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かまきりのちょん

3歳前後の子どもたちに出会わせてあげたい絵本です。この年齢の子どもたちは、虫も、おもちゃも、ぬいぐるみも、動物も、だれとでも仲良しになれます。どんな主人公にも共感して同化できるのがこの年齢の強みです。だから、かまきりにだってちゃんと同化して、ちょんと一緒に夏の一日を過ごします。

ページを開くと、鮮やかなつゆくさに紛れるように、かまきりのちょんが現れます。ちょんは、つりがねにんじんの下で、足や触覚をなめて、朝の身支度を整えます。それから、てんとうむしの後を付けますが、てんとうむしは飛び去って、ちょんはおいてけぼり。次に、みのむしをみつけて飛びつこうとしますが、まっさかさまに落ちてしまいます。落ちたところは、ありの群れの真ん中!画面一杯に描かれた大勢のありたちに、見ている子どもたちの顔に緊張が走ります。あわてて逃げておなかがぺこぺこになったちょんは、おおきなとのさまばったをみつけて、かまを振り上げ、振り下ろし、捕まえます。

余白を生かした横長の画面に、虫たちや植物がくっきりと描かれ、子どもたちをちょんの世界に引き込みます。そしてかまきりの一日をちょんと一緒に体験するのです。

初版は1967年ですが、少しも古さを感じさせません。長らく品切れになっていましたが、この春、東京子ども図書館と福音館書店との共同企画「いま、この本をふたたび子どもの手に!」で久しぶりに復刊されました。

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