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かぶとむしはどこ?
「かぶとむしはどこ?」
松岡達英 文・絵
福音館書店
昆虫の中でも、くわがたと人気を二分するかぶとむし。
その誕生から終末までを描いた科学絵本です。
この絵本の魅力は、なんといってもかぶとむしの絵(姿)のリアルさにあります。幼虫が腐葉土の下で徐々にさなぎに姿を変えさらに脱皮をしていく様子から、ついに地上に現れたその瞬間の姿。圧巻はかぶとむしがはねをひろげて飛ぶ姿を真正面からとらえた場面で、見開き2ページにわたり描かれた絵は迫力満点・精悍とさえ感じられます。
そのほかにも、くわがたとの壮絶な場所争いの戦い、えさ場でメスと一緒に食事をする場面など、かぶとむし好きの子どもでなくても思わず見入ってしまう魅力にあふれています。
地上での生活は夏の間の短い期間だけで、ほとんどを土の中で過ごすかぶとむしの一生、その力強い生命力を感じさせてくれる1冊です。
浜松市立西図書館 犬塚 力男さん