぐ人が出てきます。自分の家に向かっているのだというのですが、その人は泳ぎながら透きとおっていって消えてしまいます。
東日本大震災で亡くなった人や今も行方不明の人がまだたくさんいます。守りたい家族がいた人、将来の夢に向かって頑張っていた人なども、突然命を奪われてしまいました。このおはなしに出てくる人も、もしかしたら、自分が亡くなっていることにも気づかずに、必死で家に帰ろうとしているのかもしれません。その無念を想像すると、とてもつらくなります。生き残ることができた人も、目を覆いたくなるような悲惨な現状を見て、忘れたくても忘れられないことがたくさんあるのかもしれません。いつか気持ちの整理ができるのか、それすらもわからない状況なのかもしれません。
今、被災地のがれきが撤去され新しいまちができていても、私たちは亡くなった方や被災された方たちの思いや、今もまだ不便な生活を送っていることなどを、忘れないようにしたいものです。(わかば)
- 2016年7月14日ぼうさいぴっぴ
7月4日(月)、NPO法人ころころねっと浜松主催の防災講座が、西区大平台で開催され、講師としておじゃましました。最高気温36度という猛暑の日に、乳児を連れてたくさんの方が防災の話を聞きに来てくれました。
今回は、熊本地震が起こって防災意識が高まっている方や、不安を感じている乳幼児のいる家庭の方に、どのような備えをしておけばよいか、いざという時にどうすればよいかというお話をしました。災害は、いつ、どこで、どのようなものに遭うのか予想できません。子どもが小さいうちは、昼間、家の中では子どもと2人っきりで過ごしているという人も多く、そんな時に被災すると、いったいどうすればよいかと、考えただけで途方に暮れてしまうこともあるでしょう。でも、いざという時に冷静に判断して行動するためには、日ごろからいろいろなことを想定して考えておくこと、できればイメージトレーニングしておくと良いです。地域防災訓練に、子ども連れで参加することがなかなか難しいとしても、実際に子どもを連れて、避難経路になるところを歩いてみるだけでも訓練です。
部屋の中でも熱中症をおこしかねないくらいの猛暑日(とはいえ、講座を開催した部屋は冷房が効いていましたのでご安心ください)に、参加者の皆さんが、しっかりメモを取りながらお話を聞いてくださり、感謝しております。ぜひとも、いつくるかわからない災害に、あとで後悔しないように備えておいていただきたいです。すべてを整えておくことは無理です。でも、整えきれない部分は、いろいろな知恵をつけておいて、その分をカバーできると良いですね。(わかば)
- 2016年7月6日
ちょうど今、夏休み間近ということで、レジャー用品売り場にはアウトドアグッズが多く並ぶ時期です。
実は、アウトドアグッズは災害時にも役に立つものが多いんです。
でも、大事なのは道具が揃っていることではなく、いざという時に“使えるかどうか”です。
初めて経験するのとでは、一度でも経験があるのとでは、気持ちが大きく違います。
ということで、アウトドア初心者のファミリーには、この夏家族でバーベキューに挑戦してみるのはいかがでしょう。
こちらの記事がおすすめです。こちらのページもおすすめです。
暮らしの中の防災 ~アウトドアの知識をいかす~
http://www.montbell.jp/generalpage/?general_id=212うちは、インドア派だから~ という人も、アウトドアグッズ売り場を見かけたらちょっと覗いてみてくださいね。
はっぴー☆
- 2016年6月14日ぴっぴからのお知らせ&募集
ぴっぴは、日頃は依頼をいただいた先で講座やワークショップを実施していますが、この夏、自主企画にて 親子で参加できる3つの特別講座を実施します!! 皆さん、一緒に楽しく学んでみませんか?
親子で学ぼう!夏休み防災ワークショップ ~夏休みの自由研究のヒントもバッチリ!~
■第1回 防災バンダナ七変化!
7/27(水)午前10:30~11:30
一枚の布が、いざという時にキミを守ってくれる。いろいろな防災ワザを考えよう!
対象:幼児~小学生までの親子20組(小学3年生以上は子どものみで参加できます)
※お手持ちのハンカチか、大判の正方形のハンカチを持参してください。
■第2回 キミもこの夏、防災王!「ぴっぴ家族の減災トランプ」大会
8/3(水)午前10:30~11:30
災害から身を守るための考え方がわかるトランプを使って、みんなで遊ぼう!
対象:小学生 20名(ご希望の方は保護者の参加もOKです)
■第3回 子育て家庭の「そなえレベル」をアップしよう(保護者対象)
9/7(水)午前10:30~11:30
子どもや家族を守るための災害への備えって、何から始めればいい? 基本の考え方を知ろう!
対象:乳幼児を子育て中の親 20名(託児はありません・お子さんの同伴OKです)
▼以下は各講座共通です▼
会場:浜松市子育て情報センター(浜松市中区中央三丁目4番18号)
参加費: 各講座とも ひと家族500円(保険代・資料など)
※参加ひと組に一冊、防災のことがよくわかるテキスト「ぴっぴ家族の減災ブック」をプレゼント!!かわいいイラストとわかりやすい文章が好評の、子どもも大人も一緒に学べるオリジナルテキストです。通常500円で販売しているものですが、今回は参加してくれたひと組に一冊、特別にプレゼントします。ぜひお役立てくださいね!
