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マタニティ・ヨーガ 助産師たちのつぶやき
日々、寒さが増すこの頃ですが、妊婦さんや産後の方はどのようにお過ごしでしょうか。今回は、寒くてもお家の中でできるエクササイズのひとつであるマタニティ・ヨーガについてお話します。
ヨーガは、近年みなさんの身近に浸透してきているかと思いますが、その歴史は古く紀元前2500年前から紀元前1500年まで栄えたインダス文明からと言われています。みなさんの中にも実際にヨーガを行った事がある方も多いのではないでしょうか?ヨーガは実際に行ってみると身体を柔軟に伸ばしていくためストレッチと何が違うのだろうかと思いがちですが、当院で行っているヨーガのエクササイズは身体ではなく『こころ』を養うことを大事としています。ヨーガにも様々なものがありますが、当院で行っているヨーガはハタヨーガをベースにした妊婦さん向けの体操で、身体をリラックスさせるだけではなく、精神の働きを活発にし、自分自身の内面のエネルギー源を見つけ出す手段としても活用できます。
当院では、2週間に1度バースセンターで出産予定の妊婦さんを対象にヨーガを行っています。実際に、ヨーガを行っていた方に分娩の時の話を聞くと、「赤ちゃんを出そうとする方向が意識できた。」「呼吸を意識できた。」という意見が聞かれます。自分自身の『こころ』に意識を傾けるといった練習をヨーガで行っていることで、陣痛の痛みを感じる中でも自分自身と向き合えることができるからこそ、このような意見が出たのではないかなと思います。
ここまで、精神面を養う意味でのヨーガのメリットをお話ししましたが、もちろん妊娠による生理的な変化(例えば体重の増加や姿勢の変化といったもの)による筋肉や内臓機能の低下を防ぐ事や腰痛や脚のむくみなど妊娠してからの不快な症状を解消することにもヨーガは役立ちます。また、お産の時に役立つ呼吸法の訓練にも役立ちます。いろいろなメリットがあるヨーガですが、決して激しいエクササイズではありません。しかし、原則として妊娠経過に異常のない妊婦さんが対象となります。そのため、お腹の張りやすい方や多胎や妊娠高血圧症候群など妊娠経過に異常がある方は、医師に相談していただくようお願いします。
また、食後すぐ行うと、おなかが痛くなったりすることがあるので、体操前2時間は食事を控えるか、軽く食べるだけにしておいてください。
寒い毎日で身体も固まりがちですが、日々の生活にヨーガを取り入れてこころも身体もリラックスしてみてはどうでしょうか?
文/浜松医療センター 助産師 鈴木明日香