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パパの出番! 補助輪なし自転車の練習法
今度小学生になる我が家の娘。周りではだんだんと自転車に乗れるお友だちも増えてきて、「私も自転車に乗りたい!」と言い出しました。
練習するなら、できるだけ子どもが転ばないようにしたいなぁ。辛くなって乗らなくなるのは嫌だし・・・。それに、つきっきりで練習となると体力もいるからパパにやってもらいたい!
そこで、親も子も笑顔で自転車に乗れるようになる練習方法とコツをプロに教えてもらいながら、パパのサポートで自転車の補助輪外しに挑戦することにしました。
いざ、補助輪なし自転車にチャレンジ!
指導してくれるのは、自転車の乗り方や楽しさを伝える活動をしている「自転車初乗り指導協会」代表、上嶋常夫さんです。
どんな手順で進めていけばいいのかな? 上嶋さんの指導のもとパパが子どもをサポートします。
<STEP1>まずは歩いて押してみよう
すぐにこぎ出す練習をするより、最初に自転車がどんなものか知りましょう。
ハンドルをしっかり握って横に立ち、押して歩きます。押しながらハンドルを使って曲がることや、ブレーキを握って止まる練習もします。

<STEP2>またがって進み、勢いをつけてみよう
実際にサドルに座ったら、まずは座ったまま足で地面を蹴って進んでみましょう。
勢いがつけられるようになったら両足をあげてバランスをとります。足が地面についていない状態でバランスがとれるようになれば、乗れるようになるまであと少しです。

<STEP3>ゆるい下り坂で前に進む
ゆるい下り坂を使うと自然にスピードがでるため、バランスがとりやすくなります。まずはペダルを使わずに練習し、慣れてきたら、勢いがついたまま足でペダルを探しこぐ練習をします。
下り坂のない場所では、STEP2のように地面を足で蹴った勢いでペダルをこぎ出すのもいいですし、ゆるやかな坂のある公園をみつけたらそこで練習するのも一つの手です。

<STEP4>ペダルをこぐ
ある程度勢いのあるままバランスがとれるようになったら、平坦な場所で片足をついた状態からペダルをこぐ練習をします。
利き足側のペダルを前に上げておけば、こぎだしやすいです。

先生からのアドバイス
<Point1>身体に合ったサイズの自転車で
どうせなら長く乗れるように…と少し大きめの自転車を買ってしまいがちですが、乗れるようになるまでは身体に合ったサイズを選ぶのが一番。始めは、両ひざを曲げて足の裏が全て地面につくものが理想的です。転びそうになった時にも体を支え安全な体勢がとれる自転車を選びましょう。成功させる一番のコツは「転ばせない」ことなんです。転ぶ回数が多ければ多いほど子どもは嫌になって次の練習をしなくなります。
<Point2>大切なのはバランス感覚
自転車に乗るためにはバランスがとれることが大切です。バランスがとれている感覚を子ども自身がわかっていれば、乗れるようになるまで時間はかかりません。
バランス感覚を身につけるには、大きさの合った自転車で足をつけ、蹴り出す練習が有効です。補助輪を外すときに一緒にペダルを外してしまってもいいでしょう。最近は小さな頃から乗れるペダルなし自転車もあります。これは公道を走れませんが、サイズも小さめなため危険も少ないです。
身体が動き切っていない午前中に練習する場合は、少し身体を動かしておいた方が上達が早いでしょう。
<Point3>「早く!」は禁句。ほめて進めよう
自転車の練習で必要なのは、焦らせないこと。そして「早く!」は絶対禁句!
バランスを保つために、つい「早くこいで!」「早くペダルを!」と言いがちだけれど、それは子どももよくわかっているから、ただ焦らせるだけ。転んでケガの原因になりますよ。焦らせない声かけと、ほめて進めることが大事ですね。
感覚を忘れないうちに公園で練習再開
少し怖かった補助輪なしの自転車が楽しくなってきた様子の娘。気持ちの冷めないうちにと、さっそくパパと公園で乗り方の復習をすることにしました。
先生の指導のおかげでコツをつかんだのか、パパが近くで見守っていれば、手助けがいらないほどスムーズにスタートできるようなりました。
パパと一緒に練習し、無事に自転車に乗れるようになって大成功!!
パパも、「乗れるまでにはもっと時間がかかると思っていたし、こっちもイライラしながらになることを覚悟したけど、やることを順番に教えていったら、意外なほどスムー ズに乗れてびっくり! 大きくなったんだなぁって、貴重な成長の一場面を一緒に過ごせて感動したよ。得意げに自転車にまたがるのを見ていたら『うちの娘は できる子だ!』とつい親ばかになるよね(笑)」と、娘と二人で過ごした時間に大満足なようすです。
取材を終えて
「本当はじっくり教えてあげたいけど、体力もいるし上手に教えられるか不安」。そんな思いからパパに娘の自転車練習をお願いしてみました。正直「パパ、娘に怒っちゃわないかな」と心配もありましたが、当日は先生にお任せして、ふたりの練習タイムを見守りました。
大変な練習の中でも少しずつ成功に近づくごとに「見て、見て!」と娘がパパを呼ぶ場面がたくさんあって、子どもは親に見てもらうことが一番嬉しいんだと実感。プロに教わったことでパパにも余裕ができ、効果的な練習ができました。焦らず楽しい雰囲気で声かけをすることが、娘に安心感を与えたのだと思います。
娘の転んでもあきらめずに取り組む一生懸命な顔や、一つひとつ課題をクリアしたときの最高の笑顔。これをパパと一緒に見られたことで、親子3人の絆も深まったように感じます。
子どもの自転車練習は親も気合いがいりますが、一緒に取り組むことで得られる喜びはとても大きいもの。普段子どもと過ごす時間が少ないパパこそ、その役目を引き受けて楽しく嬉しい思い出を作ってください。
取材ママ/さいとう
協力/自転車初乗り指導協会
<参考情報>自転車の練習におすすめの公園
補助輪なし自転車に挑戦するなら、自転車用に作られた道路がある公園での練習がおすすめです。周りで同じように練習している親子がいたら、パパも子どもも気合いが入りますね。
慣れてきたら交通ルールなどを教えながらスムーズにスタートやブレーキができるよう、公道デビューに備え練習しましょう。
- 相生公園
浜松市中区相生町320-2
約40台のレンタル自転車から自分に合ったものを選び、無料で借りることができます。信号や横断歩道、標識など、本物のように道路が作られた園内では、乗り方や交通ルールも学べます。 - 石人の星公園(遠州灘海浜公園)
浜松市南区江之島町1706
サイクル広場では、自転車や三輪車、一輪車の無料貸出しがあり、それぞれスペースに分かれて乗ることができます。自分の自転車を持ち込んでの練習もOKです。 - 中瀬南部緑地
浜松市浜北区中瀬4486-1
ローラーブレードコースが自転車の練習に最適です。約130メートルのコースは赤く舗装されているため走る場所がわかりやすく、周りが芝生のため安心感もあります。 - 三ヶ日交通公園
浜松市北区三ヶ日町福長70-20
本物そっくりの信号機や踏み切り、標識などがある道路で練習できます。土日祝は無料で自転車の貸し出しがあります。自分の自転車を持ち込んでの練習もOKです。