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つみきのいえ
聞いた事ありませんか?このタイトル。
そう、この本は、米国アカデミー賞を受賞した、「つみきのいえ」の絵本版です。
「アカデミー賞受賞」より、この「つみきのいえ」というタイトルと、きれいな水彩画が気になって手に取った一冊です。
これは、年々海に沈んでいく町に住むおじいさんのお話です。
水に沈む、というとダムの底に沈んで住めなくなった町を思い浮かべますが、この町の住人は、家が海に沈めば、その上に増築していくことで生活しています。
海の底から、沈んだ部屋が、つみきのように延びているのです。
そんな、海に沈んでいく町からは、毎年何人かが家を作り続けるのをあきらめて引越しをしていってしまいます。
でも、おじいさんは残っている町の仲間たちと、なんとか楽しく暮らしています。
ある日おじいさんは、落としてしまった大工道具を拾うために、沈んでしまった部屋をつぎつぎに降りていきます。
一番下の部屋は、どんな部屋だったでしょうか。
おじいさんは、つみきのいえをたどる事で、これまでの人生をたどっていきます。思い出のアルバムをめくるように、その部屋に住んでいた自分を振り返っているのです。
「あなたの生まれたころはこうだったのよ」という、子供が経験していながら覚えていない事を話して聞かせることは、想像力を豊かにします。
やさしい気持ちになれる一冊です。この絵本を読んで、自分の家族の「つみきのいえ」を語りあうきっかけにしてみたらいかがでしょうか。
文/池川恵子さん