申込み方法:NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴまで電話で申し込んでください。
●電話番号 053-457-3418 (受付時間:月~土曜日 9:00~17:00)
7/1より受付開始します。定員になり次第締切ります。
※参加したい回一講座だけでも、複数の講座でも申し込みできます。
※会場には駐車場がありません。お車の場合は民間有料駐車場をご利用ください。
主催:NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴ
後援:浜松市、浜松市教育委員会、静岡新聞社・静岡放送、中日新聞東海本社、FM Haro!、ケーブル・ウィンディ
◎ぴっぴの法人サイトでも、この講座についての情報を掲載しています。
(ずきんちゃん)
- 2016年6月13日本の紹介
数年前から「山ガール」が流行し、昨年の富士山の世界遺産登録で富士登山が注目され、登山やハイキング、トレッキング、キャンプなど、さまざまな形で山を楽しむ人が増えています。
山の天気リスクマネジメント (山登りABC)posted with amazlet at 15.07.06猪熊隆之 廣田勇介
山と渓谷社
売り上げランキング: 40,909しかし、充分な装備や計画がないまま登山しようとして、事故やヒヤリとした経験を持つ人も増えているようです。特に『山の天気は変わりやすい』と昔から言われている通り、予報などでは「晴れ」となっていても、急に天気が崩れ、気温が下がり、大変な思いをしたということもよく聞く話です。
山を楽しむためには、雲の様子や形、気温や湿度の変化などを感じることによって、危険を回避することにつながるようです。また、もしもの時の下山のタイミングや、山で雷鳴が聞こえ始めた時どうするか、季節による装備など、具体的にどのような行動をとればよいかも書かれていますから、家族で山に行こうという時には参考にしてください。(わかば)
- 2016年6月6日防災グッズ
「スプーン1杯の水で約1週間連続発光します」という災害時に使えるライトがあります。
底部を少し水につけると光り始めるので、水から引きあげて使います。光量が落ちてきたら再度水につければ何度か繰り返し使えます。化学反応が終わっていなければ、乾燥していても、再度水につければ使えます。海水・泥水・お茶など水道水でなくても光るので、 貴重な真水や飲料水を使わなくても大丈夫。
湿度の高い場所での保管には気をつけたいところですが、水につけなければ、5年間長期保存ができるとのことです。軽量・コンパクトなのでアウトドアでも活躍しそうです。
<やまねくん>
- 2016年5月29日見聞録・体験記
静岡県と浜松市が整備している浜松市沿岸域の防潮堤の整備として、植栽を行っています。まだ完成に至っていない防潮堤ですが、この春も市民の防潮堤整備への理解を深めるため、防潮堤の陸側にクロマツを植える市民植栽ボランティアが募集されました。ぴっぴスタッフもこれに参加し、5月29日(日)南区倉松町内の防潮堤に行ってきました。
今回は、ぴっぴを含めて13団体が参加していました。ぴっぴの割り当ては、防潮堤の陸側の下段にクロマツを76本植えることです。この日、集まったのは幼児から大人まで、16人。斜面にシャベルで穴を掘って、肥料を入れてマツを植えていくのですが、石がゴロゴロしている固い土です。担当課の方たちにお願いをして、つるはしで少し土を砕いてもらってからシャベルで掘る作業をしました。
この日は天気も良く、防潮堤が海風を塞ぐため、暑い中での作業でした。小さな子どもたちには大変だったと思いますが、植えた後の水やりのために小さなジョウロを持参してきていて、とても和む風景でした。
植栽の作業をしていて、以前見た東北、名取市の津波後の風景を思い出しました。ここは防潮堤がなかったのですが、海側から内陸に2キロ先にいて見渡せたのは、防風林としてあった数本のマツの姿だけでした。内陸には平らに住宅地だったそうですが、何もかも津波で流されていました。
浜松市も遠州灘から平らな陸地が続いています。浜松市は防潮堤を整備していますが、これで安全というわけではありません。世界一とも言われた田老の防潮堤が津波で崩壊したように、過信は禁物です。それを肝に銘じながらも、減災という視点で防潮堤の役割を感じ、市民で植栽をするのはとても大切なことだと感じました。
(hiro)
- 2016年5月17日防災を考えるコラム
昨日5月16日21時23分に茨城県南部で地震が起こり、震度5弱が観測されました。
これをきっかけに、以前から拡散していた「17日、南海トラフ大地震が来るそうだ」という噂が一層広まり、「明日地震が来ると、子どもがこわがっている」などというママたちの声も聞かれました。
ネット上にばらまかれた地震予知の情報(客観的に見れば根拠は無く、オカルト的な内容なのですが)は、PCやモバイルを使いこなす子どもたちであればいくらでも読めてしまいます。情報リテラシーの低い子どもの場合、出所不確かな情報であっても信じてしまいます。
こうした流れを受けて同日、ツイッターで「NHK生活・防災」アカウントが以下のようにつぶやきました。
―――『あす地震が来ると聞いたけど本当?』というご質問が増えています。
