子育てのヒント

つわりのはなし~助産師たちのつぶやき~

2021年4月10日

助産師たちのつぶやき4月に入りすっかり暖かくなってきました。新年度に入りどのようにお過ごしですか?今回はつわりについてお話したいと思います。

まず、つわりとは妊娠によっておこる食欲不振・悪心・嘔吐等の消化器系の症状を中心とする症状で、妊娠5~6週から出現し、多くは一過性で12~16週頃までに自然消失しますが、個人差が大きいと言われています。つわりの原因は妊娠に伴うホルモン変化や妊婦さんの背景にあるストレス等の関与が考えられていますが、明確にはされていません。

私自身も妊娠5週からつわりがはじまりました。嘔吐こそしないものの、1日中激しい胃痛と車酔いのような酷い気持ち悪さとの闘いでした。助産師として、つわり時の対応について知識はあったので、食べられる時に食べられる物を摂取しよう、脱水にならないように水分補給はこまめに…と思い、色々な食べ物を試してみたり、起床時にすぐに食べられるように枕元に軽食を用意したり、飴やラムネを携帯して常に口に運べるようにしたり…。

他にも体を締め付けないような下着に変え、つわりに効くと言われている内関のツボ押しや漢方内服等、色々試してみましたが、そう簡単にはいきませんでした。ほとんど食事がとれない、水分も口にできない状態が続くと次第に起き上がることさえ辛くなり、つわりが始まって2週間経たずして入院を余儀なくされ、気持ち悪さに耐えながら、つわりがおさまるとされる妊娠16週を待つだけの時間を過ごしました。

つわり

12週で退院し、全く食事を口にできないようなピークこそ超えたものの、その後もつわりが完全にはおさまることはありませんでした。ただ、私の場合は疲れてくると症状が悪化することが分かってきたので、職場復帰した後は家族に協力してもらいながら、できる限り疲れない生活を意識し、疲れてきたら横になって休むようにして、今日まで何とかつわりと付き合ってきました。もちろん、これをやったらピタッとおさまった!という方法が見つかる方もいると思います。これだけは食べられた!という話もよく耳にします。ただ何をやっても良くならない人もいると思います。つわりの症状も終わる週数も本当に個人差が大きく、だからこそ、その人にしか分からない辛さがあるのだと痛感しています。

そして、自分自身が長期間に渡るつわりを経験して一番感じたことは、頼れる人が周りにいるのであれば、周りの人に甘えるのも一つの手なんだということでした。周りに頼れる人がいるのであれば、1人で我慢し過ぎず、頑張り過ぎず、日々過ごして欲しいと思います。そして、妊婦さんのご家族にもお伝えしたいのは、つわりは病気ではないという言葉をよく耳にしますが、妊婦さんたちは体のしんどさに加えて、いつ終わるのか先の見えない不安とも闘っています。だからこそ、周りの人の身体的、精神的なサポートが必須となります。周りの人の優しさとサポートが妊婦さんたちにとって辛いつわりに耐える力になると思います。周りにつわりに苦しんでいる妊婦さんがいたら、ぜひ優しい言葉を掛けて、サポートしていただけたらと思います。

つわりで苦しんでいる妊婦さんたちはいつ終わるのだろうかと先の見えない不安でいっぱいと思いますが、これから始まる長い長い育児期に比べたら、つわりがあるのはごく短期間。赤ちゃんが「お母さん無理せずゆっくり過ごしてね」のサインを送ってくれていると思って、自分の体とお腹の赤ちゃんと向き合いながら、焦らずのんびりゆったり過ごしてみませんか?

文/浜松医療センター 助産師 渥美絢子

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