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語り聞かせたい日本の昔ばなし(全3巻)

「人と人とのにんまりする話」「生きものとのおどろきの話」「神さまや鬼とのふしぎな話」の3巻で構成される昔ばなし集です。昔ばなしには、人間のおかしみ、生きる知恵、理屈を越えた「おはなし」の面白さが詰まっています。初めて聞く話でも、どこかで聞いたような気がするのは、私たちの文化や生活の中に自然に溶け込んでいるものがあるからかもしれません。
ひとつひとつは短いおはなしですので、目次からコレと選んで読むのもよし、何気なく開いたページから読むのもよし、好きな読み方で楽しんでください。特にこの本は、「語る」ことを意識した文章になっているため、できれば声に出して読むことをおすすめします。大人が子どもに読み聞かせるのは勿論、大人もぜひ、耳から聞くおはなしの楽しさを体感してもらえたらと思います。
監修者である小澤俊夫さんは、長く、グリム童話をはじめとする口承文芸の研究をされていました。1992年に「小澤昔ばなし大学」を開講し、30年以上全国を飛び回り講座を継続、昔ばなしの伝承に力を注ぎました。昔ばなし大学としては、これまでも開催地域ごとに再話集を発行していましたが、今回紹介するこの昔話集は、全国の受講生・修了生がこれまで再話した作品を改めて集約・編集した、いわば集大成のようなものです。
小澤さんは、2026年4月18日に満96歳でこの世を去りました。数年前に一時体調を崩されたものの、その後も精力的に講座や執筆を行い、この昔ばなし集の発行についても嬉しそうに話していたお顔が今も思い出されます。昨年度いっぱいで昔ばなし大学の閉講を決め、ご自身の手による(おそらく)最後の昔ばなし集の発行を見届け、ほどなくして逝かれたと思うと胸がいっぱいになります。受講生のひとりとして、またこれまで様々な作品を楽しむ機会を与えてもらった読者のひとりとして、先生のご冥福を心からお祈りいたします。
紹介した絵本
文/浜松市立中央図書館 島野陽子