気象庁のこちらのサイトに解説がありますが、 現在の科学技術では、時期・場所・地震の規模を特定した地震予知ができる可能性があるのは唯一東海地震で、それも『可能性がある』程度です。他の地震については現在のところ予知はできません。
つまり日時と場所を特定した地震を予知する情報、しかも公的機関以外の情報は『デマ』と考えられます。
ただし日本は地震国であり、地震が起こらない場所はないと言っても過言ではありません。日ごろから地震に対する備えをお願いいたします。専門機関や影響力のあるメディアは、このような文言を発信していくことも大切な役割だと思いました。
熊本地震の長引く余震や今回の茨城県南部の地震などのため、子どもに限らず大人も「次は南海トラフ地震か?」と不安な気持ちを抱えてしまうのは自然なことかもしれません。そこへ「明日地震が来る」と目にしたり耳にしたりすれば、自分の中にとどめておけず、思わず友人知人に「明日、地震が来るって聞いたけど」と言ったり、根拠が不確かなツイートをリツイートしてしまいたい気持ちになることもあるかもしれません。
実際、地震はいつ来るかわかりませんから、備えることは必要です。ですが、不確かな情報にむやみに怯えても、何もプラスになることはありません。むしろ、予告されていた日に地震が来ないとホッとして「なんだ、やっぱり来なかった!」と、備えること自体を忘れてしまっては、それが一番残念なことですよね。
(ずきんちゃん)
- 2016年5月8日本の紹介
この本は、仙台のラジオ局エフエム仙台が、防災企画として2006年から実施している非常食のコンテストのアイディアをまとめたものです。
カセットコンロ1台で作れるかんたん! サバイバルごはんposted with amazlet at 15.06.01エフエム仙台「サバ・メシコンテスト」実行委員会編
扶桑社
売り上げランキング: 20,191「45分以内に、カセットコンロ1台で作れるもの」というたったひとつの条件で応募されたレシピです。
子どもでも簡単につくれることや、家にある素材で作れることは、災害時に様々なものを失った状況の中で役立つことでしょう。
また、2011年の東日本大震災で被災した人たちが実際に作ったレシピなども紹介されています。被災後の非常食というと、おにぎりや菓子パン、カップめんしか想像できませんが、カセットコンロ1台と、いつも家の中にあるような材料と、なべさえあれば、こんなにいろいろな食事が食べられるのかと驚きます。
避難所生活をするようになると、日常生活とのギャップにストレスを感じることが多いようです。少しでもストレスを少なくするためにも、時にはこのような非常食などを日常に取り入れるなどして慣れておくというのも、防災力アップのひとつなのではないでしょうか。(わかば)
- 2016年4月26日本の紹介
これまで災害の体験談や経験を通した防災知識を学ぶ本はたくさん出ていました。この本は、「支援する」という視点で書かれているので、これまでの本とは、少し切り口が違います。熊本地震後、何か自分にできることはないかと考えている方には、ぜひ、支援する前に読んでもらいたい本です。
善意のつもりでボランティアをしようと現地に入ったものの、かえって現地の人に負荷をかけてしまったという残念な話を阪神淡路大震災や東日本大震災の後に耳にすることもありました。何をすることが被災者のためになることなのか、自分にはどんなことができるのか、自分中心にではなく、被災者目線で考えることが大切です。それは、時にお金で支援する場合もあれば、物資で支援することもあり、また何か行動で支援することもあります。
これからちょうどゴールデンウィークになりますが、「とにかく被災地へ行くぞ!」という前に、被災地に行くための準備をしたり、支援の方法を考えたりしてください。そして、これだけ大きな災害が起こると、支援も長期にわたって必要になることもあります。ニュースで取り上げられているときだけではなく、長期的な支援の必要性も併せて考えていきたいものです。
なお現在、木楽舎では、この本を全頁無料で期間限定公開しています。公開期間が現在の段階では未定となっています。
『災害支援手帖』限定公開(公開期間未定 4月25日現在)
ダウンロードはこちら(わかば)
- 2016年4月18日ぴっぴからのお知らせ&募集
浜松市子育て情報サイトの中に、「子どもと大人の出張講座」があります。
これはどんな内容が載っているのかといいますと、
学校・保護者・子ども・地域の方々や市民団体向けに市民が企画・実施する講座です。
子育てサークルで普段とは違う活動をしたいので外部から講師を頼みたい。
学校やPTAで講演をしてもらえる講師を探したい。
幼稚園の母親学級で出来そうな講座の講師を探したい。
イベントとして子どもが楽しめるプログラムを実施したい。
子育てに関する勉強会を開催したい。
などの講師を探す際に活用してください。
というものです。
NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴでは、いくつもの講座を行っていますが、防災講座も行っています。
防災講座は、NPO法人はままつ子育てネットワークぴっぴがNPO法人になった年から始めてきたもので、これまでに全国各地の各幼保園、学校等のPTAが主催で行う講座、こども会、放課後児童会や育児サークル、自治会など8000名の人々に行ってきました。昨年度はプログラム数も増やし、今年も依頼があれば受けていきたいと考えています。
