子育てのヒント

妊婦の体重増加について~助産師たちのつぶやき~

2021年7月10日

助産師たちのつぶやき今年は梅雨入りが早く、じめじめした日と真夏のような暑い日とが交互にきて、体調の管理が難しい日々ですね。体調を崩していませんか。こまめな水分摂取を心掛け、これから迎える更に暑い夏に備えましょう。

今回は妊婦の体重増加についての話をさせていただきます。妊婦健診の度の体重測定があり、その値に一喜一憂されている方や、妊娠したけど産後の体型のことを考えてあまり体重を増やしたくないな…と考えている方もいらっしゃるのではないしょうか。妊婦さんと体重は切っても切り離せないものであると思います。

しかし、みなさん日本産婦人科学会が今年の3月に約20年ぶりに妊娠中の体重増加の推奨値を引き上げたのをご存じですか。妊娠中の体重増加は、妊娠する前の体重と身長から算出されたBMIを元に考えます。

・BMI18.5未満:12~15kg
・BMI18.5以上25.0未満:10~13kg
・BMI25.0以上30.0未満:7~10kg
・BMI30.0以上:個別対応(上限5kgまでが目安)

に変更され、従来より2~3kgほど増えた値となりました。この改訂の背景には、2,500g未満の低出生体重児の割合が約40年間で1.8倍と先進国では異例の事態が続いていることがあるとされています。

確かに妊娠中短期間の間に一気に体重が増えすぎると、腰痛や浮腫などのマイナートラブルが起こりやすかったり、血圧が上がりやすかったりするリスクもあります。しかし、妊娠中の体重増加が少なすぎたり低栄養だったりしてもよくないのです。

例えば、糖尿病や高血圧、高脂血症などのいわゆるメタボリックシンドロームに関連する遺伝子の働きを調節するメカニズムの多くが、受精時・胎児期から生後1年くらいまでの間に決まると言われており、低出生体重児はそのリスクが高く出生後の生活習慣に問題があった場合、よりメタボリックシンドロームになりやすいと報告されています。

バランスのよい食事

まだ生まれてもいない赤ちゃんの40年後や50年後になりやすい病気が、お腹の中の胎児期の頃の栄養や出生時の体重に影響してくるなんて驚きですよね。

お腹の中の赤ちゃんは急激なスピードで成長しています。その源はお母さんから供給されている“栄養”です。すなわち妊娠中の食事は、お腹の中の赤ちゃんへのお母さんからのプレゼントであると言えます。体重を気にしすぎて食べないというのではなく、遅い時間の夕食にならないよう食事時間を整えたり、「食事バランスガイド」を活用してバランスの良い食事を心がけたりしてみましょう。

お腹の中で赤ちゃんがよりよい環境で育つように、私たち助産師もお母さんと一緒に考えていければと思っています。

文/浜松医療センター 助産師 早瀬友梨

妊娠・出産