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“足りない”を前提に備える-アレルギーと災害のリアル
2026年上半期、中東情勢の緊張により、日本でも影響が出ています。原料であるナフサの供給不安が広がり、県内でも指定ゴミ袋が一時的に品薄になり、店舗での欠品が見られました。そのため各市では、首長や担当部局がSNS等を通じて「供給に問題はない」と発信しています。
こうした状況は、実は災害時にも繰り返されてきました。大きな災害が起こると、被災地以外でもインスタント食品や水、パンなどの食料、さらにはバッテリー等が買い占められ、スーパーの棚から物がなくなる事態が起きます。
共働き世帯が増え、忙しい日々を送る子育て家庭にとって、日頃から災害に備えて備蓄を行うことは簡単ではありません。家族が増えると保管場所に困ることもあり、ローリングストックが推奨されていても、昨今の物価上昇により買い控えてしまうこともあるのではないでしょうか。

それでも、近年の日本では、いつどこで災害が起きても不思議ではありません。だからこそ、改めておすすめしたいのが「ローリングストック」という考え方です。普段食べ慣れている食品を少し多めに備えておき、賞味期限が切れる前に消費し、使った分を補充していく方法です。
先ほどのゴミ袋の例も同様ですが、日常的に使うものを少し余分に持っておくだけで、いざというときに慌てずにすみます。仮に指定品が不足した場合でも、行政は代替手段を検討し、柔軟に対応していくでしょう。
ただし、アレルギーや糖尿病など、限られた食品しか摂取できない場合は別です。例えばアレルギーの場合、災害時には相談窓口が設置されることになっていますが、備蓄されている食品は限られています。浜松市でいえば、アレルギー対応ミルクやアルファ化米など、ごく一部にとどまります。避難生活が長期化すれば、同じ食品が続いて飽きてしまうだけでなく、不足する可能性もあります。行政ができることには限りがあるのです。
だからこそ、まずは「自分の身は自分で守る」という自助の意識が大切です。自分に必要な食品は、自分で備えておくことを心がけましょう。
また、大規模災害のたびに、行政だけでは支えきれない現実も明らかになっています。その中で、NGOやNPOの役割が見直され、行政と連携して活動する動きが広がっています。要配慮者に必要な物資、例えばアレルギー対応食品などについては、民間団体が窓口となって配布を担うといった協働の形も重要です。
行政と民間が分野を越えてつながり、平時から連携していくことが、いま求められています。
文/浜松市防災学習センター 副センター長 原田