災害はいつどんな時に起こるかわかりません。家庭内に残っている乳幼児家庭、学校から帰宅途中の子どもたちが地震にあったら?!など、こんな時にどうしたらを考えます。
まずは、こちらの「ぼうさいぴっぴ」を覗いてみてください。
<hiro>
- 2016年4月15日防災豆知識
昨夜、熊本地方で震度7の地震が発生し、現在も余震が続き、水道や電気などライフラインにも影響が出ている状態です。被害にあわれた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
気象庁からは 「1週間は震度6弱程度の余震の可能性」があると発表されています。
今後も十分ご注意ください。ご家族、ご親戚、知人友人などがいる場合には、電話が混み合いつながりにくくなるため、各社より提供されている災害用伝言板等の安否確認のサービスをご利用ください。
NTT
- 災害伝言ダイヤル
「171」をダイヤルし、利用ガイダンスに従って、伝言の録音・再生を行ってください。 - 災害用伝言板(web171)
ドコモ
AU
ソフトバンク
そのほか、九州地域内のWi-Fiスポットの無料開放や、LINEから固定電話・携帯電話にかけられる「LINE Out」機能の無料化がされています。
- 災害伝言ダイヤル
- 2016年4月13日防災豆知識
今朝(4/13)のNHKニュースで、静岡県民の防災訓練への参加率(過去1年間に防災訓練に参加したことがある人の割合)は59%と発表されていました。
この数字は2年前と比べて6ポイント下がったとはいえ、全国平均から見たらかなり高めであるようです。全国調査では参加したことがある人の割合が39.2%という結果(内閣府によるH25年度調査)もありますし、地域によってはもっと参加率が低いところもあるでしょう。
しかし、静岡県の参加率が高いと言ってもそのその内訳は?と言うと、60代以上の男性の割合が高く(72.2%)、20代女性の割合が低く(35.7%)なっています。退職後の男性が中心となり、実施されている様子が伺えます。
仕事も家事も子育ても…と多忙な現代の女性にとっては、防災訓練への参加は優先順位が低くなるのでしょうか。実際、訓練に参加しなかった理由で一番多かったのは「仕事や用事があった」(65.6%)でした。
そして、ここから先は仮説なのですが、女性にとって防災訓練は「ハードルが高い」というイメ―ジがあるのかもしれません。
避難訓練のメニューとして多く実施されているのは、「避難訓練」「消火訓練」「応急手当て訓練」「救出・救助訓練」などです。例とするには時代背景が違うかもしれませんが、浜松を舞台にした朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」で、近所に火事が発生した時にバケツリレーに加わろうとしたヒロインが、男性に「引っこんでろ!」と一喝されるというシーンがありました。もしかしたら、そのようなイメ―ジ(健康で体力のある成人男性が訓練の主体で、女性は力になれないというイメ―ジ)に、女性が防災訓練を敬遠してしまう要素があるのかもしれません。
だとしたら、女性に限らず、小さな子どものいる家庭、障がいのある人やその家族、外国人など、防災訓練に参加しづらい人たちはたくさんいます。そして、そのような人たちこそが、災害の時は助けが必要であり、防災訓練を通して災害のことをよく知っておく必要があるのです。
この問題を、どう解決したら良いのでしょうか?ひとつには、防災訓練の内容を誰もが参加しやすいものにすることが考えられます。防災訓練は、バケツリレーをするばかりではなく、マップ作りなどの図上演習や非常食訓練、情報伝達の訓練など、いろいろな種類があります。自分たちのコミュニティにはどんな訓練が向いているのか、見直してみると良いのかもしれません。
さて、最後に手前味噌っぽくはなりますが、紹介させてください。ぴっぴが実施している防災訓練「ぼうさいぴっぴ」は、「誰もが楽しく参加しやすい」ことを大切に、2006年以来全国各地で実施しています。その内容は、こちらのページに詳しく掲載していますので、ぜひ参考にしてくださいね。(写真はぼうさいぴっぴのワークショップに参加する親子の様子)
(ずきんちゃん)
- 2016年4月4日本の紹介
非常用持ち出し品や備蓄品のチェックリストなど、防災の本やチラシなどでよく見かけます。でも、チェックリストにのっているものが用意されているから大丈夫というものではないのです。家族の状況などにより、用意しておくものが違います。
小さな子どものための用品は、用意していてもすでに着られなくなった洋服やおむつとなっていることもあるので、こまめにチェックしないといけません。
また、持ち出すために準備しても、たくさん用意しすぎて持ち出せないくらいの重さになっていても、役に立ちません。そこで、自分たちの家族のための非常用持ち出し品や備蓄品として、カスタマイズしておく必要があります。
そんな時、何がどれだけ必要か、優先順位はどうすれば良いかということを考えます。この本には、何がどんな時に必要かということが詳しく書かれているので、迷った時などに役立ちますよ。震災のときあったらいいもの手帖posted with amazlet at 15.03.30チーム住まいと暮らし
