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ねずみのすもう
「ねずみのすもう」
神沢利子/文
赤羽末吉/絵
偕成社
むかし、たいそうびんぼうなじいさんとばあさんがいました。
じいさんが山へしばかりにいくと、やぶのかげでじいさんとこのひょろひょろのやせねずみと、ちょうじゃどんとこのでっぷりふとったねずみとが「でんかしょ、でんかしょ。」とすもうをとっていました。じいさんは投げ飛ばされてばかりいる、うちのやせねずみがかわいそうでなりません。じいさんはねずみに力をつけてやりたいと思い、ばあさんに相談して大事にとってあったもち米で餅を作ってやりました。すると・・・
この昔話は、いろいろな絵本が出版されていますが、特にこの絵本はここちよい言葉のリズムと落ち着いた色彩の挿し絵が調和し、おじいさんとおばあさんのやさしい表情を見ているだけでも温かい気持ちになってきます。
また、伝統的な日本の和紙や版画の技術をさりげなく用いたような美しい背景に思わずじっと見入ってしまったり、表紙や裏表紙の見開き部分に2匹のねずみのシルエットが模様のように描かれていることに後から気付いて、読み終わってからもついニンマリとして楽しめる絵本なのです。
実生活では、戸棚に入れてあったお餅をねずみが食べてしまったら、大騒ぎして害虫駆除業者に電話するところですが…。
お正月のお餅を食べながら、ぜひ親子で読んでみてください。
浜松市立東図書館 大石陽子さん