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てぶくろ
雪の降る寒い日、こいぬといっしょに森を歩いていたおじいさんが革のてぶくろを片方落としてしまいました。そこに森の動物たちが次々やってきます。最初にてぶくろをみつけたのは『くいしんぼねずみ』。てぶくろにもぐりこんで・・・とっても気に入ったらしく・・・ここで暮らすことになりました。
次のページをみると・・おや・・てぶくろが雪で濡れてしまわないように木組みの上に乗せられ入口にはしごがかかっています。
『ぴょんぴょんがえる』がやってきて二匹でいっしょに住むことになりました。
『はやあしうさぎ』『おしゃれぎつね』もやってきて、「てぶくろに住んでいるのはだれ?」「いれてよ」「どうぞ」と繰り返され、てぶくろは満員!
住人が増えるたびにてぶくろがカスタマイズされていきます。入口にデッキが作られ、みんな仲良くならんで住んでいます。そこに、『はいいろおおかみ』『きばもちいのしし』もやってきて同じように「てぶくろに住んでいるのはだれ?」「いれてよ」と繰り返されさすがにいのししはむりじゃないですか・・・と言いますが、「どうしても入ってみせる」と言うとみんなはやさしく「それじゃ どうぞ」と受け入れてくれます。
てぶくろはパンパン!手のひらに窓ができ、親指にはえんとつが!なんだかありえない状況の中『のっそりぐま』まであらわれました。満員でおことわりしてもどうしても入ると言い張ると「しかたがない。でも、ほんのはじっこにしてくださいよ」と受け入れて、てぶくろの中は7匹。てぶくろの中に『のっそりぐま』が入ったらいったいどうなってしまうのでしょう!?絵本の中には、『のっそりぐま』が入っている挿絵はありませんので想像の世界で楽しむことができます。
さて、森をあるいていたおじいさんがてぶくろが片方ないことに気が付いて探しに戻り、こいぬが見つけるとてぶくろはむくむくうごいています。こいぬが「わん、わん、わん」とほえたてるとてぶくろの住人はびっくりしてはい出し、森のあちこちににげていきました。おじいさんがやってきたときには、もとのままのおじいさんのてぶくろに戻っています。
現実の世界と想像の世界を行ったり来たり・・・絵本の世界で存分に楽しむことができます。寒い日にはご家族みなさんで「てぶくろ」の世界に行ってみてはいかがでしょう?
文/浜松市立中央図書館 坪井絹代さん