住まいの学校
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- 2016年4月1日つながる支援パックプロジェクト
2014年の、「みんなで作る防災パックプロジェクト」をきっかけに、災害時に届く乳幼児用の支援物資のあり方や、保存食についての研究を行いました。
その後、災害時の乳児家庭に必要な支援物資について調査し、災害時の混乱の中、乳幼児を抱えて物資をひとつひとつ長蛇の列に並んでもらうのはたいへんなことがわかりました。
そこで、乳幼児が必要な物資をひとまとめにすれば緊急時まかなえると考えたのが「つながる支援パック」です。プロジェクトの詳細は法人サイトをご覧ください。
取り組みの様子については運営ブログをご覧ください。
- 2016年3月31日ぼうさいぴっぴ
浜松国際交流協会からの依頼でベトナム人親子のための防災ワークショップを行いました。
浜松市には多くの外国人が住んでいますが、災害時にはどんな行動をとったらよいのか分からない方たちも多く、浜松市多文化共生事業の一環として外国人のための人材育成事業を受託している浜松国際交流協会が静岡県ベトナム人協会の協力を得てこの講座を開きました。参加してくれたのは三方原協働センターで行なわれている日本語教室に通う子ども達とその家族の皆さんです。
今回は通訳の方を介してお話を伝えるという、ぴっぴとしても初めての経験です。やさしい日本語を短い文章で、通訳しやすいように言葉を選んでの講義になりました。
地震だけではなく、今住んでいる環境で起こりうる災害について、どんなことに注意したらいいのか、また、被災してしまった後にどんな行動をとったらよいのかなど、イラストや写真を見ながら学びました。
後半は自分の身を守るために、身の回りにあるものを活用してみましょうと、新聞紙でスリッパ、ごみ袋でカッパづくりに挑戦しました。親子で協力しながら迷うことなくとても器用に作り上げてくれました。
「伝わる言葉」を選んで使うということに気を配った講座になりましたが、通訳があるなしに関わらず、「伝えるための言葉」はとても大切なものだと改めて気づかされました。今後の講座のみならず、日常のコミュニケーションにおいて、また災害時における明解な情報伝達についてもなおさら「伝わる言葉」の重要性を考えさせられ、ぴっぴにとっても大変勉強になる講座となりました。
<やまねくん>
- 2016年3月21日防災グッズ
『3.11』5年目の翌日、中日新聞に、「防災バンダナ」と「減災トランプ」の紹介が掲載されました。
これ、てまえみそかもしれませんが、なかなか優れモノです。
ぴっぴでは、子どもを守る防災事業を開始して10年となり、これまでの知識、経験を踏まえスタッフがたくさんのアイデアの中から作り出したものです。
「防災バンダナ」は「妊婦です」「乳幼児がいます」「アレルギーがあります」など1枚のバンダナの中でつける角度でわかるようになっており、周囲の人に理解してもらうのに言葉を発せなくてもわかるようなサインの役目をします。
「減災トランプ」は、27年度に、ぴっぴスタッフのみならず、遊びの達人たちにも協力していただき作られたものです。まだ、できたてのほやほやです。
1枚のトランプの中身、並べ方で防災の極意がわかります。以前、テスト的に静岡大学浜松校の大学祭、テクノフェスタで行ったのですが、とても子どもたちに人気で、楽しみながら学べる点もあり、保護者にも好評でした。
ぜひ、興味が湧いたら、PTA、子ども会、防災の勉強会などのプログラムとして検討してください。依頼があれば、ぴっぴスタッフがワークショップに出かけます。
<Hiro>
- 2016年3月15日他団体の講座・催し情報
今年3月11日、東日本大震災から5年の節目を迎えました。
この5年間の間に日本各地で噴火、土砂災害、台風・洪水など、大きな災害がいくつもありました。
長年、東海地震への備えを呼びかけられていた静岡県でも、「津波」「原発」という新たな脅威への対策が急務となりました。
浜松市では19年度の完成を目指して、遠州灘天竜川西岸から浜名湖今切口東岸までおよそ17.5キロメートルの防潮堤の建設が進められているのをご存じでしょうか?
この防潮堤は、コンクリートで固めた無機質なものはなく、CSG材という新素材を芯にして幅が広い傾斜堤になっています。
表面は覆土がされているため植栽ができ、将来にわたっての環境や景観にも配慮がされています。
5月29日に、すでに盛り土が行われている区域への市民植栽が実施されます。
市内の団体ほか、個人参加の募集が行われていますので、ファミリーで申し込みをして植栽をすることもできます。
写真は、昨年秋に実施された時の様子です。
申込先は、浜松市の林業振興課で、4月15日締め切りです。
詳しくは浜松市ホームページをご確認ください。はっぴー☆
- 2016年3月13日忘れない3.11
東日本大震災から5年 今伝えたいこと<6>
Aさん
(新潟市在住)ぴっぴ:福島から新潟への避難者は当時と比べると現在、どのくらいいらっしゃるのでしょうか? また、現在皆さんの生活はどうされているのでしょうか?
Aさん:避難当時(平成23年3月31日時点)と現在(平成28年1月末現在) の人数は以下の通りです。
新潟県=当時9,222人。→現在3,658人(減少)
新潟市=当時778人。→現在1,530人(増加)
上記結果からもわかる通り、新潟県全体としては、避難当時と比べ 大幅に避難者が減少しています。 しかし、新潟市に限ってはこの限りではなく、むしろ震災当時よりも 現在の方が避難者数が増えている事がわかります。 これは、震災後に自主避難者が増加した為に起こった現象で、 時間の経過と共に、県内からの移動なども含まれます。
経済的な理由により、泣く泣く福島県に戻られた方が当時とても多くいらっしゃいました。 また、現在も住宅支援の打ち切り発表を受け、その傾向が強いと言えます。避難者の多くは、住宅支援打ち切りに不安を抱えながらの生活をしています。
また、避難により転校を余儀なくされた子ども達が大人の経済的な事情により 再度転校を余儀なくされる事に親たちは怯えて生活を続けています。 いつ福島に戻るのか、また戻れるのか…先を考えると不安になるという 生活をされている方がとても多いです。
ぴっぴ:5年目を迎え、郷里に帰ることについてどのように考えていらっしゃるのでしょうか?
Aさん:とても不安を感じていると思います。 除染が進んでも、福島へ帰ると現実が待っています。 帰る度に、ここでもう一度生活できるのか?子ども達の健康は守れるのか? と、いろいろな不安を抱えている方が多いです。
また、帰還に関して言えば、一度失ったコミュニティを再構築できるのか? また、周囲の環境や人間関係、就業に関してなど、全てがゼロから、 またイチからなのか…と不安に思っている方も多くいます。 子どもを持つ母親の一番の心配は、子ども達の学校や進学問題です。 帰還すれば、転校を余儀なくされる子ども達は、この避難の犠牲者だと感じている親が多いです。
ぴっぴ:現在の課題は何でしょうか?
Aさん:福島へ帰還したい人、したくない人、それぞれいらっしゃいますが、 一度避難された人の多くは、できる事ならこのまま避難を続けていたいというのが本音です。 その理由は、放射能への不安があります。 住宅支援が打ち切りになれば、この避難生活を続けられなくなる方はたくさんいます。なんとか、避難の自由と権利を守り支援を続けてほしいと思います。 今後、経済的に苦しくなる方が倍増する事が予想されるので、何か支援が必要だと感じています。
Aさん
新潟市在住。 NPO法人スマイルサポート新潟 代表。※本文中の写真撮影:ぴっぴ
ぴっぴから
2011年11月、東日本大震災後、福島県内から避難されている方々がたくさんいらっしゃるということで、新潟市役所や子育て応援施設ドリームハウスさんに状況を伺う予定で新潟市に向かいました。
ちょうど、避難所は閉じられた時でしたが、避難された方々の交流会「うつくしまの会」が開かれるということでしたので、参加させてもらいました。自主避難して来られたり、強制的に避難せざるを得なかったりした家族や親子がたくさん集まって来られていました。当時、線量計を持っておられた方もいて、家族を気遣っておられることがとてもわかりました。
数人の方と同じ親の立場で話しながらも、被災者の方とは明らかに違う状況に、どうしたらよいのだろうと戸惑っていたところ、「この現状を遠く離れた人たちに伝えて欲しい」と、父親である若い男性に言われたことが深く残っていました。
5年の歳月が経ち、ふくしまの場合は災害とそれ以上に人災であるゆえに、いつまでもこのような状況が続くのは傍目から見てもつらいです。Aさんが名前を伏せられたことは、いくつも理由があって、ほんとうにお話を伺って良かったのかとさえ気になり始めました。これまで自分たちは、ふくしまを冷静に見つめた時、どうかかわっていいのか難しいと感じてきました。しかし、このままではいられませんでした。ですから、おかしいことはおかしいと毅然と声に出さなければならないのかもしれません。それは、被災を免れた私たちだからこそできることとして、です。
<hiro>
「東日本大震災から5年 今伝えたいこと」シリーズ
- 2016年3月12日忘れない3.11
東日本大震災から5年 今伝えたいこと<5>
堀内恵梨子さん
(富岡幼稚園 園長)ぴっぴ:福島県富岡町から会津若松市に避難し、幼稚園を再開するまでのことを聞かせてください。
堀内さん:もともと私が園長をしていた富岡幼稚園は、福島県双葉郡富岡町。福島第一原発から10kmの場所です。発災当初、町民に対して原発事故の情報は知らされないまま、避難指示だけが出て公民館等に避難しました。夜中、ヘリコプターが飛ぶ音が響いていたため、私はドイツ人の夫と「これは異常事態だ」と話し、遠くに避難することに決めました。夜明けとともに家族を連れ、何も持ち出せずエプロン姿のまま車を走らせました。原発事故について町内一斉放送があったのは翌朝6時だったそうです。道路は大渋滞で、1km進むのに4~5時間もかかりました。
たどり着いた新潟で避難生活をしていましたが、当時小学3年生だった娘に「私の学校はどうなるの?」と言われ、会津若松市まで戻りました。その後、縁あって廃園となった幼稚園施設を紹介され、被災し避難している家庭の子どもを無償で預かることを始めました。最初はたった二人の園児でしたが、これが幼稚園の再開につながりました。現在は避難児童・現地児童あわせて18人の園児を預かっています。
ぴっぴ:2011年当時、被災した子育て世代にまず必要だったものは、何だったのでしょうか?
堀内さん:被災した親は、孤独です。生きるか死ぬか、明日どうなるかわからない大変な目に遭った辛さや苦悩を抱えています。何に困っているかは各家庭によって違うので、「これが欲しかった」「これをしてほしかった」と単純に言うことはできませんが、とにかく「誰かに寄り添ってほしい」という思いがありました。しかし、それは一日だけ派遣されて来るようなカウンセラ―に話せるようなものではありません。再開した幼稚園で、避難した親子同士が再会し、横のつながりができたことは大きな支えになったと思います。
ぴっぴ:現在、被災地の子どものいる家庭で問題・課題だと思うところがあれば教えてください。
堀内さん:避難生活が長くなりすぎて、今後、自分たちがどこに住めば良いのかわからなくなっています。元暮らしていた沿岸部のまちなのか?おじいちゃん・おばあちゃんが住むまちなのか?と。同じ福島県内でも地域によって風土や気質が全く違うため、避難先の土地にいつまでも馴染めず、どこのコミュニティにも属せない家庭もあります。今の園児たちは5年前の震災当時のことは赤ちゃんだったので覚えていませんが、この子たちには「ふるさと」がありません。仕事の関係で父親だけが福島に残っている家庭は、家族もばらばらになったままです。
ぴっぴ:東日本大震災以降の5年間をふり返り、子育て家庭への支援制度や意識等、変わったことはありますか。
堀内さん:何も変わっていないと思います。避難してきた私たちは、生活するために、ただ目の前のやるべきことを日々こなしていますが、なぜこんなことになったのか納得していませんし、苦痛も無くなるものではありません。子育てしている方たちには放射能の心配もあるでしょう。夫は「ドイツでは原発をやめたのに、なぜ日本はやめないのだろう」と言います。
東北以外の地域では、震災のことは忘れられつつあります。このように取材をお受けしているのも、忘れてほしくないからです。日本は地震大国。全国の人に「明日はわが身」と考えてほしい、と伝えたいです。
堀内恵梨子さん(富岡幼稚園 園長)
福島県南相馬市出身。1989年~2007年、オーストラリア・シドニーに暮らす。2007年、家族で福島県双葉郡富岡町に移住。祖父の築いた富岡幼稚園の副園長として勤務。2011年3月11日、東日本大震災原発事故により自宅・幼稚園共々避難を余儀なくされる。2011年8月、福島県会津若松市で仮園舎にて富岡幼稚園を再開。理事長・園長に就任。
※本文中の写真提供:堀内恵梨子さん(上:会津若松の現園舎 下:富岡町の旧園舎)
<ぴっぴから>
幼稚園・保育園や学校のPTA、勤務先、自治会・ご近所、昔からの友達、SNSなど、私たちはいろいろなつながりの中で生きています。日頃は意識していなくても、こうしたつながりが、災害時には命綱になるはずです。
ぴっぴも、防災講座では必ず「地域のネットワーク」の大切さについてお話していますが、それはこうした理由があるからなのです。 ぴっぴは、これまでに何度も幼児やその家族を対象にした防災講座を行っています。幼児でも、大人と一緒にいざという時に役立つ知恵を学ぶことはできます。「子どもは、大人が守らなければならない」ということだけでなく、子ども自身にも、いざという時に自分の命を守る知恵を、身につけておいてほしいものです。そして、そのための講座や訓練は、1度やってみたことがあるからそれでよいというものではありません。以前学んだことを思い出したり、新しい知識を身につけたりするために、何度もやってほしいものです。
また、被災の体験談は、私たちの現在の備えに様々な問題提起をしてくれます。「いざという時、備えていたことしか、役に立たなかった。備えていただけでは、十分ではなかった。」という話を聞いたことがあります。備えておくことは大切です。しかし、完璧な備えは誰にもできることではありません。想定外の事態について備えることは難しいです。だからこそ、東日本大震災の教訓を忘れてはいけないのではないでしょうか。
<わかば>
「東日本大震災から5年 今伝えたいこと」シリーズ
- 東日本大震災から5年 今伝えたいこと
- 家があるから、支援物資を貰いづらく我慢を強いられた
- 「海と共にあるまち」への誇りと戸惑い
- 「災害に備えながら暮らす」が親子の日常になった
- 被災地のママたちを支え、防災の大切さを伝えたい
- ふるさとに帰れない園児たちのため、避難先で幼稚園を再開
- いつ福島に戻るのか、また戻れるのか……。未来は不安
- 2016年3月11日忘れない3.11
東日本大震災から5年 今伝えたいこと<4>
佐藤美代子さん
(まんまるママいわて 代表)ぴっぴ:現在は、どのような支援をされていますか?
佐藤さん:「まんまるママいわて」は、2011年、東日本大震災をきっかけに立ちあがった、助産師とママをつなげる子育て支援事業をメインに活動する任意団体です。現在は、子育てサロン「まんまるサロン」を岩手県の沿岸被災地を中心に各地(宮古、大槌、釜石、遠野、陸前高田、花巻、北上)で実施しています。スタッフに助産師がおり、子育てや母乳に関することなど、サロンの場で相談も受けています。
私たちのサロンには被災した親もそうでない親も来ますが、対応を分けることはしません。サロンに来る母親たちの子育ての悩みは同じであり、「被災した親だから、ここがこう困っている」などと、人によって切り分けられるものではないのです。また、被災した親も、最初から自身の被災経験を語る人はいません。何回もサロンに通ううちに支援者との関係性が築かれ、少しずつ語れる時期がきて、語ってくれ、そのつらい思いを吐露してくれます。
ぴっぴ:2011年当時、被災した子育て世代にまず必要だったものは、何だったのでしょうか?
佐藤さん:何もかも足りない状況でしたが、物資として長期にわたり必要とされたのは「おむつ」と「ミルク」でした。しかし、母乳育児をしていた人にもミルクが配られ、母乳を与える場所が無い環境のせいもあって必要以上にミルクを飲ませ、母乳が止まってしまうなどのケースもありました。また、物資として送られてきた「衣類」は古着が多く、中にはひどいシミや汚れがついたものもあり選別が大変でした。
(世間に)災害時の子育てへの理解がありませんでした。子どもが泣いたり騒いだりするとうるさがられ、避難所にいられないケースは多かったです。岩手は家長制度が強い土地柄であり、祖父世代から「周りの人も大変なんだから我慢しろ」と言われると、母親たちは自分が困っていても言い出せませんでした。
全体としては「防災意識」が必要だったと思います。私自身も震災当時5か月の子どもを育てていましたが、いくら「母乳を飲ませていれば大丈夫」と知っていても、1日に何度も鳴る地震を知らせる携帯アラームに落ち着かず、不安な気持ちで母乳をあげ、おむつを替えるのはなるべく早く、大きな余震が来たらすぐに避難できるようにしていました。携帯電話が使えない、テレビがつかない、それだけで情報が途切れてしまう現代のネット社会に、防災意識が足りなかったと言わざるを得ません。
ぴっぴ:現在、被災地の子どものいる家庭で問題・課題だと思うところがあれば教えてください。
佐藤さん:震災から5年、津波被害が大きかった沿岸部では、未だに街ができていません。整備が完了した土地が少ないため土地価格が高騰し、戻るに戻れません。子どもを遊ばせようにも公園が無い、預けたくても保育園に入れない、という状況です。震災当時幼児だった子どもも小学生になり、公園を知らずに育った子どももいます。また、岩手はもともと三世代同居も多く、地域で子育てしていたのですが、震災を機に地域のコミュニケーションが分断されてしまい、都会の孤立した子育て環境のような状況があります。被災地の子育て状況は厳しいといえます。
ぴっぴ:東日本大震災以降の5年間をふり返り、子育て家庭への支援制度や意識等、変わったことはありますか。
佐藤さん:津波から逃げて助かった人の防災意識は高いのですが、後から来た人、内陸にいた人は、何も変わっていないように思います。震災後、岩手県助産師会が日頃持ち歩くべき防災グッズ等の情報をまとめ、母子手帳に入るサイズの冊子を作り大変評判が良いものでしたが、県全域で一斉配布などには至りませんでした。
2011年当時、高校生がボランティアとしてとても良く働いてくれました。彼らが今、子どもを持つ世代になりつつありますが、子育て世代はどんどん人が入れ替わっていくので、防災意識を次の世代に受け継いで行くことがこれから重要だと思います。
佐藤美代子さん(まんまるママいわて 代表)
ぴっぴから
震災から5年が経過し、世間の防災への関心が薄くなっていることを、ぴっぴも実感しています。子育て中の家庭を対象に、ぴっぴが防災啓発ワークショップ「ぼうさいぴっぴ」を始めた2006年当時、このような取り組みはまだ珍しいものでした。その後、2011年の東日本大震災の発生を機に、防災への関心が全国的に大きく高まりました。2012~2013年は、ぴっぴの取り組みについてもお問い合わせが非常に多かった年です。しかし、2014年以降は急激に問い合わせが少なくなりました。「喉元過ぎれば…」という言葉そのままの状況です。
子育て世代は子どもの成長につれ、関心ごとがどんどん移り変わっていきます。「ミルクやおむつが手に入るかどうか」「抱っこして避難できるかどうか」を心配する時代が終われば、心配していたことも忘れてしまうのかもしれません。しかし、「災害が起きたら、こんなことに困るから、こうして備えておこうね」と情報を次の世代に手渡していかなければ、新しい子育て世代は無防備なまま、また同じ辛さを味わってしまうのではないでしょうか。
「子育て世代はどんどん人が入れ替わっていくので、防災意識を次の世代に受け継いで行くことが重要」という佐藤さんの言葉には、災害時の厳しい子育て状況をよく知る方ならではの重みがあります。被害に遭いながらも助かった方々は、さまざまな想いや配慮から、災害時について語ることに躊躇があるでしょう。しかし、それでも「次の世代のために」と語ってくださる方々のことばを、私たちは大切に受け止めたいと思います。
<midori>
「東日本大震災から5年 今伝えたいこと」シリーズ